2ー62【悪女な魔女10】
◇悪女な魔女10◇ミオ視点
恐慌を孕んだ悲鳴が耳を裂く。
出血もないはずのに溢れる、赤い魔力が大量の鮮血を思わせる。
痛みによって暴れる身体は、自意識などないように、ビクンビクンと痙攣をし、【
「フレイ!回復!!」
「やってるよ、痛みが治癒を超えてるの!」
俺の契約精霊、フレイウィ・キュアでさえ追いつかない程の痛み。
普通の治癒よりも多くオーバヒールしてるはずなのに、それでも痛みが上回るのか……それに新しい能力――【
いっそ【
「くっ……なんだこの魔力の量は!本来のレフィルの魔力量じゃ無いだろ絶対!!」
感じることが出来るなら、これは俺の……【
左腕を黒い部分に翳して、それを右手で支えているが、血管が千切れそうになる。
それに、指が反対側に折れ曲がりそう……控えめに言っても、
「ミオの【
多分って!!でも、そうだろうな恐らく。
俺もそう思うよ、【
ベリッ――
「ぐっ……いでぇぇぇ!」
爪が剥がれた。
それも四枚同時に。
だけど、レフィルの表情を見れば弱音も吐けない。
悲鳴を上げながら、それでも意識を手放さないように必死に食らいついている。
ここで俺が引いてたまるかよ!!
「もう少し……もう少しだ!もうすぐ、届く!!」
【
更には【
チカッ……チカッ……!
「届いた!!
俺は、溢れ出る魔力と同等の魔力を全開で込めて、【
◇
「――これが、【
真っ暗だ。
さすがは復讐の神、オウロヴェリアの権能と言った所か。
「【
光を灯す。
「簡素……というか、【
最大で放った【
復讐の神の権能であり、負の化身の能力……【
ちょっとこれは想定外だぞ。
現実の俺は、今頃ぼーっと突っ立っているんだろうけどな。
『――ミオ、この人の痛みはとりあえず抑えたよ。だから、早く帰ってきてね。じゃないと、お医者の先生がスッゴイ顔でミオを見てるから』
「フレイか。【
『心に語りかけるのは精霊の専売特許だよ、簡単簡単〜』
頼りになる言葉だ。
それじゃあ、サクッと調整しようかね……【
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