第7話 再設定 視点冷夏

あれ?病室。今までの夢?

『夢ではない冷夏。』

『ここは、お前の無意識から構築した部屋だ。』

う~ん。確かに長く過ごしていたけど、無意識に病室って。なんだかな~。


『今、お前の肉体は睡眠中。目覚める前になるベく話がしたい。』

まあ、いいけど。

まず君は誰?

けっこう偉そうに喋るけど、神様か悪魔か何か?


『我は世界に六冊ある真の魔導書が一冊。題名はついてない。強いて言えば、[無名の書]だな。』 

う〜ん、「名前はまだにゃい」ってやつかなと

理解する。


そうそう契約。

確かに契約したけど、私を転生させた利点ってなに?

すごい知識とか転生無双出来る様な事、私にはなにもないよ。


「その口の悪い魔導書が、この世界に戻る為ですよ。」

「この魔導書は本来、この世界の自称至高神に力を封印された挙げ句、焚書にあってこの世界から失われるはずでした。」

「それを私が何とか、電子書籍化して、貴方のスマホにダウンロードしたのです。」


『死神よ。時間がないのだ。今は冷夏と話がしたい。』


「この世界では大地母神と呼ばれています。死神なんて言うのは貴方ぐらいです。」


『死神だろう?そなたには農産物も人間の魂も同じ。育て、必要なら間引き、時期がくれば刈り取る。魂を食べたりはしないのだろうが、やっている事は同じだ。』


「あら、時間がないのでは?(笑)」

「私も冷夏に話があってきました。確かに時間がありません。再設定を急がないと。」


『誤魔化したな死神』


「まず私の神聖魔法と教えの基礎を貴女の脳にダウンロードします。貴女は大地母神の歩き巫女という設定で。」

「竜の島で竜人族の嫁にされそうになって、魔導具で強行転移して逃げだけど、無理が祟って、記憶が曖昧になっている。OK?」


なんか神さまも出てきた。

頭の中で掛け合い始まるし~。

う~ん、ついて行けてません。

大丈夫ではないです。


「口の悪い魔導書、フォローおねがいします。どうせ、貴方の大魔法は規模が大き過ぎてロクに使えないのでしょう?」

「さて、仕上げましょう。セットアップ終了。再試行スタート」


アタマぐるぐるする〜。 なにか入ってくる〜。


『すまぬ冷夏。時間切れだ。とりあえず死神の設定どうりゆくぞ。』

え、あの、う~ん。


『(死神め、やけに気前が良い。どんな思惑があるのやら。神の御心は知るよしもなしか…)』


目が覚めた。

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