第12話

「俺も!したい!」

「じゃあ決まりね。裁判はそのときに私たちの裁判もあるの。たしかあと3日後。そのときに発言者として参加してくれない?」

「もちろんです!本当に今回のことはすみませんでした!!」

私を襲った男たちはそう謝罪してきた。今回は逢見さんが指示しただけで悪意はないということで今回は和解という決断になった。

「それと、今回のことで渋沢さんに接触しないように私の家に来てくれます?作戦も立てたいので。」

「逆にいいんですか!?あざっす!!」

「おいおい」

と智洋が苦笑いをする。私はそんなおかしな状況に笑ってしまった。

「うふふ」

「なんか久々に蓮実の笑ってるとこ見た」

と智洋はニコニコしながら言う。私は顔を赤くし、

「べ、別に!!」

と私は顔を隠した。その状況にみんな笑っていた。








「にしてもお前の家広すぎないか?」

「んー、元々大家族だったし、両親は同じ部屋だし、お義父さんもお義母さんも2人で一緒の部屋にいるし、部屋は空いてるよ。」

「手伝いでも、家事でもやらせていただきます!!」

と私を襲ってきた人たちは潔く礼をした。

「いえ!そんな申し訳ないですよ!」

「いや!やらせてください!」

と懇願に負け、私はお願いすることにした。家族にも話し、みんな歓迎してくれた。

みんな渋沢さんの顔に負けたらしいけど、今思うと憎いと言っていた。

家事を全員してくれたけど、その中でもすごかったのは元シェフの2人、田中さんと大久保さんだった。レベルが高すぎるし、美味しいすぎる。それと食後のデザートもでてきて、しっかもコスパも良く、安くできる料理で私はまた料理を見習った。

後の3人は介護士の和田さん、私と同じ教職員の三井さん、修理屋の島田さん。みんな顔もいいし、なにより人が良すぎる。家族の面倒も和田さんが手伝ってくれたり、裁判でどう戦うのかの構成も三井さんが手伝ってくれたり、物が壊れたときは島田さんが手伝ってくれた。みんな頼もしいし、久しぶりに賑やかな家庭だった。











照史side

蓮実が実家に行って1週間が経った。連絡は入れてくれるし、家族の様子が少しずつ元気になっていることも写真付きでくれて心がホッとしている。

ある日ポストに裁判所からの書類が届き俺はドキッとしてしまった。差し出し人は高校の同級生のユッキーだった。開くとそこには

「はぁ……!?裁判……!?不倫……!?」

俺は震え、髪をくしゃくしゃにして焦る。しかしここには浮気相手が渋沢ここあではなく、

「逢見凛子……?はっ!声……逢見さんに似てる!!まさか……」

すると携帯が鳴り、差し出し人はこっちゃんだ。

「ねぇ、不倫のお金は私は払わないし、奥さんなら私の下僕に襲わせたからきっと裁判所には出れないよぉ。」

「襲わせた!?」

「うん!だからあたしたちにもあっちが複数の男と関わってることも出せるしぃ〜。だけどいっこうにその写真が来ないのよぉ」

「お前……逢見凛子だろ……」

「だぁれそれ?ここあのこと疑ってるのぉ?」

「おい、メス狐。」

「はぁ……気づくのおっそ。凛子はもう逃げてるからじゃあねぇ」

とブツっと切られ俺は机を思いっきり叩く。

「くっそ……全部あいつのせいだ……!!」



















蓮実side

「明日はいよいよ。裁判です。逃げ出した逢見さんもこちらのほうで捕まえたのでしっかり戦えます。みなさん頑張りましょう!」

「俺たちも恨みを晴らしてやる!!」

「絶対負けない!」

みんなでワンチームを組み、戦いに挑むことを構えた前日だった。

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