プロローグ ~突然の死!2~

 いや、なんとなく。なんとなーく、そんな気がしてたこともない。

 だって、こんな場所世界中のどこを探したってあるはずもない。

 それで、目の前に『いかにも』のおっさんが出てくればそれはもうそうだろうなとは思っていたよ。

 完全に見た目が、ギリシャ神話に出てくるゼウスみたいなおっさんが出てくればそりゃそうでしょうよ。

 しかし、そうなれば疑問点が浮上する。


「俺の家系、仏教なんですけど」

「いや、それは知っておるが。今そこ大事じゃないじゃろ」

「じゃあなんで!」

「ほら、分かりやすいじゃろ?この格好。あとほら、お主らの世界にワシめちゃくちゃいるじゃろ?」

「確かに」


 おっさん形態だったり、美少女だったり。

 俺がしていたアプリゲームにも出ていた。

 パズルゲームのやつ。


「じゃあおっさんはゼウスなのか?」

「ゼウスではないな。この格好はあくまで、お主たち人類が『神とはこういう姿』という認識を具現化したにすぎん。本体は『概念』に近いのじゃよ」


 なるほど。

 だから、分かりやすい格好なのか。

 でも、せっかくだから美少女で来て欲しかった。


「ばかたれ。こっちの方が威厳あるじゃろ!」


 思考を読まれた。

 どうやら、目の前にいる神様は威厳を保ちたいらしい。ある意味人間臭いのかな。


 そんなことを考えていると、うおっほん、と再度咳払いをした。


「そんなことより、お主がここにいる理由はわかるか?」


 ここにいる理由。


「・・・死んだってことだよな?」

「左様。お主は現世にて、その命が終わったのだ」


 淡々と言われてしまった。

 しかし、実感が無い。

 自分の左右の手のひらを閉じたり開いたりしてみる。

 その手には、実感がある。


「そう。お主がここにいる場所は黄泉路。まだ完全に魂は死んではおらん」

「魂・・・?」

「そうだ。お主は、そうだな・・・『奇跡の死』を持って資格を得た」

「なんだって・・・?なんだその『奇跡の死』って。あと資格ってなにの?」

「待て待て。一つずつ答える。して、お主・・・。現世最後の記憶が無いのか?」


 そういえば、記憶が無い。

 ないというより、頭がふわふわしてて思い出せない。


「ふむ、仕方がない。少々酷じゃが、お主の最後を教えよう」


 自慢?の髭を触りながら神はしゃべり始めた

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