俺の友達がかわいすぎる件(仮)

おるごーる

プロローグ

「先輩!どうやったら付き合えるんすか?」


俺の名前は雨宮総司。そこそこの大学をでて、業界ではそこそこ名の知れた企業に就職した。なんということはない、ごくごく普通の人生だと思っている。もちろん、恵まれているのはわかっている。高校時代の友人が、忙しくて中々会えないのを見ていると、(ああならなくてよかった)と思ってしまう。俺が入った企業は、給料は多いとは言えないが、残業はそこまで多くないし、週休2日制だ。それに、先輩もいい人が多くて、同期とも仲がいい。

...良いことづくめだ。不満があるわけじゃない。楽しくないわけじゃない。ただ...ただ漠然と彼女がほしいな...とそう思った。


「なんでそれを俺に聞くんだよ...」


今日は会社の先輩と飲みに来ている。大西渡という、なんというか、インパクトの無さそうな名前の割にすごく仕事ができるし、人柄もよく、頼りになる先輩だ。


「だって先輩結婚してるじゃないですか」


「いや、俺は高校から付き合ってたからお前の参考にはならんだろ...」


「でも、こういうのは経験者に聞くのが一番じゃないっすか?」


「あのなぁ...経験者の助言だけで付き合えるんだったらみんな彼氏彼女がいるだろ。」


「...確かに」


「そもそもお前、なんで付き合いたいんだ?」


「えーと...何となく...?」


「お前なぁ...ただ付き合ってる気分を味わいたいだけなら、金で解決するじゃねぇかよ。」


「え、金でつるってことすか?」


「そういうことだ」


「でも、いきなり言われたらきもがられません?」


「ナンパしろって行ってる訳じゃねぇよ。恋愛代行サービスとかそういうやつだ」


「なんすかそれ」


「金を出せばデートできるってやつだよ」


「そんなのあるんすね」


「一回やってみたらどうだ?お前休日暇だろ?」


「...やってみます」


確かに、そもそも付き合うってなんなのか、わかっていなかった。趣味なんてないからある程度貯金はあるし、挑戦してみるのは全然ありだろう。


(帰ったら調べてみるか...)


そう思いながら、酒を一気に飲み干した。

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