あとがき

あとがき

皆様こんにちは。


日頃から、私の作品を読んでくださり誠にありがとうございます。



 本日公開した第313話を以て、この「ネオナイト」の物語は完結することとなりました。


 構想2年、執筆に3年かけて制作したこの超複雑な小説、いかがだったでしょうか?

面白かったでしょうか? 大変難解な小説だっただろうと思います。


 なんせ、誰にも相談せずたった一人で手探りで書いたのもあって、皆さんに読んでもらえる内容かどうかとても不安でした。


 この作品はいわば、「本をあまり読まない全くの素人が、超能力の小説を書いてみたらこうなった」という感じの小説です。


 それにも関わらず、現時点で8000件を超えるPV件数を記録し、たくさんの高評価や応援のコメントを頂けたことを大変うれしく思いますし、光栄に思います。


 本作を読んで、最初は高校生同士のいざこざから始まったのが、途中から国を揺るがす大事件に変動していくという、壮絶な展開の連続に、驚かれた方も多かったと思います。


 この物語の構成としましては、「超能力に目覚めた少年たちが、互いの命と国の存亡をかけた戦いを繰り広げる」というものでした。


 伝説のアニメ作品「AKIRA」とスティーヴン・キングのホラー小説「CARRIE」の二つの作品を見て、その強烈なストーリーと世界観に衝撃を受け、自分もこのような「超能力」を題材にしたストーリーを描きたいと思い、書き始めました。


 「AKIRA」と「CARRIE」を物語のベースにしていったのは良いのですが、「そもそも超能力とは何なのか?」という疑問が浮かんで、自分なりに考えて突き詰めていった結果、「宇宙からやってきた知的生命体によって持ち込まれたもの」ということにして、そこからエテルネル族の話を閃いて物語に組み込みました。


 その上で、「超能力が本当に存在したらどうなるんだろう?」という現実的なアプローチを意識したことで、超能力というものがいかにして得られるのか、どのようにして利用できるのか、そういう自分なりの現実的かつ科学的な考察を閃いて、人類の歴史を交えながらストーリーに組み込んでいきました。


 次に主人公ですが、性格自体は「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジを参考にして作りました。それから「CARRIE」へのリスペクトとして、主人公をはじめとした数人の主要キャラクターは高校生という設定なので、序盤における、母親やクラスメイトとの関係を出来る限り陰惨なものにしていくことを、全面的に表現することにこだわりました。


 本作は「超能力を駆使したバトルもの」ということで、バトルものといえば、「少年漫画」。少年漫画と言えば「高校生」。ということで、主人公=高校生像が自然と作られていきました。


 また、高校生なので、他にも「3年A組-今から皆さんは、人質です-」や「35歳の高校生」といった学園ものの作品を見ていく中で、青春要素も物語のスパイスとして入れていきました。


 特に、市宮茜という女子高生は当初、物語に登場させる予定は無く、圧倒的な比率で男性キャラクターが多く活躍するストーリーにしていくつもりでした。しかし、書いているうちに「高校生なのに、女子高生キャラが一人もいないのは彩に欠けるのでは?」という違和感を覚え、そこから市宮茜というキャラクターが生まれました。


 茜のキャラクター性は「暗黒女子」という作品からインスピレーションを受けて作り上げました。実際、この子が生まれたお陰で、主人公の物語に厚みができ、かつ主人公である光山洸太、日向雅人、そして「彼氏」である城崎真との奇妙でドロドロした四角関係が出来上がりました。物語におけるいくつかの足りない空白の箇所にぴったりとはまる優秀なピースとなってくれました。


 と、これだけだと、単に「高校生」×「超能力」というありきたりなストーリーになるだけで、他のそういった作品と類似してしまうと思い、どうにかして他と差別化を図ろうと、核兵器を導入いたしました。


 というのも、「ミッションインポッシブル」というスパイアクション作品が大好きで、そういった作品では必ずと言っていいほど、核兵器が出てくるので、私の作品にも「核兵器というとても重要なアイテムを奪い合う」という展開を描くことで、物語に緊迫感を作り、アクションとサスペンスの両方で楽しんでいただくことができるようにしました。


 その他、「ダークナイト」や「ジョーカー」といった暗くて重い作品を見て参考にし、全体的にダークでシリアスな雰囲気を醸し出すことを意識して書きました。


 それから、色んなキャラクターの視点で描かれる「群像劇」にしていったのは、単純に登場するキャラクターが多くて、それぞれが、この時どう思っているのか、どのような行動を起こすのか、いかにしてぶつかり合うのか、といった手に汗握るバトルロイヤルを描きたかったのと、それぞれのキャラクターの「超能力への印象」――例えば光山洸太は「欠点」、日向雅人は「復讐のツール」、倉本司は「科学と医療の発展のための手段」という風に表現し、それぞれの思惑が複雑に絡み合う様子と「超能力そのものの功罪」を描きたかったからです。


 そして、この「カクヨム」というサイトでは、ファンタジー色の強い作品が多く占めているので、そういった風潮に乗っかって、皆さん大好き「スキル」という言葉を多用した他、「キリスト教を模した独自の宗教」を考案してストーリーに組み込んで、ファンタジー要素を加えた物語にしていきました。


 ストーリーの途中から登場したキリスというキャラクター名も、「イエス・キリスト」から取りました。キリスが洸太の師匠ポジションに就いて、洸太の心と体の成長をサポートするために色々と助けたりして、さらには大いなる力を授けて見事戦いに勝利するという、少年漫画でよく描かれる王道の展開に仕上げました。


 最終話の最後のシーンでも、「戦いはこれからだー」といった感じで主人公が決意して、続編をにおわせる形で完結するのですが、残念ながら続編については今のところ未定となっております。全く考えておりません。


 思い付きと勢いで書いたというのもあって、正直考えている余裕はありませんでした。もし読者から、続編を希望する声がありましたら、もしかしたら書き始めるかもしれません。いつになるかわかりませんが。


 ひとまず、「ネオナイト」の物語はこれにて終了となります。


 作品へのご意見やご感想なども随時受け付けておりますので、よろしくお願いいたします。


 長くて、濃くて、あっという間な4か月でした!


 読者の皆様、ここまで長い間応援とお付き合していただき、誠にありがとうございました!


天ノ崎

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