異世界に来た私の魔法は最強でした。

夜影空

プロローグ

プロローグ

眠い…もうそろそろ、寝ようかな。




起きたら、私は知らない場所に。なんで?え?いやいや、待って待って。ありえない。おかしい。あー。もしかして、あれかな?異世界転生って奴?いや…死んでないから転生じゃないか…。よく考えてみると、アニメでよくありそうな異世界だな〜。どーなってる?寝てる間に飛ばされた?現実の私は?そこは良いとしても。ジャージだし。 動きやすいからいいけどさ、なんでジャージ?着替えた覚えがないよ?…初期装備確認しよ。


かばん(斜めかけ)


え!?お気に入りのかばんなんですけど!?ありえない。本当に分からない。中身は?



は?何?魔法取扱説明書?魔法書って呼ぼ。魔法の使い方的なものが書いてあるのかな?この世界に魔法が存在するんだ。次。



背中につけるタイプだね。私の好みに合わせられてる。ある意味怖い。次。


ジャージ


着替え用かな?ま、いいや。次は…


かばん


かばんの中にかばん!?マトリョーシカか!


って待って、よく考えると、剣が入っていたよね?そんなに大きくないよ?このかばん。おかしいよ?あれか?ポケット。…ま、いいか。よくわかんないから。


魔法書見てみよ。人気のない場所に移動したし。


1ページ目

『あなたの魔法属性を調べます。手をかざしてください。』

なんだろう。炎とか水とかかな?----------えっと?

『夜』

は?は?夜?なんで?ページをめくる。

『夜は、汎用性が高く、強力です。夜にまつわる魔法が多いです。昼に使うと威力が半減します。』

ふーん。強いんだ。えーっと?なになに?

『魔法を使うために、マナを消費します。使う技によって使う量は変わるため、注意してください。』

えーっと、マナって、よくある感じだね。ゲームでいう、MP(マジックポイント)のことだね。

『マナの残量を見るには、手にMと書くこと。』

見てみよう。えーっと?200?少ないような…?3秒で消えた。

夜になってから魔法を使おう。楽しみだな。

夜。

魔法を使ってみよう。えーっと、魔法書には、

『魔法は言葉を発することで発動します。ただし、1回目に限り、前言が必要となります。』

え?前言?なにそれ?発動条件的なものかな?言葉を発すると発動か〜。…魔言葉って呼ぼ。ページをめくると、お、これは暗視かな前言は…なにこの厨二っぽい奴。ちょっと…これは…。ま、まぁ、仕方無いかな?言ってみよ。使えるか気になるし。

「夜の闇の目、今、解き放たれし時。dark eyeダークアイ

ワァ、明るく見える〜。…恥ず…。でも、発動できたから、良かった。常時発動みたいだから、大丈夫だろう。よし、次。

攻撃系かな。遠距離系っぽい。

「空に輝く星々よ。形を変え、我に力を授けよ。meteorミーター

シンプル〜。英語だからカッコいいって概念は捨てた方が良さそう。普通にカッコ悪。でも、自分の周りに星があるって良い…かも?そして、これには派生魔法があって。派生魔法は前言がいらないみたい。良かった〜。

meteoriteミーターライト detonationダトメイション

上に飛んでった。相手の頭上から落下して、爆発するみたい。強くない?大量の敵を一網打尽にできるってことでしょ?強くない?でも、落下までの時間で避けられるってこともありそう…。次の派生魔法。

meteorメテオbreakブレイク stirスター

正面に飛んでいくみたい。なんで壊れる星なのか分からないけど。実戦で使え…あ、魔言葉は覚えないと…。ヤバい。

あれ?こんな場所に人がいる。こっちに歩いて来てる。

「誰!」

「怪しい者じゃないよ〜。」

「そうやって言う人ほど怪しい。」

「話ぐらい聞いてよね。夜の魔法使いさん。」

「なんで…私の…」

「私は日向。昼の魔法使い。」

「私は夜月。昼って…」

「簡単に言うと、夜と対称になる魔法。」

「そりゃあ、ね。強いんでしょ?」

「もちろん!…話が変わるけど、君は、帰る場所って…。」

「あ…ない…。」

「私の家に来なよ。」

「どう…しようかな…。」

確かに、私に帰る場所がない。野宿は…大変そう。だったら…。

「行こうかな。」

「それじゃ、ついてきて。」

私は、彼女についていった。でも、違和感がある。彼女は、現実の親友と似てるのだ。ほぼ同じ。なんでだろうか。そのうち分かるだろう。


日向の家に。

どうやら、2人暮らしのようだ。

「ただいまー!」

「お帰り。日向。」

「お…おじゃまします…。」

「ん?」

「紹介するね。この子、夜月。夜の魔法。」

「ふーん。夜の魔法か。俺、氷水。よろしく。」

「ひょう…すい…さん。」

「さんはつけなくても。敬語もなしで。」

「そう…ありがとう。」

「お兄ちゃんは、氷の魔法を使うの。」

「そうなんだ。」

氷水…日向の…お兄ちゃん。なんだろう、この違和感…

「明日からは特訓するぞ。」

私の違和感は、消された。

「特訓!?」

「魔法の練習と、マナの上限値を増やす。それを1日ずつ、交代でやっていく。それだけだ。」

「マナの上限値を増やすには?」

「すぐそこに、洞窟があるんだ。そこに行って、モンスターを倒すだけだよ。」

「え…ちょ…」

「明日はモンスター狩りだ。」

ちょっと…私…弱いんだけど。剣もあまり使えないよ?とても、大変そう…。


次の日。モンスター狩り。日向が、太陽の力を、剣に宿す。

solarソーラー swordソード

すごい…オーラみたいなものを纏っている。

「準備完了したな。行くぞ。」

私達は、 洞窟へ。モンスターが現れた。…え?イノシ シ?強そう…。でも、やらないと。 私は、負けない。 絶対に。

「はぁ!」

よし、1体目。簡単に倒せる。これなら、倒せる。――私は、勢いに乗って、イノシシをどんどん倒していく。でも、なかなか数が減らない。一旦離れよう。うわ、氷水がすごい。まとめて5匹ぐらい倒している。私も頑張ろう。――よし、もう、大丈夫。私はまた、イノシシの方へ。

右、 斜左下、上、下。

よし、3匹。4連撃で3匹。――私は、そのまま、30 匹くらい倒した。…あれ…目の前が…揺れ…!

「夜月!」

そのまま私は、倒れてしまった――。



「おーい。夜月。起きろ〜。」

ん?…あ、

「あれ?私…。」

「やっと起きた。おーい、日向〜。夜月が起きたぞ〜。」

「私、洞窟で倒れた…?」

「そうだ。あんなところで倒れんなよな。運ぶの大変だったんだから。」

「ありがと」

…助けられちゃったな。私、もっと、頑張らないと。足を、引っ張らないように。

「夜月!あ一良かった〜。」

「心配、かけちゃったね。私は、もう、大丈夫だよ。」

「良かった…。ほんとに。」

こんなふうに考えてくれてたんだ。昨日、 会ったばかりなのに。…あれ?本当に昨日かな…。ま、いいか。

「よし、夜月。今日は魔法の習得だ。」

え?え?1日寝過ごした?やっぱり?ずっと倒れてたんだ。そりゃ、あんなに心配するな〜。なんか、ごめんね。日向。


『謝らないでよ!』

え…これは…私の記憶?現実世界の、日向だ…。

『謝られるよりも、ありがとうって言ってくれる方が、嬉しいから!謝らないでよ…夜月…。』

ああ…ごめんね…いや、ありがとう。日向。


「おーい、なにぼーっとしてるの〜。 早く来てよ!」

「うん!」

現実世界には、戻れないかもしれない。でも、私は、精一杯、生きていこう。楽しむために。色々なことを、するために。



それから、3週間後。魔法の習得が終わり、マナは5000ぐらいに。…今日は、洞窟の日。


イノシシを楽々倒す。前の私とは、比べ物にならないくらいに、剣が上達。強くなった。


次。カエル。一番最初に見たとき、『カエル!?』って、言っちゃった。驚かれたから、なんとか誤魔化したけど。そんなカエル。舌を使い、攻撃してくる。中距離タイプ。まあ、今の私達は、簡単に倒せる相手だけどね。


次、トラ。カエルから、急にトラに。ありえないって思ったよ。そんなことある?って。今では、1撃。普通に倒せる。


次。ライオン。トラと似ている。首を狙えば1撃。普通に倒せる。


そして、ここからは、行ったことがない。ライオンでストップしてたから。次のモンスターは…、え?


竜。ありえない。1匹だからいいけど。この洞窟のボス感出てる。こいつを倒せっと。まあ、大丈夫だろう。

――全然大丈夫じゃなかった。普通に強い。でも、ここまで来たからには、倒しきる。絶対に。日向が、竜の尻尾を受け、はじく。

「夜月!」

「せい!」

私の一撃が決まった。 倒せた。 いや〜。 強かったな〜。

「誰!」

不意に、日向が叫んだ。

「お前ら、強いな。あの竜を倒すなんて。」

「君、名前は?」

「俺は、流海りゅうかい。水の魔法だ。お前らは?」

「こっちから順に、氷水ひょうすい夜月よつき日向ひなた。順に、氷、夜、昼。」

「おいおいマジかよ。1人しかいないと言われている昼と夜、そして、珍しい氷かよ。お前ら、 何者だ?」

私達は答えない。あれ?こっちの世界の人なら、答えられるのかな?もしかして…

「まさか、答えないとはな。即答できて当然なのに。本当にお前ら、この世界の人間か?」

「君、勘が良いね。私は、この世界の人間じゃない。」

「他は?」

「この世界の人間。」

「そうか…じゃあな。異世界人。」

…やっぱり…日向は――

「帰ろっか。2人とも。」



家に着いた。私は、

「ねぇ、日向。あの時、なんで嘘をついたの?」

「嘘?」

「氷水は、日向のお兄ちゃんじゃないの?」

「気づいてたんだ。嘘を、言ったこと。」

「当たり前でしょ?昔っからの友達なんだから。」

「え?まさか…あの…夜月?」

「そうだけど?」

「夜月…ありがとう。」

「え?え?な、なんで?」

「ふふ。」

「教えてよ〜。」

「やーだよ!」

変わらないな。ずっと。私達は。

「それで、夜月。どうしてこの世界に?」

「分からない。寝て起きたら、この世界に。」

「そう…」

「手がかり無し、か。」

「ん?」

「俺達も、そんな感じでこっちに来たんだ。」

あれ?引っ掛かりが…

「私と会った時、何日経ってたの?」

「4日。」

「私達、現実世界での同じ日に、この世界に来たはずだよね?」

「あ…」

「どうして、時間がずれたんだろ?」

「分からないよ。そんなこと。」

「だよね〜。」

そういえば、もう1つ…

「現実世界の私達は、どうなってるのかな?」

「現実世界での俺達は、消えたと考えるのが普通だな。」

「そのまま消えたのかな…。 最悪の場合は…」

「転生……」

「3人が同時にか?ありえないな。」

「考えても、 分からないよ。」

「そうだな…。それじゃあ、旅にでないか? 俺達の疑間の答えが、どこかにあるかも。」

「良いね、それ。」

「明日、準備して、明後日に出発だ。いいか?」

「オッケー」

元の世界に、戻れたら良いな〜。そうすれば、きっと、また、皆で、一緒に――。だから、私達は、進まなければいけない。帰り方が分かれば、苦労しないんだけどね。


翌日。出発するための準備。ゲームみたいに、 アイテムストレージがあればなぁ。と、思いながら、準備をした。

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