tempo a piacere : tempo ad libitum
@Gpokiu
豹変。
一羽の小鳥は言う
「この邪魔な羽がなければ、もっとはやく大地を駆けることができるのになぁ」
一匹の猫は言う
「この足に水掻きがついていれば、大河を渡ることができたのになぁ」
一折の鯉は言う
「このヒレがもっと大きければ、大空を自由に飛びまわることができるのに」
ひとりの人間は言う
「いい親のもとで生まれていたら、もっと幸せな生活ができたのに。」
もう一羽の小鳥は言う
「でも、その大きな羽で子供たちを雨から守ってあげられる。」
もう一匹の猫は言う
「でも、その柔らかい足で子供たちを抱き寄せることができる。」
もう一折の鯉は言う
「でも、そのきれいなヒレで子供たちを楽しませることができる。」
ふたりの人間は言う
「あんたなんか、産まなきゃよかった。」
何もできない。僕はでくのぼうです。
馬鹿で、屑で。何もできない、きれいな人間です。
Allegro con brio
Con molta semplicita ed eleganza
Andante cantabile
tempo a piacere : tempo ad libitum @Gpokiu
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