花咲く香りを待つ者よ
さゆ
Prologue
緊張をほぐしてくれるような生ぬるい春風に揺られ、宙を舞う桜吹雪のその姿は、見惚れてしまいそうなるほどに風情がある。赤く染まった頬を撫でるように、オレンジブラウンの髪が靡く。
茶色がかった瞳の奥に見えるのは迷い。そして決断。この言葉を伝えるまでの葛藤、苦しみ。それでも、それが楽しかった。こんな生活がいつまでも続くと思っていた。もちろんそんなわけがなく、もうすぐ終わりを迎えようとしている。
長かったようで短かった時間。君と作り上げた、たくさんの思い出たち。これからも、ずっと。
彼女が僕を真っ直ぐに見つめる。うっすらと涙ぐんだその顔に、優しい笑顔を浮かべて。
花咲く香りを待つ者よ さゆ @sayu_neko
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