第二話 「教室巡りと自己紹介」
まず初めに来たのは1年3組。
「本日からこの学校に転任してきました。 青葉・フォン・エステシャンです」
クラスの男子の多くは私を凝視していた。
私を...というより顔より下のある部分を......
私は優しい笑顔で男子を睨む。
ぼそっと胸がでかいなどという声が聞こえたが......
まだ思春期真っ只中の男の子だ。
多少のことは目を瞑ろう。
そう心に決めた
各クラス自己紹介をしていき残すは3年4組。
ここまでのクラスすべての男子生徒が私を凝視していた。
はぁ....大した欲求本能ですね。
クラスに入る前に校長先生からこんなことを言われた。
もしかしたら手を挙げられるかもしれないので気をつけてくださいと。
次の瞬間その言葉の意味が理解できた。
「オラァ!」
クラスに入った途端一人の男子生徒が殴りかかってきた。
私はアクロバットに回避し男子生徒に尋ねた。
「落ち着きがないですね」
「んだとぉ!ゴラァ!」
男子生徒は一向に落ち着きを見せないどころかヒートアップしている。
「やめんか!」
どうしようかと悩んでいた時校長先生が声を荒らげた。
するとさっきまで荒ぶっていた男子生徒は一瞬で落ち着きを取り戻した。
「この方は今日からこの学校に配属になった非常勤の先生だ」
先生?と少し疑いの顔をしていたがすぐにその顔はゆるくなった。
そう、この学校の男子生徒すべてが本能に忠実なのである。
つまり.......変態というわけだ。
皆揃いも揃って目線は同じだ。
「本日からこの学校に転任してきました。青葉・フォン・エステシャンです」
「よろしくお願いしますね」
皮肉交じりの冷たい視線で男子生徒の方を見る。
各クラスには男子生徒が20人女子生徒が18人合わせて40人近い生徒が在籍している
素行が悪い生徒は少なからずいるが法に触れるようなことをしたことのある生徒は特にいなかった。
そして私は教室をあとにした。
次話:「職員室での衝撃」
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