安寧の鳳

@7lostlove

第1話 "運命"

-(628年)-


暗雲が辺り一帯を包み込む。途端、大雨が降り、雷が山に落ちる。 

〈ピシャーンッ!!!!!!!〉


百姓「山火事だ…!」


雷が鳴り終わる頃には、嵐が静まり、山火事も収まった。落雷地点には、夜明けまで赤子が1人で産声をあげていた。

夜明けまで泣き続けていたから、この赤子を見つけたオオナゴという大男は"アカツキ"と名付けた。


アカツキは"嵐の子"と呼ばれ、それはそれは暴れん坊に育った。


-(643年)-


〈ビリビリッ!〉

アカツキは大口山の奥深くにある白くて先が尖った巨石群を見つけた。


アカツキ「なんて綺麗な石だ!」


この巨石をオオナゴにも見せたいと考えたアカツキはすこし削って持ち帰った。

帰宅後、すぐに削った石のかけらをオオナゴに見せた。


オオナゴ「綺麗な石っころだな、どこで見つけた?」


アカツキ「大口山!」


大口山と聞いた途端、オオナゴの顔が青ざめる。


オオナゴ「まさか、お前、あのでかいお札の奥にある"アレ"を削ってきたのか?」


アカツキ「え?知ってたのか?なーんだ」


オオナゴ「お札は、、、破ったのか?」


アカツキ「え?お札?」


(〈ビリビリッ!〉)


アカツキ「あ、うん、破った」


オオナゴは膝から倒れた。


オオナゴ「お前が破ったお札は山の神を封印するためのものだったんだ!!!」


オオナゴが鬼の形相でアカツキを怒鳴りつける。


一方、大口山では生い茂っていた木々がすべて無くなっていた。


???「ンムァ……」










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