ここにはないもの

朝川はやと

ここにはないもの

海岸で、木切れが砂をかぶっている。


これはきっと難破船の欠片。


子供たちが、砂のお城を作っている。


波がさらう王族の住処。


かつてどこかにあったもの。

もうどこにもないもの。

願っても取り戻せないもの。


壊れてしまったものに、僕は何故だか心惹かれる。


ここにはないものを、いつも求める。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ここにはないもの 朝川はやと @asakawa2023

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る