16 わたしに道を聞かないでくださいよ……

 2023/10/26(木)18:14 かきはじめ


 ※性格の悪さ露呈かも


 今日は地元で笑福亭生喬さん落語会があったのだ。しかし赤穂・姫路に行くことや、いい加減に美容院に行かねば前髪も伸びっぱなしだし白いものも誤魔化せないレベルになってきたので、落語会はパス。

(三年前のコロナ禍・緊急事態宣言によっての『外出自粛』から一挙に老けたような気がする。とても悲しい)

 美容院代って高いよね……。あした行くけど。

 それはともかく。

 今日は来年三月に催行される「三浦一馬五重奏団・バンドネオンキンテート」チケットを引き取りに行ってきました。ヴァイオリンに石田泰尚さんがいらっしゃる。以前にJwaveでゲストに来られていらしてから、ずっと気になっておりました。

 一応、前から四列目は取れたんだけど……。やっぱり最前列ど真ん中って、業界の人やコネが物を言うのでしょうか。しくしく。

 帰路のバス停で、バス到着を待っているときだった。

(そこのバス停は異なる運輸会社が共通の名称で使用している。つまり、バス停には、停留所案内板が二つ並んでいる。A方面に行く停留所案内板と、B方面に行く案内板がある、ということ)

 わたしの眼前には七十代後半くらいの夫婦がいた。

 あと五分くらいでバスが来そう。そんなとき、わたしに六十代くらいのおばさんが話しかけてきた。

「すみません! ここに並んでいたら、✕✕バスでBに行けます?」

「行けます?」

 正直言って、ああー、またかと思った。うんざりした。

 おばさんが指す案内板は、デカデカと✕✕バスB方面行と書かれている。そんな簡単な字くらい読まれへんのか、と言葉が出そうになる。おそらくはAではなく? こっちですよね? と尋ねたいのだろうが。

 A方面停留所案内板もB方面停留所も、乗客が並ぶところは非常に分かりやすく造られている。

 そんくらい、見たらわかるだろ? 小学生でも並べるぞ。

「そうなんじゃないんですかね」


『あー、またか』と思ったのには訳がある。

 とにかく尋常ではない頻度で、外出すれば道を聞かれるのだ。有馬温泉のバス停を降りてコンビニに行こうと歩いていると向こうから歩いてきた若い女性(たぶん中国人観光客)が

「有馬温泉はどこですか?」

 だったり、駅の改札口を出た途端に

「〇〇銀行は、どこですか?」

 だったり。

「知りません」(ほんとに知らん)

「えっ? 〇〇銀行ですけど? どこですか?」

「知らないって言ってるでしょ?!」

 だったり。

 阪急梅田や東梅田では地下を歩けば

「大阪駅は、どこですか?」

「〇〇ビルは、どこですか?」

(しかも、わたしを目指して、遠いところからズカズカすごい勢いで歩いてきたおばさん……あれは強烈だったよ)

 とかね。

 東京に旅行に行けば(わたし、コロコロ付きの荷物を提げていた、いかにも観光客風情の体だったにもかかわらず)

「〇〇は、どうやったら行けますか?」

 だとかさ……。

 あんたがた。もう、いい加減にして! わたしは道案内専門人間じゃないの!

 スマートフォン持ってないの? グーグルマップで調べたらいいんじゃないの? それくらい使いこなせないのに日本に旅行に来たり、LINEで誰かと遣り取りしてんの? それも思い返せば百パーセントが年配女性だ。それか中国人観光者。

 グーグル先生は時々嘘つきだから(汗笑)、地方ならば全然ちがうところをウロウロしてしまうときはある。でも、まるっきりそうじゃない道だから大概の場合。

 性格が悪い、と言われてもかまわない。国外の観光者が、わたしのせいで日本の印象が悪くなるかもしれないと責めてくれてもいい。ちょっとでも自宅から離れると「〇〇は、どこですか?」と言われる生活、人がひとり生まれて育って社会人になって役職ついて(さすがに大袈裟でした、すみません)。それくらい長く続いているのは、もううんざり。

 尋ねてくる人には「たまたま」「その辺にいた人間」かもしれないけど、わたしは自分の顔に、あちこちで見かけるトタン製の地図を貼り付けて歩いているわけじゃないのだ。

「やさしそうに見えるのでは?」

 などというフォローは要らない。ほんっとに、心底からうんざりする。わたしだって目的地がわからなくてグーグル先生の画面を見せながら

「すみません、ここ行きたいんですけど。どうにも着かないんです」

 そういうときもある。でも、そういうときは「ほんっと、ごめんなさい」と顔にも態度にも表わして相手に敬意を見せるようにしている。

 キミら、一体なんやねん? 


 













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