14 霊感なんてナシナシ人間なんだけど

 2023/10/22(日)20:39 かきはじめ。


 そういえばさー。

「ヒトの『念』て、残る」「絶対に残る」

 って。畏れとともに感じた出来事をカクヨムに残しておきたい。


 何年か前の暮れも押し迫った、12月30日。日付だけは覚えてるという(笑)。唐突に京都河原町に行きたくなった。

 なんとなく本能寺に行きたくなったのだ。そう、信長さまが炎の中で敦盛を舞ったというアレ。でも勿論、当時あった場所から移設されている。

 さっそく目指そうと思い、阪急河原町の地上に出た。

 すると暮れの人混みでごった返す路上、吉本興業の若い人が一所懸命にチラシを配っていた。

「どこに劇場があるの?」

 八坂神社の近く、ということを確かめてから本能寺へと向かう。

 余談になるが、そこの館長の嫁さま(非常に可愛い御名前だった、断じてキラキラネームではない)が某化粧品会社の商品を購入していて

「ふたたびのご購入、いかがでしょうか」

 そんな電話を掛けた折り、普段はこちらではなく滋〇県に住んでおります……と応えられた記憶がある(ここまでのボカシで限界だろうか/汗)。

 ま、そこはさておき。

 いつのまにか光秀さんグッズも寺務所で授与していたのね! などと新鮮な驚きもあったりして。

 参詣後に祇園吉本を観た。正直、イマイチだったなあ。村上ショージさんは面白かった記憶が。

 そのあと、まっすぐ河原町の駅に行けばよかったのかもしれない。

 ここまでが前振り。


 暮れの人混みの中「ちょっと一杯、ひっかけて帰ってもいいかなあ」なんて、大通りを避けて山の方向へと歩いてみた。

 黄昏時の京都、木屋町から三条へと川沿いに上がっていく。

「なんか、お寺さんがあるみたい」

 白い壁が左右に長く広がっている。せっかく京都まで来ているし……何宗とかわからないけど……。御本尊さまに御挨拶してから帰宅しよう。

 境内に一歩、足を踏み入れた瞬間。

 ばん、と、空気が落ちてきた。なんて表現したらいいのだろう。とにかく、音もなく「ばん!」なのだ。自分の周りの空気が圧縮されたような? みえないものが物凄い圧をかけて、全身を上から押し潰してきた。ひとっこ独り、いない寺の境内。

「ひゃっ」

 転びそうになった。ホントに変な声が出ていた。

 本当だってば!

 もう一歩、進んでみる。さっきの現象の意味がわかった。

 豊臣秀次さんの菩提寺、瑞泉寺ずいせんじだったのだ。んもうね、ウィキペディア記述なんか気の毒を通り越して可哀想すぎて。とても平常心で読んでなんかいられない。歴史なんてそんなもん、と冷えた言葉を唇に乗せる人間は嫌いだ。一度、あれを体験してみてから言え。それからだったら、こっちも耳を傾けてやってもいい。



 それまでも秀吉って嫌いだったけど、あれからますます嫌いになった。






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