第103話 避難経路確保


 空港から離れると一気に魔法でモンスターに応戦する人の姿が見えなくなってしまった。

 チャイさんが言っていた攻略者が少ないというのは本当なのだろう。

 市民までカバーするのは現実的ではなさそうだ。


「もう終わりだ……」


 麦わら帽子を被ったおじさんが尻餅をつきながら、台湾語?で何やら呟いている。

 言葉はわからないが、なんとなし態度からどういったことを呟いてるかはわかった。


 彼の目前には魔力量からしてA級ダンジョンのモンスターだろう、レンガの塗り壁モドキが立ちはだかっている。

 ちょうど進路上にいるので、そのまま倒してしまおう。


「ギャアアアああああ!」


 ダッシュしているそのままの勢いでぶつかると、塗り壁は断末魔の声を上げて、砕け散る。


「何者じゃ!? あんた!!」


 後方でおじさんが何やら叫ぶ声が聞こえるが、ひとまずの安全を確保できたので、そのままにしておいていいだろう。

 冷静であれば俺が通った道にはモンスターがいないので、そこから安全が保障されてる空港に行けるはずだ。


 ーーー


「日本からの派遣された攻略者イトウによって、避難路が確保されています。皆さんは誘導に従い彼が通った後を順次避難していて下さい」


 台湾のテレビ局全てで自分の姿が大体的に放送されてるとも知らず、台湾の首都圏を進む。



ーーー


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