第59話 攻略開始


 ダンジョン振興地域に到着した。

 見える形で大きなカジノや攻略者と配信者のために用意されただろう宿泊施設が確認できる。


「あのホテルには武器屋と病院が入ってるだけあってでかいな」


「攻略者のために泊まるホテルを作るとこんな大きさになるのね」


 規模で言うと総合病院と同じくらいか。

 攻略隊が泊まることを想定して大きめに造られてるのだろう。

 中を見てないので詳しいことはわからないが、ぱっと見、日本の攻略隊ならば3隊くらいは収容できるんじゃないだろうか。


 ここには海底ダンジョン以外にもA級とC級のダンジョンがそれぞれあるので、そう考えると理には適ってるようだ。


「伊藤様、こちらへどうぞ。あちらに潜水クルーズがありますので、そこから海底ダンジョンに向かっていただければ」


「協会長自ら案内してくださるんですか。恐縮です」


「いえいえ、伊藤様が攻略していただけることで初めてここは機能するようになりますから」


 てっきりここの事務員さんに案内してもらえ流と思っていたので、協会長の案内に気後れしつつもその後に続いた。

 なんとなしにここをなんとしても攻略して欲しいという圧を感じる。

 ここが攻略できれば阿倍野大臣にとっても益があるし、ダンジョン協会としても不祥事を吉報で揉み消せるからしょうがないといえば、しょがないか。


 ---


「綺麗ですね。大概のダンジョンは塔とかドームのようなものが多いのに」


 潜水クルーズが沈むとすぐに海底ダンジョンを確認できて驚かされた。

『殺生石』という名前からして石造りのものと思っていたが、水晶でできており、太陽の光を反射して青く輝いていたのだ。

 海の底に沈んだドでかい宝石みたいで、目の保養に良さそうだ。


「見た目だけなら私が知っているダンジョンの中で1番綺麗なダンジョンですよ。入り口が見えてきましたね」

 

 陸からそこまで距離は離れていないようで、そこそこの深さを潜ると水晶宮の近くに大きな岩穴ーー入り口が見えてきた。

 潜水クルーズが岩の中に入り、浮上すると水晶に覆われた空間に出た。

 ここが入り口だろう。


「ではご健勝の程を」


「ええ。終わったらまた連絡しますので」


 協会長が戻っていくのを見送ると、協会側から中の様子を確認したいとの要望があったので録画するためにエクスプレイからもらった新型のドローンを起動して、ダンジョンの奥に進むことにする。


ーーー


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