　雷光を纏った槍のリーチが雷魔法で瞬時に伸びる。

　リーチを錯覚していたデッドスローロリスが心臓を貫かれて、絶命する。

　ディヤリの槍使いは攻略者ということもあり、派手なものではないが、最小の魔力消費でモンスターを討伐していき、対決をしているアスカにも感心させるものでリスナーたちも沸き立っていた。

　・ノ、のび太！

　・ふーん、ヤリチン君のは伸びるんやね。　まあワイのは元々それくらい大きいから引き分けやね

　・2M級の汚物持ちてマ？

　・チンポのお化けで草

　・ズボンに収まらんからいつでも丸出しにしてそう

　・射した瞬間に死にそう

　・伸びたせいでモンキッキ驚いてて草

　先ほどからリスナーのコメントとディヤリとのコメントのラグの大きさに不可解なものを感じていたが、不審が顔に出てもリスナーのテンションを下げるため、次のモンスターに意識を切り替える。

　目と鼻の先にいるデッドスカンクに向けて剣を向けると、それよりも早くディヤリの槍がデッドスカンクの頭を貫いた。

　前回の落ち着かない様子と違い、何も喋らず淡々とモンスターを倒していく。

「はや！　人間辞めてるでしょ！」

　先ほどからモンスターを先どりされ続けて、見せ場を取られ続けているアスカも流石に不満を爆発させる。

　・早すぎだろ、イトゥでも見えるくらいだったのに

　・ドラゴンボールの世界の住人だろ、ヤリチン

　・てかなんかしゃべれやヤリチン

　・あっちの配信ではラグがひどい変わりにヤリチンの動きが見えるけど、アスカスがスロー再生されとる

　・スローで動くアスカス草

　・なんやまたイトゥの仕業か

　・タレントを支配するだけでなく、ついには時をも支配するようになったかイトゥ

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