第24話 オールスター配信
「こんにちは! ダンプロでマネジャーをさせていただいている伊藤です! 今日は先日S級ダンジョン攻略を達成したトップ攻略者剣道絢香さんとダンプロ配信者のオールスター配信をしていきたいと思います!」
「剣道絢香だ。よろしく頼む」
「アスカでーす! おじさんたち今日はよろしくー!」
・剣道ニキキタアアアアアアア!
・めっちゃ忙しそうだったけどまじで呼べて草
・Dの正体教えろください!
・開幕のアスカス
・大事な配信だからアスカス保護者同伴でワロタ
・イトゥおにい
・誰がおじさんじゃ! ワイはプリプリの50代やぞ、ボケエ!!
・おいたんイライラで草
・画面内が豪華すぎてやばい
・同接3億達成おめでとうございます!
・ダンプロも大きくなったな
チャット欄をドローンが休みなく読み上げ続ける。
ドローンのモニターを見るとすごい勢いでチャット欄のコメントが流れていているのが見えた。
流石に剣道さんとオールスター配信となり、リスナーもテンションが上がっているようだ。
「な、なんだ?」
そのまま流れ通り、台本通りのセリフをいうと、光魔法で作り出した光球を消し、薄暗くする。
今頃、配信画面では俺があらかじめ取っていた録画が流れているはずだ。
『君たちにはこれから五層を攻略するまでこのS級ダンジョン『破滅の扉』の中に閉じ込めさせてもらう。出たくば犠牲者を出しながら進むことだ』
・まさかのデスゲーム配信で草
・一体この覆面の男は何トゥなんだ?
・イトゥ「俺が本当にマネジメントしたかったのはこの腐り切った世界そのもの!」
・会場の一同の顔写し出して草
・イトゥ真顔で草
・イトゥどんな感情でこの動画を見とるんじゃw
・叛逆の社畜
ダンプロでいつもお世話になっている放送作家さんに依頼を出したところ、1週間切りで急ということもあり、昨日の20時ごろに完成したものが来たため流石に演者を雇っている余裕はなく、急遽ドンキで確保した覆面をつけて事務所で取った動画だ。
クオリティがチープだったので、そこが懸念要因だったがチャット欄を見る感じでは大丈夫だったみたいだ。
「大変なことになってしました! この危険極まりないS級ダンジョンに謎の人物によって閉じ込められてしまいました!」
「大変だ。あの男は一体?」
「なんか淳さんに似てない?」
・どの口が! どの口が!
・剣道ニキ推理力G
・アスカス黒幕の正体に気づいてしまう
三人で台本にあったセリフを言うと、「攻略するしかねえ!」「うおおおお!」と周りにいる配信者たちが喝采をあげる声が聞こえてくる。
台本を共有できたのは昨日の夜中だと言うのに、さすが皆配信者だけあり、手慣れたことのように問題なく対応している。
「私が先頭に立って対処しよう」
「待ってください、剣道さん。こんなこともあろうと各企業様から支援アイテムをもらって来たのでこちらをどうぞ」
剣道さんに企業名と簡単なアイテムの説明をしながら、企業から宣伝してほしいと依頼があった商材を渡していく。
全部渡す頃には剣道さんが最終決戦に向かうロボット兵器のような見た目になり、もう少し商材を厳選できたりしなかったのだろうかと思ったが、剣道さんは本人はそういうのは気にしないのか、構わず先陣を切ってまだ一度も配信されていない階下ーー二層に降りていく。
「あたしもいくね。淳さん、サポートよろ」
「剣道ニキとコラボするぞ!」
その後にアスカさんと他の配信者たちも続いて降りていく。
あとの俺の仕事はは後ろから全体を見つつ、支援やモンスターと戦闘の解説、、追加で宣伝する必要のある商材を紹介したりするのみだ。
階下にモンスターを目指して向かう配信者を見つつ、俺もあとを追っていく。
「あ、あれは!?」
すると途中で、五色に輝くサーベルを見て、驚きで足が止まった。
・ヤバ!
・伝説のゲーミングサーベルで草
・S級ダンジョン『羅生門』のダンジョンボスの素材が使われたものとか噂されてるあれか
・限定一本落札したのダンプロの配信者で草
・本物の隣に置いて、レプリカ作ったら間違えて本物の方を出品しちゃったあれな
・持っとるのエボリューションで草
・モッチー草
あれについては後日ダンジョン協会から連絡が来たので知っている。
ダンジョンボスの素材で武具を作るようにダンジョン協会が依頼した企業が、悪巧みしてレプリカを安価で作って高値で売った結果、元にした本物の方を間違えて発送したと言うものだ。
企業側の社員からリークで発覚したことであり、刑事沙汰になるせいか、今だに依頼した企業は言い逃れしているそうで、未だ回収に踏み切れていない。
ダンジョン攻略をすると莫大なお金とダンジョン攻略でダンジョン協会が回収した一部が貰えるため、ダンジョンモンスターの素材を加工した武具はどうせ使えないのでいらないとは言っていたが、参考として俺の方にも先日連絡が来ていた。
本物は五色で、レプリカは七色に輝くという話だったが、目の前のものは五色の輝きで本物だ。
すごいものがで出てきた。
本来とは思ってもない方面でも注目される配信になりそうだ。
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