第7話
そして、今日は学校に来ている。
周りの目は畏怖や恐怖等から奇抜に変わった。たまに俺に頭を下げる人がいる。とりあえず、いいから、と手をあげてサインをした。
教室に入ると、久しぶりに綺麗な机が見えた。
「あっ、優くん・・・」
「春さん」
「・・・ごめんね。痴漢のこと」
「・・・うん」
「たくさん酷いことしちゃったね。悪口言ったり、物を隠したり」
「うん」
「本当にごめんね。」
「うん」
「優くん、その、うんとしか答えて・・・」
「ごめん、なんと言うか返事が思いつかなくて。」
「そうだよね。」
「とりあえずもう謝ったからいいよ。」
「ありがとう・・・優くん」
春さんは泣いてる。
俺のことで反省してくれるんだ。
「優くんと本当は、話したいこといっぱいあったんだよ。」
「そ・・・そうなんだ」
「でね、まずね」
「ご・・・ごめんね、春さんゲームしたいからいいかなぁ?」
「えっ優くん」
「その怒ってる訳じゃないよ。痴漢だって疑われて、クラスに女の子しか居ないなら、あんな対応になるのは仕方ないと思ってたし」
「優くん」
「だけど、ほら・・・今は少し話すより、ゆっくりゲームしたいなって」
「そ、そうなんだ。ご・・・ごめんね」
「いいよ。じゃあこれからは仲良くしようね」
「うん」
俺は口ではそう言ったが、あの時に俺の言葉を一切聞いてくれなかったことを気にしていた。
この学校は女の子しか居なかったから、仕方なかった。確かにそう思ってる。つまり、次にそうなっても仕方ないということでもある。
正直まだ、仲良くしたい気持ちはある。けど、妹を追い込んでしまった冤罪の恨みが、春さんは思ってなくても、俺には複雑な思いを感じている。
仕方なくても、それが関係を戻せない程壊すことがある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます