とある学校に追加された大量の七不思議
隔離された人感センサー
怪1.深夜に鳴り響くピアノ
「だれ?あの人…」
「新しい先生じゃないの?」
「こんな田舎に?ありえないって」
今日はとある学校の始業式。新学年になったばかりの生徒が1学期を始める日。そしてここは私立ラメクネオ中学高等併合学校。生徒たちは皆、新学年への不安、期待、そして一部の人は春休みが終わった悲しみを胸に体育館に並んでいたわけです。
「最後、6年4組」
この学校には学年が6つ、クラスが4つある。4年生になった時、中学校の卒業証、卒業時に高校の卒業証が授与される。残り一クラス、残った者達は先生が誰になるか不安が募っている。
「皆さんの担任になります。音楽科の麻 雨音です。よろしくお願いします。」
途端に、5、6年生全員が青冷めた。何を隠そう、この雨音は、"この学校を2年生で卒業した同級生"なのだ。そう。つまり、担任と生徒は同年代ということになる。
なんやかんやを雨音は担任として、そして元生徒会長として、一瞬のうちに沈め、テキパキと済ませることを済ませ、下校可能時間までを自由時間にするという働きぶりを見せた。4年前までは逆らっていたであろう指示を全て受け入れるようになった元同級生達を見た天音は落ち着かなくなったのだろう。「何か曲流す?」と尋ねた。
この頃彼らの間で流行っている歌手といえばLyric Rainbowただ一人だった。いや、一人かどうかは怪しい。個人情報を一切公開せずに活動しているYouTuberなのだ。そのためクラスは揃えたいと思ってはいない口を揃え、「Lyric Rainbow!」と。
それを聞いた先生は少し止まってから「わかった」と言うのであった。
さて、何時間か経ち、今は夜の11時。雨音のクラスの生徒であり、親友でもある友葉 芽依は塾から帰っているところであった。帰ったらまず夜食でも食べるか、それとも
Lyric Rainbowの曲でも聞こうか悩んでいたところだった。そんな彼女の脳内に聞いたことはないのに、何故か馴染みがあるピアノの音が響いてきた。芽依はその音源に向かって歩き出したのだった…
学校の正門についてしまった芽依は悩む。音の発信源を見つけに行くべきか、それとも入らず帰るべきか。
「結局、入っちゃうんだよなぁ」
芽依は、単純であった。気になることはとりあえず突っ込んで導き出す。ある意味強引な人だったのだ。
音源は音楽室だった。そこからは歌声も聞こえてきた。その声を聞いた瞬間、芽依は息を飲んだ。その声はLyric Rainbowのものだったのだ。、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます