エンジェルデイズ その2

夢水 四季

異世界エレベーター

第1話

天界、コノハの部屋。

「異世界エレベーターって知ってる?」

「確か、都市伝説で、決められた手順通りにエレベーターを操作すると、異世界に行ってしまうってやつだよね」

「そう、それ。んで、それやって異世界から戻れなかった奴がいる訳。今度の任務は、そいつらの回収」

「分かった! 行ってくる!」


 葉月達は、異世界に行ってしまった人がいるという高層ビルに着いた。

「わあ、たっかい建物だなあ」

 ロッソとシアンが高層ビルを見上げている。


「まず必ず一人で乗ること。今回は葉月一人でやってもらうわ」

「うん」

「今から言う手順をメモして。4,2,6,2,10、5,の順で階を移動する。5階で乗ってくる女性はこの世のものではないから、話しかけてはいけない。1階から10階に移動。成功すると異世界へ。そこで帰って来られなくなった人を回収。戻る時は、この通り抜けリングを使うのよ」

「うん。メモできたよ」

「じゃあ、いってらっしゃい」

「うん! いってきます!」


 葉月はエレベーターに誰も乗っていないのを確認してから、乗り込んだ。

「えーっと、まずは4階から……」

 それから2,6、2,10,5階と進んでいく。

(来た!)

 5階に到着した時、白いワンピースに白い帽子を被った女性が乗り込んで来た。

(話しかけちゃダメ!)

 そして1階から10階へ移動する。

 1,2,3,4,5,6,7,8、9

(10階! ここが異世界!)

異世界に到着し、エレベーターを降りる。

近くには誰もいない。

「戻れなくなった人を探せばいいのかな?」

 どこまでも白い空間が広がっているようだった。

「どこまで行っちゃったんだろう」

 葉月は、ずんずんと歩いていく。

「あっ」

 一人、横になっている女の子がいた。

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