1秒先にいる彼との恋

ソノハナルーナ(お休み中)

第1話 始まりは入院からだった。

『世良さん、世良さん。朝ごはん食べましょう。

その後は薬も飲みましょうね』

僕は誰なのか分からなくて泣いてしまった。

そして言った。

『ぼくは…世良くんじゃないです。ぼくはゆきとです。ここはどこですか?あなたは誰ですか?』

彼女は落ち着いて話し始めた。

『そっか、ゆきとくん。ここはね、東病院だよ。あなたは、学校で倒れてここに運ばれてきて、今は入院中かな。私はあなたを担当する看護師の栗本です。覚えにくいから、栗ちゃんでも呼んでいいからね。ご飯の食べ方とか分かるかな?』

彼はハイッと手を上げて言った。

『僕ね、食べるのは上手なんだよ。見ててね』

そういって食べたが、こぼしまくっていた。

それでも、栗ちゃんは『えらいね』と言ってくれた。

そして、薬を飲み僕はまた眠りについた。


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