#Fourteen.襲撃

大広場にて

「寸止めでいいな?」

「よろしく」

開始の合図は悠がとった。

「3秒数えます。いきます。」

「3」

「2」

「1」

「開始」

お互いに地面を蹴り、飛び出た。

遥溜は銃を所持、佐はナイフを所持。

ルールは遥溜は問答無用で銃を発砲してもよし、コマンドあり。クリエイト類ありの3種を用いて戦闘。

一方、佐はコマンド、クリエイト類は使用可能、ナイフは寸止めというルールの下戦闘を行う。

勝利条件について、遥溜は銃弾を佐へ打ち込むか、体術でケガを負わせる。

佐はナイフの寸止め。ケガを相手に追わせれば負けだ。

「コマンドS クイック」

遥溜は地面を揺るがせ、銃弾を地面に放ち、地面を利用して銃弾の機動をコントロールした。

銃弾は地面をたどり、佐の後ろにまで瞬時に到達した。

地面を突き破った銃弾は佐の背中へ向けて飛んだ。

「コマンドM グレイブ」

佐は瞬時に銃弾を察知し、コマンドを発動。重力を用いて銃弾を圧迫させた。

瞬時に空中で銃弾は破裂。煙だけが佐の周りを覆った。

目の前は煙に覆われている。その中、銃声の音が鳴った。

5時の方向から銃弾が飛んできた。瞬時にナイフで煙を切るついでに銃弾を弾き飛ばした。

ナイフで一振りして煙が瞬時に消えた瞬間遥溜が正面から飛び蹴りをしてきた。

「コマンドW ウェーブ」

遥溜は蹴りの衝撃で佐を数メートルほど飛ばし、距離を取った後、淼連塊にて水の槍を佐の正面へ放った。

水なのでナイフでは切って弾き飛ばすことはできない。かといって隙間をぎりぎり避けても水が空中で分解していた場合、避ける隙間がない。瞬時にそれを理解した佐は地面を蹴り、空中へ身を放り投げた。

「それが狙いだ。」

遥溜は佐が空中へ飛んだ一瞬のチャンスをすかさず再びコマンドを使った。

「コマンドW ウェーブ」

半径5センチ程度の大きさの水の爆弾を作成。空中にいる佐の回りへ爆弾は投球された。

爆弾は15個であり、その爆弾一つ一つに銃弾を一瞬で打ち込んだ。

そして...

「チェック」

空中で水の爆弾が破裂し、水爆弾の中へ打ち込まれた銃弾は爆弾の爆破と同時に佐の全方向へと飛んでいった。

「チェックか。『チェックメイト』と言わなかったのは完全に仕留められたわけじゃなかったからだろ?いつかのタイミングのときにこの技を考えていた。試したかった、と見た。」

「正解。ただの実験に過ぎないよ。チェスのルール。ただ単にキングを取る駒ができた時が、

『チェック』そして完全にキングが逃げられず相手を積ませられた時が『チェックメイト』」

「几帳面でどうも。」

「まぁね~」

「じゃあ、、、」

佐は身構えた。

「ダスト!」

「...まじ?」

遥溜から作成されたものは大きな鉄壁の素材のようなもの。

鉄壁には点々があった。

「これは...」

なんだろうかと考えているのもつかまま。その答えはすぐに分かった。

佐の正面にたくさんの小さな銃弾が飛んできた。

「...そういうことか。」

目の前は完全に光だった。

「...クラック」

おおきな壁を作り銃弾から身を守った。

「寸止めでいい。ダストは尋常じゃないほど体力がいる。こんなに連射していればいつかは当たるだろうが、あくまでこれは手合わせだ。そんな本気でしたら...死ぬぞ。何か考えろ...」

「...あの技を挑戦してみるか。」

「作成した壁を飛び越え、発動した。」

「コマンドSH オーバー!」

無反応。

「...ダメだったか…」

銃弾は佐の横を通り過ぎていった。奇跡的に当たらずにすんだ。

「一番手っ取り早い方法は...」

再び壁から飛び出し、ナイフで銃弾をはじき返していった。

「⁉銃弾をすべてはじいて...銃弾が上に飛ばされていってる?」

15秒前、佐はナイフに効果を付けた。

「コマンドM グレイブ」

そして今に至る。

佐は遥溜の回いまではいった。

佐はナイフを振りかぶった。

「寸止め...」

その瞬間遥溜は消えた。

遥溜は銃弾に触れた。銃弾は重力により空中へ飛んでいく。それを利用し、遥溜は上へ飛んだ。

「コマンドM グレイブ!」

銃に重力を与え、佐のいる真下へ超スピードで放たれた。

佐の顔の正面まで来た。

「成長したな...」

その瞬間、銃弾は消えた。

「...え?」

謎の情景を佐はいち早く利用し、地面が破壊されるほどの勢いで蹴り、遥溜の後ろまで来た。

「⁉」

「コマンドTH ガッド」

遥溜の首元で寸止め。それと同時に遥溜の使った『ダスト』の代償の体力を回復させた。

「戦闘終了。勝利、佐。」

遥溜は唖然としていた。イレギュラーだった。銃弾が消えたこと、大幅な体力消費、最後の佐の

超人的スピードと判断能力。

「じゃ、アイスで。」

負けた方は何か奢りという条件で戦闘を行っていた。


コンビニ前にて

最後の銃弾の謎の消滅は何だったのだろう。

銃弾が速すぎて何もわからなかった。

アイスを食べ終わり、夜を歩く4人の後ろから謎の襲撃が。

佐は狙われていることをすぐさま察知し、3人を蹴飛ばした。

「うぁ⁉」

「どこの組織だ。」

「おぅおぅ、行動が速いこと。そう簡単にやられねーか。これだから暗夜家は面倒なんだ。」

襲撃をしてきた奴らは7人組、そのうち4人は銃を所持、残り三人は何も持っていないように見えるが、ナイフ、銃、爆弾などの小細工はしている模様...

「...⁉気配が」

後ろへ飛ばした遥溜、悠、凮然の気配が消えた。

すぐに振り返ると、姿がいなくなっていた。

その場から逃げたのであれば、気配はずっとあるはず、重游のような超スピードの奴が即ホールドして、奪い去っていったとしても気配はじきに消えてゆくとは思うが残るはずだ。

考えられることとしては光の速度で動けるやつが奪い去っていったか、形も残らず殺害を試みたか、もしくは...

「シンプルにどこか遠くにテレポートした?」

「推測が速いね~。どこに行ったんだろうかね。」

「行ったことが前提のようだな。そしてお前らはその場所を知っている。違うか?」

「まあ、言わないよね」

「だな。」

「任務は油断させ、佐と他3人の距離を取らせること」

「どうせ今聞き出そうなんてしないさ。」

「そりゃありがたいね」

「とりあえず...お前らも消えるといい」

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