第12話 伝説の洞窟(後編)
コウジは、洞窟へ向かう為 仕事を終えて空港に向かったが、
空港につくとフライトディレーの案内表示があった。
「これでチャウセー到着は真っ暗か・・・先が思いやられる」
遅れること1時間後、小型の国内線はマンダレー空港へ到着
タクシー乗り場があり、チャウセーと伝えた。USD30ほどだ。
タクシーで走ること1時間。チャウセーに到着。
小さな町で、日本の田舎町とさして変わらぬ小規模な町だ。
小規模であったが銀行があった。
さらにパナソニックの看板もあることに、少し嬉しかった。
少し町を歩いていると、
「おーい、コウジ! こっちだよー!!」
サムが手を挙げてコウジを呼んでくれた。
待ち合わせの英会話学校の教室に入ると、物珍しそうに学生が集まって来た。
少し学生たちと会話をしてから食事へ向かった。
食事をしながら、翌日の洞窟の話になった。
サム:コウジ、悪いんだが明日急用ができてしまったんだ。悪いんだが学生のみんながコウジを連れて行ってくれるよ。
コウジ:そうか、わかった。洞窟なんだけど、学生のみんなは行った事ある?
学生A(以下 ジョー):僕は7回も行ったよ!
コウジ:そんなにか? じゃあ、この写真見て間違いないか?
ジョー:うん、間違いない。
学生B:私も1度行った事がある。
コウジ:なるほど。ここから近いんでしょ?
ジョー:近いよ! バイク使って1時間ぐらい
このチャウセーという町の位置の説明だが、マンダレー空港から1時間。
マンダレー空港からマンダレー市内までは45分から1時間程度だ。
そしてマンダレー市内からチャウセーまでは45分の位置になる。
少し「?」となりそうな位置関係ではあるが、三角の位置関係となる。
少し便の悪い場所ではあったが、チャウセーはのどかな日本の田舎のような場所だった。
町を小川が流れ、小さな橋もあった。小さな鎌倉の様な町だった。
この日、コウジが宿泊したホテルは1泊USD50のホテルだ。
ヤンゴンのホテル事情を理解していたので、その金額でも泊まれるホテルのクオリティは理解していた。
「・・・こりゃ、ツアーでこの町宿泊はまだ厳しいな・・・」
翌日は7時 コウジらは洞窟へ向けて出発した。
小さなチャウセーという町は、少し走っただけで、すぐに土の道に変わっていった。
コウジが住んでいるヤンゴンとは違って主要交通機関はバイクだ。
ここではバイクが人々の足になっている。
走っていると見えてくるのは雄大な景色だ。山々が連なり、時々岩肌をのぞかせる。大自然が広がる場所をコウジらは走っていった。
コウジを乗せたバイクは1時間ほど走り続け、ようやく洞窟がある麓の集落と、寺に辿り着いた。
コウジ:ここか・・・洞窟はどこだ?
ジョー:この山の上
そういってジョーは山の上を指差した。
バイクを降りて、靴紐を結び直し、
コウジはジョーと一緒に舗装されていない急な傾斜の階段をあがっていった。
コウジとジョーに続けとばかりに、一緒に来たミャンマー人らも登って来た。
急な傾斜でもあるせいか、コウジや、ミャンマー人の息もあがってきた。
「こんな場所に洞窟なんて、普通わかんないだろ・・・」
ゼエゼエ言いながら、コウジは独り言を呟いていた。
階段を登り続けて45分 ようやく洞窟が見えて来た。
Datdawtaung Cave
言い伝えではその昔、チンギス・ハンの侵略から寺を守る為だったとされるが、現地人でもこの歴史はよくわからないという。
洞窟の中にはさらに地中へ向かう穴があり、地中深くへ続く洞窟を這うように入っていった。
そこには小さな仏像が置かれていただけだった。
コウジは、その洞窟の様々な箇所をみては、写真に収めた。
洞窟とその周辺で1時間ほど過ごし、それから下山した。
コウジはこの小旅行の目的を果たすことが出来て、満足気だった。
ジョーらと一緒にチャウセーに戻り、軽食をとってコウジは空港に向かった。
コウジを見送りに、ジョーがバイクでついて来てくれた。
マンダレー空港でお別れをする際に、ジョーが思い出したように話してくれた。
ジョー:この前山を歩いていたら、綺麗な湖があったんだよ
コウジ:どんな湖だ?
ジョー:その名もDeedoat Blue Lake.だよ。
コウジ:青い湖か?
ジョー:そう、青いんだよ
コウジ:・・・そんな、綺麗な湖なら有名になっているだろ(笑)
ミャンマーでは期待は裏切られ続けて来た。
だから青い湖と聞いても、コウジは驚きもなかった。
ジョー:ホントだって! あるんだって!
コウジ:写真とかないのか?
ジョー:写真ならあるさ! ほら!
コウジ:・・・・!!!! これどこ!!!? 行こう!
ジョー:はは、やっぱりコウジ またマンダレーにくるだろうね!
こうして2週間後、コウジは今度は青い湖を見に、またしてもマンダレーに向かったのだった。
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