No.021
どんぐりを拾った。昔に比べてとても小さく感じたそれは、かつての宝物。この排気ガスの中でも色褪せない艶。
なんであんなに夢中になって集めてたんだろうな。
零れた笑みと共に背広のポケットに仕舞う。
靴音に合わせて揺れる、木々のすべての始まりの、その色、スピリット・ブラウン。
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