書きたくて

鈴乱

第1話 やけくそに導かれて。


もう、この間から、やたらめったら書き散らしている。


筆が……というか、キーボードを打つ手が止まらない。


アレか。アレかな。


お盆を過ぎて、ご先祖様がエールでも送ってくれてる?


もしくは、大事なもんを手放す羽目になって、もうやけくそか。


あるいは、この状況から逃げ出したいだけか。



まぁ、いいや。理由なんて何でもいい。



書き出したら、止まらないんだから。


どうせ、表現したいばっかりなんだから。


書いて書いて書き散らして、そんで、私は満足なのさ。




やけくそってええわ。

やけくそになりゃあ、決まらん覚悟も勝手に決まる。


やけになりゃあ、もうどうにでもなれ、ってどんどこ書ける。


あーなにこれ。運命?


私、やけくそに導かれちゃった感じ?


ええ~……、そんな運命、嫌すぎん?



ほら、小説でいう「運命」ってもっとこう、キラキラしてメラメラして、

「キャッ、素敵♡」ってもんじゃないの?


音楽だって、ほら、こう「ダダダダーン」とかいうくらい荘厳でさぁ。




比べて、かたや、やけくそ。


フッ……。これが私の運命か!


いいよ、いいよ。


それが運命としておでましあそばしたなら、応えてあげるが世の情け!


応えないとどうせ、「うんめーい(超低音)」って、ちっとも動いてくんないんでしょ。


『応えるまで、ここから動いてあげないんだから!』

とか、ツンデレっぽいセリフで居座るんでしょ。


いいさ、いいさ。


だって、私はそんな経験、初めてじゃないんだから。


そりゃあ、もう、たくさんたくさん、経験させられてきましたからね。


その「運命様」とやらに。



あー……、分かったぞ?

アレだな? アレだろ?


私をこの「表現の道」に進ませるための、策略だろう!?


『おめぇの使命は、そっちじゃねぇだろうがYO!』という、いきなお計らいでございましょう?


いきですね。ほんっま、粋ですわ。


粋すぎて、理解がおっつきませんことよ。





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書きたくて 鈴乱 @sorazome

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