第8話

「後悔するなよ?」

 光輝の顔を見下ろしながら言うと、目頭に涙を溜めた彼はコクリと頷いた。

次の瞬間、柴田は硬く猛り切った雄を光輝の中に押し進めていった。

「くっ……」

 光輝が呻いたので、柴田が問う。

「痛いのか?」

 すると、光輝は首を左右に振って否定する。

「無理するな」

「だ、大丈夫だから……続けて……」

 柴田はその言葉を聞き、自身を光輝の最奥まで進めていく。

「うっ……あぁっ……」

 光輝は声を我慢しているようだ。

「光輝……声、我慢しなくていいんだぞ?俺に聞かせろよ。可愛い声を」

「や、だっ……」

 そう言いながら、光輝は顔を横に背ける。

「ほら、奥まで辿り着いたぞ。お前の中は狭いな。俺のを締め付けるようだ」

「は、早く、動いて」

 そう懇願され、柴田は光輝の腰を抱え直してゆっくりと自身の腰を動かし始めた。

「あっ……あん……」

 顔を上気させてあえく光輝を見下ろしながら、柴田は内心優越感を感じていた。

「痛いか?」

 そう聞いたのは、光輝を心配しているというよりも、ただ儀礼的に聞いただけだ。自分がこうして、光輝を穿っていることに内から喜びが湧き上がってくる。それは、それは決して……愛ではないはず……。

 柴田に問われた光輝は、涙ながらに頭を左右に振った。彼は何かに耐えているように見える。それは痛みなのか、それとも快感なのか……。

「龍二さん……りゅうじ……さん……」

  柴田を見上げながら、光輝がうわ言のように呼ぶ。

「なんだ?」

  真面目に返事をすると、光輝は「ううん」と言うだけだった。

  光輝の中はことのほか気持ち良いから、柴田も普段に比べて早く限界が近付いてきた。

ここまで気持ち良かったことはないから、光輝とは相性が良いのかもしれない。

『まずい……こんなに早く限界が来るとは……』

  そう思った矢先に、光輝が「もっと早く動いて」と息も絶え絶えに懇願してきた。そんなことをしたら、直ぐにでも昇天してしまいそうだ。いつの間にか、自分の息も上がってきている。

「早く動いたら、イッてしまうぞ」

  見ると、光輝のそこも天井を仰ぎ見て欲望の蜜を垂らしている。彼も柴田で感じているということか。

「いい、よ……俺も、イキたい……」

光輝が潤んだ目で柴田を見上げた。

そんな顔をみたら、余計に欲情に駆られる。柴田は、今までよりもさらに激しく光揮を穿ち続けた。

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