第16話 新たなる局面
「それにしてもよ~Tさんの奥さんの話だがな~。おうじょうこいた!アッ!またやってしまった。ゴホン!そうそう共通語。共通語。あの鬼課長に『名古屋弁では意味が伝わりにくい』と散々言われている。最近は他県の警察官も増えてきている。それこそ……どんなお仕置きを食らうかもしれんがや~。ようし!ようし!絶対に名古屋弁は使わない!オイ!田淵、星信学園高校の生徒X君がゲイを告発された恨みが原因だと見る意見が相当数あるが、そんな事を暴露されたくらいで猟奇的殺人、首をちょん切って生首を持ち帰るだろうか?もっと他に何かが隠されていると思うが?それも痴情、怨恨の縺れで相当恨んでいたが、例の生首を持ち帰られた3人の男達との断ち切れない人間関係?恋愛関係?怨恨?何か人に言えない殺害された3人との深い関係が有ったに違いない。だから……同性愛に目を向け過ぎで本当の真実を見逃している可能性だって有ると思う。なぁ田淵!」
「そうですよね?「LGBT」に固執し過ぎの気もします。何か……他に原因が隠されているかも知れません。Ⅹ君が犯人と言うのは……まだ早すぎる気がします。それから……この学校の生徒で裏のリ-ダ-と呼ばれている理生君も怪しいと言われています。一見外面は良いが、そこはかとなく恐ろしい子らしいです。生首を持ち帰ると言う凶行自体計り知れない恐怖を感じるが、でも……理生君も相当裏の顔がある恐ろしい子らしいですね?それでも…成績優秀な……そんな子が恐ろしい子にならざる負えない理由もきっとある筈です。それに匹敵する恐ろしい理由が隠されているのでしょうね?」
「Ⅹ君と理生君の事をもっと詳しく調べる必要があるな?アッ!それから…勝君のお母さんの話では『類は友を呼ぶとはよく言ったもので、どうも……同級生の子供の中に「LGBT」の生徒が交じっていた。そして…勝はその子と似た者同士仲良くしていたのだが、勝が謙太君にその秘密を打ち明けた』それで…バラされた相手Ⅹ君が暴れ出したと言う話だったが、どうも……話が食い違っている。もう1つの話がこれだ。X君が、勝君にLINEを介して「友達以上💛💛💛LOVE。付き合いたい」などとメッセージを送って恋愛感情を告白したところ、勝君は「これからも良い友達でいたい」などと応答した。それでも……度重なるⅩ君の過度で異常な接触に精神的に不安定になり夜も眠れなくなっていった勝君だったが、それでも…ちょっかいを出してくるⅩ君にとうとう我慢の限界を感じていたが、最終的に謙太君に『ハッハッハ!お前等ゲイかよ?』と言われた事で同級生である友人たちが見ているLINEグループに、『Ⅹがゲイであることを隠しておくのもうムリだ。ごめん』と投稿し、Ⅹ君が同性愛者であることを第三者に暴露した。このLINEには同級生10名ほどが参加していたとされ、結果的にX君が同性愛者であることが暴露されてしまったと言う話だったが、お母さんの話とは食い違ってくる。どうもお母さんの話は間違いで、正解はもうひとつの度重なるⅩ君の過度で異常な接触に、精神的に不安定になり、とうとう限界を感じた勝君がLINEグループに『Ⅹ君がゲイであることを隠しておくのもうムリだ。ごめん』と投稿し、Ⅹが同性愛者であることを第三者に暴露した。それも……このLINEには同級生10名ほどが参加していたとされる。それでは勝君のお母さんは、何故息子の不利になる事をあえて言ったのか?という事だ。どうもTさんの父親は福岡県福岡市で土産物店を経営しているが、製造販売も手掛ける有名店で相当の資産家らしい。そしてTさんはその土産店の長男だというではないか?そして…勝君のお母さんは後妻さんらしい。ましてや勝君は先妻さんの子供で、後妻のお母さんには男の子がいるから先妻の息子勝君が気に食わない。これは……ウウウン……何か……匂うな?」
「それという事は、後妻のお母さんが自分のお腹を痛めた息子を、福岡で大々的に展開されている土産店の跡取りにする為に、不利な証言をしているという事ですかね?」
「この事件にはいろんな人間と人間の欲望が入り混じった、想像を遥かに超えた何かがあるに違いない?」
「それは一体どういう事ですか?銀さん……」
***
一方の、高校2年生の立花流星君の父親は、愛知県に5店舗経営する老舗和菓子店の社長だが、豊田店の女店長と不倫の末、なんと……妻と子供を捨てて女店長と結婚してしまった。だから…今現在は母親と流星は、岡崎市のマンションで生活をしている母子家庭である。妻と子供を捨てたと言っても…1歳違いの弟は中学、高校が父親の住所の近所という事で父親に引き取られているし、流星は父親と弟との交流が続いている。
そして…何と……首なし死体で発見されたTさんの父親で福岡で土産製造販売を手掛ける社長と流星の父親で和菓子店「菊乃屋」経営の社長は、顔見知りの関係である。当然人気商品も多数あり土産物コーナ—も充実している「菊乃屋」。この人気店「菊乃屋」は、東京駅や新宿の「ご当地プラザ」にも商品を卸している。更には百貨店にも卸している。当然Tさんの父親の土産商品も同じく東京駅や新宿の「ご当地プラザ」に商品を卸している。そんな理由から、実は…流星の父親と勝君のおじいちゃんはお菓子製造販売と土産物いう共通点が有り、幾度となく顔を合わせていた。またそれ以前から……名店同士と言う共通点も有り知り合いであった。
そこには、色々な人間関係の縮図が有った。複雑な人間模様の裏には何が隠されているのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます