僕の大切な消えた人

@SAKI0820

すべてのはじまり

それは新学期が始まる春


いつも通り支度をし出かける父と家事をする母


僕はいつも通り自分の部屋で制服に着替え支度をし家を出た。


「待ってよ。なんで先行っちゃうの」


頬を膨らませながら不満気に見上げる女の子


「○○が遅いから悪いんだろ」


「だって今日は入学式だしせっかく1年ぶりに一緒に通えるんだよ。一緒に行きたいじゃん。制服似合ってる?」


「これから毎日一緒に行けるしいいだろ…似合ってる似合ってる。ほら時間ないから早く行くぞ」


そんなたわいもない会話をしながら楽しみにする女の子を見てよかったなと思いながら笑みを零し信号が青になるのを待った。


「なにぼーっとしてるのー?行っちゃうよー」


信号を渡りながらこちらを見て呼ぶ女の子


「あっ悪い悪い。今行く」


信号を渡り始めた時


「そこ2人危ない!!早く渡れ!!!」


どこかから大声で叫ぶ誰か


なんのことだと思いながら横を見るとこちらへすごい勢いで走ってくる車


その時慌てて女の子は僕を引っ張るがこのままだと2人とも轢かれるとわかった僕は


「○○お前だけでも助かって」


と女の子を突き飛ばし、僕の身体は吹っ飛んだ


普段は匂わないガスのような匂い

周囲の慌てふためく人の声

ぼんやりな視界に涙を流し怒る女の子の顔


それを最後に意識をなくした



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