第10話ヤンキーの初詣
そして高校3年生の正月の時に初詣に連れて行ってくれた。
新調した紺色のスーツを着てアイパーのオールバックで、縁日で出ている山道を歩いた。
妹と一緒に行っていたからもう少し話が弾むかと思っていたが、終始無言だった。
僕は渡哲也に憧れていたので、もっぱら睨みを利かせて下から睨み上げながら歩いていたので、少しでも笑顔を見せたら弱っちィと思われると心配があったから会話どころでは無かったし、妹は妹でお洒落に目覚めやがって、ヘンテコな服を着ていたから身内だと思われたくないと考えていたのかも知れない。
自宅に帰って、「この子らと初詣を一緒に歩きたかってん。嬉しかったわ。」
と言ってくれて安心した。
笑顔を一個も見せなかったから陰気な子供とお思われたに違いない。
そう思われても仕方が無い歩きざまだったから
反省していたのだが、良かった。
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