影と血の王
みやむち
プロローグ
………森は叫びを上げ、空は怒りの雷を落とす,海は嵐を呼び、空気は毒の瘴気にさらされ、命は冒涜される。
そんな地獄に1人の影が見えた、いや、2人だ、辛うじてだがどちらも生きている大柄な体格の男が腕に小さな赤子を抱えている。
『主よ、もうすぐだ、もう少しでこの地獄から出られる。』
男は必死の形相で主と呼ばれた子に話す
『私はもう長くはありません、どうか、どうかここを抜けるまではっ!?』
男は満身創痍であった、いくつもの裂傷にさらされ、右目,左腕はもうない。そのような状態であったからか頭上に現れた大きな影に気づくのに少しの遅れが生じた。
その前に現れたものは異形であった。皮膚は腐り、骨がむき出しになり、「生きている。」とはとても言えないその異形は、無情にも男の腕にある小さな命に目を付けた。
『っ!?このようなときにぃ!!』
男は歯ぎしりをし、子を地獄の外へと飛ばした。
『ご武運を。』
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
……
嫌な夢を見ていた。少年は目を覚ます、、
「寝覚めが悪い……寝るか。」
「ダメですよ?まだ残っている依頼があるでしょう?ディア。」
ディアと呼ばれた少年は透き通った灰色の瞳で大切な睡眠を妨げた女に対し
「別に良いだろうリーシャ?依頼の期限はまだまだだ、その期限までに終わらせていれば良いのだから。」
「ダメです!こうなったら力ずくですよ?」
そういってリーシャと呼ばれた女がディアを引きずってある場所まで来た
『冒険者協会』…Hから順にG,F,E,D,C,B,A,S,SS,の階級を設けその階級にあった依頼を斡旋する場所である。高難度になるにつれ報酬は増える。
そのような場所の扉を開け、長い列を作る場所を素通りし、その原因となる女に話しかけた
「「ハンナ(さん)依頼の詳細を」」
そういって何やらカードのようなものを差し出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます