可愛がった猫

私は猫を飼っていました。

12年くらいです。私が5歳の頃から高校生まで、家族の一員でした。家で一人で暮らす事が多かった私にとって、猫がいれば留守番の時も怖くありませんでした。家族全員、可愛がってました。


猫は骨肉腫という病気で亡くなりました。

翌日、父と兄の三人で庭に埋める事にしました。穴を掘り、猫を入れました。まず体の部分だけ土を被せ、皆んなでありがとうを言いました。そして顔の部分にも土を被せ、お別れの時です。


ふと、小さな声がしました。文字に起こすと、「ふぅぅん」という声です。

私はああ、猫の声だと分かりました。

兄は、「????」いやいや、と首を振りました。兄にも聞こえたようです。


少し落ち着いてから、兄に声がしたと話されました。


「うん、聞こえたよ。」


父には聞こえなかったそうですが、猫は最後に私たちに何か喋ってくれたのでしょうか。

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