二月 彼からの電話
大阪に帰ってきた
「はい、もしもし
「ほんでどうしたん。ちょっと話したいことあるって。なになに愛の告白やったらいつでもええよ。って冗談やん。なに、どうしたん。咳きこんで。風邪ひいたんかな。最近寒いからほんまに気つけてよ」
「ほんで話ってなんなん? あーそうなんや。仕事決まったんや。おめでとう。なんか自分のことみたいにうれしいわ。宅間君の就職祝いしに行きたいけど自分、東京やもんな。まあ、飛行機やったらすぐかな。チケット予約せなあかんなあ」
「うん何? せやったな、宅間君話あるんやったな。ほんでその話ってなんやの?」
「うんうん、えっマジで。それほんまなん。嘘ぴょーんとかいわんといてな。嘘ちゃうて。マジなんや。ええほんまうれしいわ。宅間君就職決まって勤務地がこっちの支社になるんや。ほんでほんで……」
「大阪に親戚の人おってその叔父さんが持ってる家が空き家になってるからそこに引っ越すことになったんや。へえー宅間君大阪に引っ越してくるんや。ほんまにうち、うれしいわ。これで宅間君にいつでも会えるやん」
「ほんで来月三月に引っ越すから大阪案内してほしいって。ええよ、ええよ。あん時のお礼にうちが大阪案内したるわ。本場のたこ焼き食べたいって。ほんならうちが宅間君の家でたこ焼きつくたろか? 大阪やったら一家に一台たこ焼き機あるのん当たり前なんやで。お好み焼きおかずにご飯たべるんって。そんなん当たり前やで。あたり前田のクラッカーや」
「ほなな。宅間君、まってるわ。関空まで車で迎えにいったるさかいに。ほなね、宅間君バイバイ……」
スマートフォンの画面をタッチして通話を切る零子はふーと大きく息を吐いた。
「これってもしかしてデートなんちゃうかな♡♡」
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