第25話 聖国崩壊

 聖都第一騎士団詰所


 その頃、第三騎士団長は、世界を救った大英雄の一人にも関わらず、捕らえられて拷問を受けていた。


 きっと、勇者マストダイで、けつあな確定されていて、若い貴族の騎士達の持てあます性欲を一身に受け止めさせられて、オッサンでありながら街娘や貴族の子女が望んでいる事の全てをされて、口と言おうがケツ穴と言おうが体中の穴と言う穴を汚されているのかと思ったが、そこまでの好待遇?は受けていなかった。


「魔王を倒しただとっ? 有り得ぬっ」


「嘘をつくなっ、平民如きにそのような事が出来るはずが無いっ」


 うん、こいつらも死刑確定。聖国では細菌研究所がお取り潰しになったり、貴族と全面戦争にならないように生かして置いた貴族もいる。


 例の宰相とやらも生かしてあるし、パレードに使われた勇者役の孫も、賢者や騎士らのご学友も、聖女役の婚約者も生かしてある。


「何回言えばわかるんだっ? 俺は何もしてねえっ、召喚された悪魔の奴と、リッチやエルダーリッチにまでなった野郎どもが、でーもんこあ?とやらまで用意して、デッカイ大砲十門も用意しやがって、砲撃したら魔王城も何もかも「くうかん?」ごと消し飛ばされて死んだ。魔王だから再生したけどなっ」


 騎士団長もそろそろ限界、お貴族様に対する敬語も使ってない。キレると全員殺してしまう。


 こいつもレベルで言えば二万超えるぐらいで「奴は魔王討伐隊の中で最弱」と言っても、周囲のクソ雑魚と比べれば段違いの強さで、首枷で魔封じの枷なんか通用しないし、ワンダーウーマン捕まえるぐらい鎖でギチギチにされてるけど、アメコミみたいに鎖全部引き千切って、フーディーニぐらい大脱出できる実力はある。


 現在も法的根拠?があるのかどうか知らないが、第一騎士団の権限と拘束力に従っているだけで、物理的のこのオッサンを捕まえておくのはムリ。


「その手柄は公爵様の物だっ、大人しく献上すると言えっ」


「だから俺の手柄じゃないっ、召喚された悪魔の野郎がやった。リッチの連中も死なないからって、青く光ってる有害なデーモンコア使って、怪しげな儀式とかも山盛り、俺程度には分からんことやりやがって、魔王城丸ごと消し飛ばしやがったんだよっ」


 あっちい、あっちいよう、騎士団長、俺らの手柄奪ったり、自分の手柄みたいに言わないで、お貴族様の要求に従って手柄の献上とかしないんだ。


 騎士団長が逆らって、叛逆罪に問われないうちにこいつら死刑確定。


「うわああああっ!」


「生きた体~~」


「ぎゃああああっ!」


 疾病対策センターに何度もやって来た貴族の騎士と一緒で、第一騎士団は壊滅した。


「お待たせしました、騎士団長」


「お前、これ、聖国の貴族の子弟だぞ……」


 跡継ぎではない次男三男ばかりで予備、長男が死んだ時だけ竜騎士団から呼び戻されたり、偽婚約者として竜が懐いている平民の世話係の少女が連れて行かれたりもする。


「「「「「「「「「「私達は社会の歯車です、夜明けから日暮れまで働きます、週六日働いて安息日には休みます」」」」」」」」」」


「何か問題が? 聖国の王家全員でも殺せる」


 いつものホムンクルスの朝礼を見せて、問題が無い所を確認して貰う。


「お前は仕来たりとか手順とか考えないのかっ」


 あっちい、あっちいよう、また騎士団長にドツかれた。正義の戦士で戦隊レッドだから、貴族の次男三男鏖にした悪魔でも平気。


「まあ、王宮にでも凱旋しましょうや」


「おいっ、ちょっと待てっ、全員殺す気かっ?」


 そちらは相手の態度次第、小銭でもやってブリキの勲章でもくれてやろうと言うなら受け取る。勇者マストダイで捕まえて殺すだけと言うならお前らが全員死亡。


 戦力差分かってるよなあ? ああ、第一騎士団順番に送り込んで来たから、数さえ揃えたら殺せると思い込んでたな。


 まあ、もう聖国も必要無いから消えて貰おう。



 魔族領


 実はまだ魔族領にいるのです。魔王とは「シェイクハンドで交わされた約束」と言う奴で、特に契約書なども交わさないで別れた。


『アニキ(性的な意味で)俺を舎弟にして下せえ』とか『アニキのヤバ種で俺をHIVポジティブにしてください』的な事を言い出したので?


 魔王職も俺に移動したことだし、従魔か召喚獣と言う事で納得して貰い「仲間になりたそうにしている」状態だったので従魔になって貰った。


 ぶっ殺されても、星に無限に再生される魔王職も俺に移動。


 まあ不老不死なのでどうにでもなるだろう。


 本来、人間側で転移ゲートを閉じて、歴史改変したことで現象になって、待っているリタちゃんとマリオ君が「遅いねタカシさん、どうしたんだろう?」「きっと帰って来るさ、待っていよう」になって「忘れ形見」とか残して消えるはずだったが、超越者から貰った猶予を解決しないと消えない模様。


 エルフ解放戦線とか残っている少数民族の獣人とか、色々解決しないといけない問題も山積。



 そこで人間領で起こった起源ではなく、魔族領で起こった起源も解決しておこうと言う訳で、更に過去に戻って少数民族が殺される前に。


『へへっ、奴らいやがった。野郎どもっ、皆殺しで家は全部焼けっ、その前になら何をしても構わねえっ』


『ヘヘッ』


 絵に描いたようなクズが集結して村落を襲撃しようとしていた。


 平和なムーミン谷みたいな所で、違う所と言えば川魔? 川縁に住んでいて、大雨の時には陸に上がるような生物。


 別に陸上生物に対して常時略奪に行ったりしないし、川に近付いただけで怒鳴りつけて杖で殴りかかって来るような基地害ジジイの集団でもない、


 人魚じゃなくて魚人、マーマンみたいに上半身が魚。


 下半身が使えるのかどうか知らないが、スレイヤーズみたいにリナを「やっちまえ」となった時に魚人が「そこに卵を産め」と命令して「じめじめした所に置いて、上から精子かけるから」と言った手段で交配するに違いない。


 テレビでは放送できずカットされたが、キモい。魔王と一緒で魚臭い。


 夜に住民を起こすのも何なので、ひと騒ぎも起こさせずに沼入り。サイレントモードなので、全員静かに死んで貰った。


『あっ?』


『うおっ!』


 普通に歩いて、沼の中で体重を前足に掛けた所で地獄行き。


 まあ魔界の方も、生きていた奴らは、悪人と無能は全員沼入りして貰った。


 残った俺は「スナフキン属性」のオッサンとして、ムーミンでも目を覚まして来るまでキャンプ。



『あの? 野盗の連中が来てたみたいだけど、オジサンが倒してくれたの?』


 野盗共のキャンプ跡と、村に入った足跡だけで犯人が俺だと読み取るとか、どんだけプロなんだよ。


 少年漫画で言う「奴はプロだ」と言う、素人丸出しの行動じゃなくて、オメガセブンに出て来るロシア兵みたいに、田舎で育ったのか動物の足跡を追うプロで「奴らとんだ素人でさあ、こんなに足跡を残して」と言う奴ぐらいプロの村人の少年。


『やあムーミン(仮名)。夜に寝ている村の皆さんを起こすのもなんだから、悪人は消えて貰ったよ』


 あくまでスナフキン属性の人物。ムーミン谷では冬にはトーミンするはずなので、それまでキャンプしてハーモニカかケーナでも吹いて過ごす予定だ。


 星を提供して退避壕にするか、川魚だけ採って暮らすのなら、そちらに移住させてもいい。


 全員別の星に移住で許してくれるならいいが、移住イコール絶滅にカウントされると困る。


『どうやったの?』


 俺を新妹魔王と認識していないのか、恐怖の大魔王と認めていないのか、ムーミン(仮名)は俺を恐れずに質問して来た。


『これは沼と言ってね、悪人は出られなくなる所さ』


 沼の中からニョロニョロみたいな死骸兵の腕が生えて、いつもの「柄杓貸せ~~」の合唱。


『へえ~』


 ムーミン(仮名)は「もしかして、そいつはこ~んな顔をしてなかったかい?」レベルの恐怖映像を見せられても、怖がりもせずに沼に触れた。


 後楽園球場で僕と握手だ、ぐらい沼の中の手と握手。


 きっとジャニさんみたいな人に「you来ちゃいなyo」と言われ慣れていて、手コキさせられるのも平気と見た。


 おはガールjkを連れ込んだ、ゴールドマンサックスに合格したエリートガイジンサンみたいに、おティンティンに名前が付いていて「ボクの○○に触れてよ」と言われて、真っ黒な二十サンチアームストロング砲を触ったりフェラするぐらい手馴れてる。


『あはははは』


 笑顔で沼の中の地獄みたいな光景を見ている、恐ろしい奴だ。


 もしかして里全体が、伊賀とか甲賀みたいなニンジャの里で、全員が乱波(ラッパ)とか素波(スッパ)みたいに時の権力者に雇われて「お前達は知り過ぎた」系で口封じされたのか?


『実は君たちに、野盗や国に雇われて村を襲いに来た奴らから、逃げられる場所を提供しようと思ってね』


 子供と仲良くなって「地球をあげる」と言わせようとする、まさにザラブ星人。この場合「星をあげる」から立ち位置は逆。


 まずはゲートを開けてみて、瘴気がある春の世界へ。向こうも春春春だから、トーミンしないでも済むかもしれない。


『誰か村の偉い人を紹介してくれないか? 村長か長老か。オジサンは村の入り口で待っているから、呼んで来て欲しい』


『うん、いいよ』


 警戒感が薄いのか、村の入り口まで連れて行って首チョンパなのか、あっさり背後を許して村まで連れて行ってくれるムーミン(仮名)。



 疾病対策センター


 俺達をとっ捕まえて、運搬中に殺そうとした第一騎士団の連中は全員沼入り。


 続いてやって来たので、間違えて一緒に殺す所だったけど、いつもの三十路ビバンダム姫の車列だったので殺さないでご招待。


 姫を入室させられるほどの部屋は無かったが、実験動物扱いの魔族は治療魔法で治して転移させて帰らせてやったので、いつもの絶望の絶叫は聞こえて来ない。


「ま、魔王を倒したと聞いたが?」


「ええ、殺し切れませんで、何度殺しても星の力で復活する奴だったので苦労しましたが、マイクロブラックホール撃ち込んで何十回も殺して、デーモンコアニ十機も使った砲を撃ち込んで何百回か殺して、空間ごと裂けて別の宇宙に放り込んでやると「コロシテ…… コロシテ……」と歌い始めるぐらいには心を折ってやりました」


 いつも通り宇宙人を見る目で見てくるか、恐怖の対象として見て来るかと思ったが、姫が泣きだした。


 受付嬢と一緒で「ごめんなさい、ごめんなさい」状態かも知れない。


「ついに魔王が…… うっうっうっ」


 戦争で負け続けて、西から順番に国を滅ぼされて、魔国対抗同盟なんぞ組まされて、不倶戴天の敵とまで同盟して、魔石など集めて召喚儀式。


 勇者も死んでて剣聖とか拳王も死んで、召喚失敗かと思ったのに、何故か細菌研究所が効いて逆転大ホームラン。


 けもフレレベルの手柄争奪戦になって、消せ消せ消せ消せ消せとなって、俺を殺しに来る暗殺団だらけだったけど、レベルも上がって五千万になってたから楽勝。


 最前線送りになって現地で始末するはずが、元細菌研究所のリッチヴァンパイア達もいたから対魔族決戦にも勝っちゃって、ゲート閉じて来て他国では英雄。


 そこで手打ちにしても良かったけど、復讐の鬼がいたから魔国まで攻め込んで、過去を変えるために時空転移。


 今回、滅びた国の人民も帰って来て、滅びていない国も並行世界が出来て、死なずに済んだ奴らは別世界へ。


 この姫も死んだ人間達が、一回帰ってきたのは検知できたはずだ。



「過去改変するのに魔王と手打ちして、今は俺が奴の地位を奪って職業が大魔王です」


「何と?」


 やっぱり恐怖の対象。アンゴルモアの大魔王、目の前に来ちゃいました。


 会いに行ける大魔王。ハクション一発で壺の中からジャジャジャジャ~~ン。(CV:大平透)


「魔王は今、俺の舎弟と言うか、従魔か召喚獣扱いでして」


 魔王をパシリに仕える奴を見て、やっぱり宇宙人でも見るような目に。


「ま、まあ、そんなに悪い海魔じゃなくて、民衆思いのクジラ魔王でして……」


 社会構造的に、姫の中でも俺が魔王以上の大魔王で上司。


「…………」


 うん、俺が国家安全保障上の大問題。


「あ…… う……」


 姫の全身が産まれたての小鹿に……



「過去に何があったのか教えてもらいまして。何でも数十年前に聖石と言うのを投げ込まれて、瘴気も土地も浄化されてしまって、反対側に人間界に抜け出せる転移ゲートが開いていたそうで」


「なに?」


「ええ、奴らには転移ゲートを開く力がなかったようで」


 カクカクシカジカで説明してやって、どうも奴らも被害者で、少数民族を滅ぼしたので死刑。


 同じく死刑確定していた人類世界に、超越者がゲート開いてこっちも死刑。殺し合わされていた所を、過去に戻って時間改変しようとしたら、超越者に出くわしてオシマイかと思ったら、とりあえず千年の猶予を貰って来たと伝えた。


「その滅亡の原因、どの少数民族を滅亡させたんでしょうか?」


 姫ごときが知ってるはずも無いが、超越者に死刑確定にされたんだから知っておいて貰おう。


「昔の言い伝えでは、ドワーフやホビットもいたとか」


 ああ、盛大に絶滅させてた。俺がドワーフと交渉でもあったら、ここの人類俺がヤってる。


「多分それが原因でしょう、超越者は「この世界のルール」と呼んでいましたが、一種族でも絶滅させると、連帯責任でその星の者も全員絶滅となるようです」


「左様か……」


 これは過去に戻ってドワーフとかホビット生かして、別の星に逃がさななきゃなんねえ。



 王宮


 ビバンダム姫がいない間に分体が王宮へ、全員俺を殺せば手柄が転がり込んでくると思い込んでる奴らばかり。


 本日は第一騎士団のホムンクルスだらけの警護で入城。


「第三騎士団長であるっ、魔王が倒されたのは知っている事と思うっ、こちらが魔王を倒した救世主であるっ! 控えよっ!」


 これがボッコボコにされた姿なら威厳もクソも無いが、第一騎士団に撫でられた程度では団長には傷一つ付かない。


『ダイイチ騎士団長であるっ、魔王討伐を果タシタ救世主殿を警護してマイッタ。このまま馬上より失礼スルっ」


 第一騎士団の馬車に乗って楽々入城、とは行かなかったようだ。


「馬鹿者めがっ、わざわざ首を差し出しに……」


 馬鹿は沼入り。


 こいつが公爵か侯爵? 見られたので衛兵も沼入り。


「ぎゃああああああっ!」


「生きた体寄越せ~~」



「馬鹿者がっ、大した護衛も付けずに王宮に来るとは? 第一騎士団、そ奴を捕らえよっ」


 サクサク沼入り。


「うわあっ、ああああああああっ!」


「脳みそ~~~」


 それから数回馬鹿に出くわしたが全員沼入り。一応ホムンクルスも作成。


 推奨討伐レベル三億の魔王に勝って来たんだから、その程度の防備はしましょうね。



 城に入ってから残りの文官は、大悪魔で大魔王に逆らおうとは思わなかったのか素通り。


 まともな知能持ってて鑑定眼持ってたら、レベル12億のアタマオカシイ奴に逆らったりしようとは思わない。


 公爵のホムンクルスが申請、王家に面会要求して何故か通った。面会用ホールで取り囲んで殺すつもりか?


 準備に暫く待ったが「魔王討伐のお知らせ」なので通った。


「第三騎士団長、並びに召喚者御入来ですっ」


 聖国的には大悪魔だとか大魔王とは紹介できないので、とりあえず召喚者。


「面を上げよ、魔王討伐が成ったと聞いたが?」


「直言を許す」


 偉そうなのが数人、真ん中のが王様でビバンダム姫の親か? 影武者じゃねえかよ。


 まあ気にせず行こう。


「え~、お約束通り魔王を討伐してまいりました。異論や反論、手柄を取り上げるなどいろいろありましょうが、まずは報告を聞いてからと言う事でお願いします」


 文官の中からどよめきが、流石に地球人30億人犠牲にしてレベル上げして、魔王ぶっ殺してきましたとは言えない。


 奴は再生される系の魔王だったので殺し切れていない。


「報告書の通り、魔王は殺しても再生するため、和睦を結んでまいりました」


 ここまでは異論はない模様。


「奴らも超越者から処刑され、大聖石とでも言う魔石を魔界に撃ち込まれ、瘴気を浄化され住人も浄化されて死に果て、落下地点の反対側に人間界へのゲートが開き、相互に殺し合うように仕向けられていたため、聖石を取り除いてやって住めるように戻して来ました」


 歴史改変とかはこいつらの脳では認識不可能なので省いた、新天地を与えてやったと言うと即反逆罪でタイホされて処刑されるので言ってない。


「うむ、よくやった、褒美は何を求める?」


 影武者やる気なさすぎ、皇国とか隣国では大歓迎で、帽子放り上げるレベルで急遽「ウェ~~~~イ!」だったんだけどなあ。


「帰る方法も見つかりましたし、先任の所長より屋敷も頂戴しております。何か記念品でも頂いて、後は魔王討伐や魔族との決戦に従事した者達に、地位や名誉などお与え下されば」


 適当に小銭でも貰って、ナントカ男爵とか法衣貴族程度で、勲章でもくれたら文句はない。



「陛下、こやつは嘘をついております、魔王は殺されておりません、この者は魔王と結んで、この国を乗っ取ろうとしておるのでございます」


 またアタマオカシイ馬鹿が出たよ、それも宰相閣下www


「ご紹介しましょう「七英雄」。我が孫を中心としたメンバーで、魔王討伐を計画しておりました。この度満願成就を果たし、魔王を討伐して来た勇者パーティーでございます」


 え? こんなゴミ以下の奴らが勇者? こいつらパレード用の勇者じゃねえかよ。


 これぐらい適当過ぎる嘘で通して、俺も第三騎士団の団長も処刑して、手柄奪って孫に花持たせてやろうってか?


 絵図が浅すぎるけど、王様も傀儡か影武者、コイツが実質国の支配者で、聖国教会のトップの次ぐらいの地位らしい。


「うむ、こやつらを牢に」


 お、王様の影武者、俺に喧嘩売ったな? 第三騎士団長もレベル2万ぐらいあるから、お前ら程度ではどうにもできないぞ。


「どうだ、怖いか? 我が孫などはレベル90だぞ? お前如きでは傷一つ付けられまい」


 コイツこんな知能低かったかなあ? 超越者から知能制限掛けられてるんじゃないか?



「召喚、魔王」


 魔王を殺したそうなので、謁見場の「上」に魔王を召喚してやった。全長80メートルもある海魔だけど、丸まって貰って何とか収納できた。


「コイツが魔王だ、オマエラ程度のゴミクズで倒せるなら倒して見せろ」


 パレード用勇者連中が絶望した顔で上を見ている、ジジイが馬鹿だったばかりに、適当過ぎる絵図でオマエラを勇者に出来ると思い込んだせいでお前らは死ぬ。


『キューセイシューーッ! オヨビカーーーッ! ヒュイイイイイイイイイイイイイン!! ビイイイイイイイイイイイイイッ!! ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!』


 相変わらずデカイ声だ、その後もクジラが背面飛びしながら海面に体当たりする時みたいな超デカい音出して、この場にいた連中を威圧。


 小魚を気絶させてから、ガッポリ口開けて下から全部食べる時の声出したので、全員気絶寸前。


 世に音波兵器と言うものがあり、ソマリアの海賊をぶっ殺さずに自衛隊が制圧するための兵器でノンリーサルウェポン。


 どんな勇者や力士であろうとも、耳押さえて丸まってしまい、体中の穴から水分垂れ流し続けるだけの負け犬に加工できる兵器。


 現在全員制圧済みで、耳押さえて丸まって、ズボンの前も後ろも濡らしてガッタガッタ震えるだけの生き物に加工済み。


「よう、魔王。何でもこいつらがお前を殺した連中だそうでな、俺と騎士団長は嘘を言った罪で牢屋入りで、これから首切り落とされるそうなんだ」


『ナニヲバカナッ、ワレラガキュウセイシュノ、シュキュウヲアゲサセテナルモノカッ! ギュウウウウイイイイイイイイイイイッ!!!! ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!!!!』


 魔王の下にいた連中は全員制圧済みだったが、鼓膜が弾け飛ぶぐらいの大音量喰らって、城ごと振動するほどで外の衛兵も何もかも、城内の全員が制圧済み。


 魔王の触手が伸びて来て、パレード用の勇者賢者聖女全員、ケツの穴から触手ぶち込まれて、口から先っぽ出されて血吐いて脂肪。


 魔王も「魔界は助かる~、助からない~」の花占いを始めて、パレード勇者たちの手足引き千切って行った。


「あああああああああっ!」


 宰相のジジイ、孫やご学友の手足引き千切られてボトボト落ちてくる所見せられて絶望、婚約者か嫁も一緒の扱いでバラバラ死体。


「見たか、これが先代の魔王、討伐推奨レベルは3億。ゴミクズ以下のパレード用勇者にゃあ絶対に倒せねえ。ちなみに新妹魔王は俺だ、俺のレベルは12億ある、この城全員出て来ても全部ぶっ殺せる」


「そんな馬鹿なあああああああっ!」


 殺さずにおいていた宰相だが、惨めに無様にみっともなく魔王に殺された。


 死体は沼に嵌って貰って、未来永劫地獄の苦しみを味わってもらう。


 可愛い孫と一緒に死骸兵で沼の中だからいいよな?



 さて、影武者の王様はまだ生きている。丸まった負け犬のままだが、宰相が死んでからどうするかな?


「そ、そこまでして…… この国王の座が、この国が欲しいか?」


 コイツは傀儡以前に馬鹿だ。


「いらねえつってんだろっ、屋敷も貰ったから、年に何度か細菌研究所の連中と飲み会でもして、ブリキの勲章でも感謝状でも出しゃあカタ付いてたんだっ。寄ってたかって使用済み勇者は殺そうってか? その結果お前らが死ぬことになったなあ影武者のオッサン」


 顔面に蹴り一発入れてやったが、脊髄が折れる程度で爆散はしなかった。まあ頭蓋底骨折で死んでるか?


 コイツもサクサク沼入り。もしかしないでも、宰相に思うさま政治を操られていて、ビバンダム姫が国政を取り返そうとしていたり、影武者の王様を追い出そうとしていた?


 ラストダンジョン村のロイド君が来て、家主のマリーさんがコンロン村で三年も修行して、消去のルーンを手に書けるようになるまでボロボロになっていたのが、アバドンに乗っ取られた王様に手を折られて絶望していた所、魔王案件なので大手を振ってコンロン村が関われるとなって「ロイド君、綺麗にしてあげなさいっ」だけでサラサラっとハンカチにルーン書いて「こんなに酔って、駄目な大人ですねえ」で「ふきふき」するだけで全部解決してしまったんじゃあ?


 と言う訳で聖国は滅びた。


 お次は聖国国教教会にお邪魔してみよう。

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