第20話 神の使徒

 チベット


 私は今、チベット寺院で監禁され、男男男に囲まれて生活しています。一人称も私に変更しました。


 その上、生臭物禁止で肉も食えません、般若湯も無いのでアルコールまで禁止です。


 火を出すのも厳禁なので、魔獣肉など出して焼くなどもってのほか。


 最初から「生臭物は穢れ、アルコールなど人を堕落させる飲み物、女など穢れ、衣服を着るのも穢れ、糞掃衣以外着ません」ぐらいトンがった人物なら天国でしょうが、穢れたオッサンなので受け入れることができません。


 でも読経三昧な修行僧からは「このような天空の上の極楽浄土に至れて、これ以上何を求めると言うのですか?」などと解脱して悟りを開いたような表情で折伏されます。


 天空と言えば、ここはかなりの高地なようで、走ると息が切れて倒れます。


 悪魔でなければ何度か死んで、呼吸してないのと高いヒットポイントが無ければ、初の分体の死が経験できたでしょう。


 分体多数を送り出しているので、結構弱体化しています。次のイベント、魔王討伐時には集合が必要でしょう。



 すっかり宗教用語と言うか仏教用語にも慣れ、っていうか仏教用語しか口にしません。


 突然「作麼生(そもさん)、説破(せっぱ)」的な説法や論争を日常的に吹っ掛けられる、一休さんみたいな生活です。


 例えば「カリーユーベーシのチャクラの在りかは?(意訳)」とか「トトンサンマベアのマーハーダとは?(意訳、誤植あり)」だとか、全く意味不明な問いかけをされます。


 社畜なので仕事を与えられたら満足なのですが、生き仏なので書類仕事も余りさせて貰えません。


 慰めになるのは悪魔を呼ばずに治療できるようになったので、どっかの詐欺師で手品師のオッサンみたいに、サイババみたいに手からビブーティーでも吹き出しながら、信者達にエリアハイヒールでもぶちかまして治療してやり、車いすに乗っていた奴までパーフェクトヒールで立たせて「奇跡」を起こしてやることぐらいです。


 詐欺師の正体を暴いてやろうと入れ込んで来ている新聞記者とかテレビスタッフの前で「魔法」でも披露してやり「パーフェクトヒール」やら「死者蘇生」なんぞ見せてやり腰を抜かしてやったり、人殺しの悪魔のくせに「これぞ御仏より与えられし奇跡の力」とホザいて、新聞記者たちも正体も掴めず、更に説明がつかない奇跡を見せられて脂肪。


 水も飲まず食事もしないで、一か月シェルターに閉じこもりっきりの生活でウ〇コもせず、ミイラ取りをミイラにしてやって、膝から崩れ落ちさせてやって、眼(まなこ)から鱗でも落とさせてやって、奇跡を信じる信者に堕としてやるのが現在の数少ない楽しみです。



「シャシャラー・モダ・レキネンコ、ハメントロガスリャ、イシラケンテ、シラントステ」


 いや、外国語で翻訳できないんじゃなくて、私の仏教的な名前、戒名みたいなのと朝の挨拶と、尊敬を表す言葉と「貴方に花の香りを」みたいな仏教的な挨拶がコレ。


「カルモデン・ナシャリターヤ、ソソンテルミア、カミケランドソーサ」


 これも相手の戒名と、朝の挨拶と「貴方に御仏のご威光が降り注ぎますように」的な謙譲語。


 一つの文節の複数の意味が折り重なって韻を踏んでいて、フランスで数字を数える以上に難解になっております。


 ガイジンが聞いたら一切意味不明だけど、これが今の日常。


 まだ元気で油が抜けきっていない、にこやかで賑やかな小坊主さんを引き連れて、朝の読経の場へ。


 こちらでも起きたらまずは作務、浜田さんとか今田さんが送り込まれた日生学園みたいな洗脳は必要ないですが、朝起きたら手を合わせたまま読経しながら競争のように足早に移動して、顔を洗って歯を磨いて心穏やかになれるように掃除などもして、素手で便器を洗ったり、指導者に問いかけられて仏語(ぶつご)で答え、それ以降に読経をしてから朝食を頂く。


 現在朝の五時、起床時間は四時ごろ。毎朝ご来光を見ながら読経三昧。


「サンケリアダリソレアシテンソレカシュテーロン~~」


 私の読経は、どこかの上人の像みたいに、御仏の行進になるので有難がられます。


 精霊が集まって来て、ソランカチャギのデルキマスラがミブ~リ~するのでしょうが、デルカマシャンガしてラドレムソレチされるのでしょう。


 おっと失礼、仏教用語なので日本語に翻訳できません。モンゴルでは馬に関する単語や言葉が多すぎて翻訳できないのと同じで、こちらの専門用語も多すぎて翻訳できません。


 は~、観自在菩薩行深般若波羅密多時、宗教は詐欺ではありませんでした、御仏の救いの道です。


 きっとこれからも贖罪の旅が続くのでしょう、私が亡き者にした方々の菩提を弔うために読経を続けて、不老不死と言われるこの身が滅びるまで、カンシャタンのサリバリーナなイチョリテンまでレコルテリアな日々が続き、業(カルマ)が落ちて清潔な体となるまで、御仏の救いを求めてショルマリターーンでカホロキツリーンな道が開きますように。



 ヴァチカン市国


「聖使徒ワルフォロメイ、お早うございます、本日のご予定は……」


 これが現在の俺の洗礼名。十二使徒であるイエスの弟子から取ったものらしい。


 十二使徒を現すなら、ハンス・ウルリッヒ・ルーデル神から取って貰いたかった物だが、ローマ法王直々に命名したそうなので断れない。


 こちらでは枢機卿か何かを拝命して、帯剣した騎士団の護衛まで付いて、書類仕事もあるので社畜としては書類三昧。


 それ以降はチベットと同じで、悪魔を呼ばないでも死者蘇生が出来るようになったので、信者を治療して回ってキリストみたいに復活もする。


 元々目付きがイカレている信者が、治療なんかするともっとイカれた目付きになって、大金を寄付して死者蘇生なんか受けたりすると、完全に瞳孔が開いた教信者の目付きになっちゃって、もう取り返しがつかない。


 当番兵みたいな侍従も、治療呪文とか死者蘇生見ちゃってから狂った。


 元に戻すために異世界に連れて行って、レベル上げして「聖人」にジョブチェンジしてやり、この世界の機構で仕組み通りだと教えて、聖属性で治療魔法が使えるようにしてやったら、元々宗教とか信じる系のおかしな人だったので、もっとおかしくなった。


 神の使徒による正教会、みたいな名前のカルト集団を開いてしまって、教祖として男子児童にイタズラ三昧、カソリックとか韓国系の重課金システムがある教会みたいな邪教として除名。



 イエローストーンの噴火を力技で止めて来たので元々「神」。今は「神の使徒」と言う事で納得して貰っているが、ローマ法王ですら何の法力も持っていないで、織田無道と同等の人なので、冝保愛子みたいに霊能力とか持っていない。


 そんな所に異世界から「魔法?」とか使えるHENTAIが来ちゃったもんだからさあ大変。


 魔界のプリンセスで次期女王を決定するために、人間世界でホームステイして、受け入れ側のステイ先でも家族扱いで一年間修業するみたいな感じで、番組の終わりには妹役が病気になって助けに行って「まだ修行が足りないので、もう一年修業するように」女王様からお達しがあり、マハリクマハリクシャランラー。


 ノンの人のCVは、おはようスパンクと同じ人だとエンディングを見て驚愕。


 同時召喚されたレベル上げ済みの警官とか学生やら社会人も、エルフェンリート状態を脱して復学したり復職したらしい。


 でも警官と社会人大半は「特別国家公務員」の方が給料と待遇がいいので残留している。


 魔法実験は多いがパワハラ上司からのイジメが無いらしい、それだけでも人生やって行ける。


 今では街中に出現したダンジョンで魔法使って無双しているとか何とか、公務員なのでアメリカ人みたいに傭兵団を組んで大金を受け取ったりはできない模様。



「聖使徒様は、なんでも神に祝福された神具などお持ちなのだそうで?」


 寝具と言うと、スヤリス姫が求めているガサガサしない枕とか暖かい布団の事か?


 いや、この場合は背徳の指輪とか身代わりの指輪の事だろう。


「はあ、持っておりますよ、身代わりの指輪など法王様に献上しましたが?」


 暗殺の恐れがある法王には渡して置いた、でないと不要な人物とか、エリツィンみたいにボケ始めると、お茶に何か入れられて眠るように目を覚まさなかったりするので怖い。


 今は「聖使徒ワルフォロメイ派」が立ち上がってしまい、現法王様には天の居城へと移り住んで頂き、正しき神の使徒に全世界を導いて貰う計画が始まっちゃっていたので、急遽「法王様とは現世での神の代行者、救済のために遣わされた神の使徒とは役目が違うのです」と言ってトンチを効かせる事で、神闘士(ゴッドウォリアー)とか聖戦士(セイント)にも引いて貰い、ギリギリ生き残って貰っている。


「宜しければ皆さんにも差し上げましょう」


「ああっ、宜しいのですかっ」


 魔族ぶっ殺して来た時の装備品かドロップアイテムなので腹は痛まない。


「それではこの身代わりの指輪などを」


 男に指輪を手渡すので、ポーター仲間の連中に渡すぐらい気まずい。


「拝領します」


 これが顔を赤らめて「お受けします(////)」なら困るが、聖使徒からの受領品なので、騎士が受け取るみたいにしてくれた。



 ワルフォロメイ派の奴らはまだ諦めていない。その上「天に積み上げる財産」とか、この世は影の世界で、天の世界こそ本当の世界、と思い込んでいるので救いようがない。


 神より遣わされた聖使徒様が人類の頂点に立って、愚かな子羊たちを導く計画。なんか人類補完計画みたいなのが立ち上がっちゃって、キール議長なのがSOUND ONLYで、他の参加者もホログラフで世界中から集結しているそう。


 冬月先生が碇指令の代わりに犠牲に出されたり、リツコさんがほぼ全裸で引き出されたりして、何か知らないけど補完されるらしい。


 全人類のほぼ半数をぶっ殺した悪魔で、泥棒強盗の類は仕方ないとしても、知的障害からADHDまで全員始末して、ボケてしまったお爺ちゃんお婆ちゃんにも死んで貰った、悪魔の使いと言うかガチで悪魔なんすけど?


 この場所で監禁されるのが嫌で、自分で告解したり懺悔して、上にも話が通るようにしたはずが?


「全ては神の思し召しです」


「聖使途様に託された使命とは苛烈で、「審判の日」が来てからの人類救済だけではなく、悪しき者を裁いて、神の天秤によって心臓の重さを測られ、命を奪う事も求められていたのです」


 と言う話に纏まってしまった。


 世間はデスノート?によって清潔にされ、犯罪も遺伝子的に綺麗にされ、麻薬中毒から盗みや強盗コースも消え、頭悪すぎて盗み以外考えられないとか、街中で麻薬売った奴も買った奴も全員死亡。



 と言う訳で「神の試練」「審判の日」を受けた後の人類は聖別された人類で、窃盗や強盗も起こらない、女性が夜道を歩いても安全な世界が現出した神の世界で、体を売る様な売女やウリセンバーでケツを売るような男もいなくなり、偽りの心と体を持つ穢れた者達は、すぐに破邪の剣によって冥界へと連れ去られる、と言う設定になってしまった。


 パブやスポーツバーで飲んで騒いでいる程度の奴らは、労働の再生産をしているだけで、盗みや薬物には手を染めない「善き市民」と分別されている。らしい。



 エルサレム


 複数の宗教的聖地で、イスラム、キリスト教、ユダヤ教の聖地。


 当時、雨後の筍みたいに、一杯一杯預言者が現れて、神の遣いだとか神の使徒だとか、天の子とか父なる神の子とか、一杯一杯現われて下生して、下って来たのが流行だったので、カルト新興宗教大流行。


 全員で我がが我こそは神の子なりと、ピキーンとデムパ受信しちゃって、カクセイしちゃったのでさあ大変。


 あの地には酸素濃度高杉疑惑とか、人を狂わせる何かがあるらしい。


 日本も浮世絵とか歌舞伎絵とか流行り出したら「よくもこんな面白い物書きやがったな? 俺がもっと面白いもん書いてやる」となって、特殊なセカイの中で濃縮され切ったのがフランスとかに直輸出されて、陶器の緩衝材で包装紙見た連中が「なんじゃあこりゃあああっ!」となってジャボニズム。


 今の漫画もアニメも「よくもこんな面白い物書きやがったな? 俺がもっと面白いもん書いてやる」となって、特殊なセカイの中で濃縮され切ったのが、ボルテスファイブとかグレンダイザーとかマジンガーゼットになって海外に輸出されて「なんじゃあこりゃあああっ!」となって、フィリピンの子供が放送時間には姿を消して「君の名は?」のラジオ放送されている時間並みになって、堀江美都子が歌う主題歌をフィリピンの子供が日本語で歌い始めたので放送禁止。


 グレンダイザーがフランスで視聴率80%、ムーミンが母国フィンランドに凱旋帰国すると、ほぼ視聴率100%で、原作者のトーベヤンソンが経済誌の表紙になって「TOVE!」とか書かれる始末。


 普通経済誌に乗るトヨタ社長が「MORIZO(モリゾウ)」名義でニュルブルクリンク24時間とか富士24時間で優勝してレース誌の表紙になるレベルの話。


 当時は世界の中心地で、流行の最先端がエルサレムだったので、良い者も悪い物も全部集まって来た。



「イーシアラ~~、サdfjlrギjhrチギsdghrチg、frgtヒュッフオskx……」


 これは翻訳魔法がギブアップ。一日の礼拝が五回もあって、信者数万人で床に平伏して五体投地と言うかドゲザスタイルで手を前に出す。


 声の良い歌い手?がアザーンを歌い始めて、拡声器でモスクの中に響き渡る。


 たまに歌い手の肩に猫が乗ったりするがキニシナイ。トルコは猫の国で、エルサレムでも猫は禁止されていない。


 こちらでは作務はさせて貰えず、書類仕事も無い。ひたすらハイヒールからパーフェクトヒールを使って信者を治療して、サイババみたいにビブーティーは出さないが、劇場版地球へ…のエンディングみたいに黒髪の巫女が周囲の人間を治療して回るような感じ。


 ジョミーのテレパシーが強すぎて、子供達が「ぼ、僕の名はジョミーマーキスシン……」とか頭を抱えないで済む程度のテレパシーメッセージを送る。


 マザーイライザみたいに相談を受けたり、お受験や出世だけではなく、名もない工員との恋も許されて、出世せずに今の惑星に留まって、高卒の工員と結婚することも許されるかも知れない(但しイケメンに限る)。


 イスラム世界では、余りにもイケメン過ぎて宗教警察に捕らえられて「顔が良すぎるので世の女性に混乱をもたらす」と言う理由で入国禁止になるほどのイケメンが存在する。



 イスラムの教えでは女性に小学校教育以上は不要とされている。


 上位のまともな奴ならいざ知らず、出産しただけでホルモンバランスが崩れて鬼になり、旦那に向かって全ての上げ足を取って全否定開始する、基地の外に住んでるのが大多数なので教育とか無駄。


 余りにもアタマオカシイのは暴力で屈服させる以外にない、子供の教育と同じ。


 権利とか与えてしまうと浮気しまくりで、親族の同伴なしに個人で移動させたり、車の運転など許すと、男にブルカ被せて変装させて寝床に連れ込み、外国人でも異教徒ロシア人でも平気で浮気するので姦通罪も設けて、ヤったら石打の刑にしておかないと?


「イケメンのカレシの子供を産めば、ブサイクで夢も何も無い、稼ぎが悪い旦那君でもきっと喜んでくれる、子育ても任せておけばいい」


 と思い込んで、ATM奴隷とは別の子種を仕入れようとする基地害なので、浮気と托卵がバレると?


「なんで? どっちもwinwinじゃないの? あんたみたいなブッサイクで低身長でクサイ子よりイケメンの子供の方が確実にいいじゃん、学歴だってカレシの方がバツグン(学歴詐称高校ドロップアウトホスト)じゃん」


 と女脳で思うが、慰謝料が発生するのは無条件で女側じゃなくて、浮気された男の方で、托卵すると義両親にでも養育費が請求される、と判明すると、


「愛しているのは貴方だけよ~~!」


 と平気で嘘がつける生き物。イケメンと子作りして托卵して、ATM奴隷に子育てさせればいいと思い込んでいる。


 バレると「寂しかったの」「ごめんなさい」と下を向いておけば、その場限りの適当過ぎる嘘でも全てが解決すると思っているので、相手を聞かれると適当な元カレの名を出して、必殺技「レイプされた」と言い訳して自分には責任が無い設定開始。


 家族が職場に殺到して元彼を職場にいられなくする地獄に落としたり、元彼が家族に骨折れるまで、ほぼ殺人未遂までボッコボコに殴られて血塗れにされて、疑いが晴れて家族の方が堀の中に落ちることになっても平気。


 元彼がレイプ犯じゃないと判明しても「もういい」だけ言ってれば、周囲にどれだけ迷惑が掛かっても、殴られた元彼が訴えを取り下げずに、父親と兄弟達が暴行罪で逮捕されて前科者になっても平気。


「だって(愛しの)カレシ君が怒られたらダメじゃん」


 と言う意味不明の女理論で、抱き捨てしたイケメンホストか既婚者は何の制裁も受けずに守られ、ゴムに穴開けてでもホスト君か既婚男性の子供を欲しがった女さんも無罪。


 何の罪もない元彼は辞職させられて周囲からレイプ犯として認識され、友達だった奴らかも見捨てられて、長いこと名誉回復に時間が掛かって、レイプ疑惑が晴れても前科が付いちゃってるので就職不可。


 家族も数人堀の中に送られて前科が付いて就職不可、母親だけが娘の嘘に気付いて、元彼に土下座謝罪しても時既にお寿司。


 それだけの災禍を周囲に撒き散らしても平気「だってカレシ君ホスト君サイコー」らしい。



 女の自由を許さずに教育も受けさせずに、言い訳能力を鍛える学校に行かせない、イスラム教は正しかった。


 子供以下の嘘ですぐにバレる、知能が低すぎる嘘は通用させないのが一番。


 一部の悪人やレイプ犯は処分したので、大多数の馬鹿女には、ブルカ被せて暴力で屈服させておかないと、恋愛脳とか女脳やら浮気脳で正常な男性の脳が破壊される。


 余りにもアタマオアカシイ奴は処分したので、遺伝的にキレイなセカイが出現した。


 これで修正されなかったら、もう一段厳しくして死んで貰う。


 それでもおしゃれしたり「コスプレはオシャレじゃない」と言って、アニメキャラの髪色の飾りを付けたりつけ毛をする、明らかに髪の毛だが人間の色じゃないのでコスプレ、と言う強引過ぎる髪飾りが流行っている模様。


 いずれ宗教警察に一斉検挙される。



「聖天使エル・ジブリル、本日も信者たちの治療を行って頂きます」


 目付きがおかしすぎる侍従にも天の使いとして扱われ、アルとかエルの定冠詞まで付いて、アラブの男性名ジブリールとか天使ジブリルと呼ばれている。大体こっちの奴らもアタマオカシイ。


 アラビアでも十億人程度殺しまくって、モロ悪魔なのだが、こっちでも?


「天使様は「審判の日」を行いにやって来られた。穢れた者は全て地獄へと落ち、心正しき者だけが大アラビアと言う天国に召されて、約束の大地を踏みしめることが許されたのだ」


 と言う解釈が公式設定。砂漠の惑星は「天国」で「約束された大地」で、エルフの長老連中みたいに「救世の新天地(エデン)」。


 コイツラだけが神に赦されて、癒されて新天地へと旅立つことができる設定。


 更にアタマオカシイ、ヒズボラでパレスチナ人でも、子供まで国連職員に投石して、学校帰りには「イスラエル軍に投石しに行こうぜっ!」と誘い合って、逃げた奴らは裏切者。


 ソイツラには入って欲しくなかったのだが、心は善人で、自爆以外の悪いことはしないのでゲートを超えられた。


 向こうにも「エルサレム」が作られて、イスラム寺院も建設中。


 成層圏まで雲や噴煙で囲んだので、以前の強烈な暑さは無くなり、極地では寒いぐらいの天候になった。


 砂漠にも雨が降り始めて、一メートルぐらいあるサソリも大半退治された。


 向こうでの小麦の生産量も、五千年前のアラブ位涼しいので、収量も多い模様。


 こっちはまだカーギル様とかモンサントに支配され切ってないので、ターミネーター遺伝子は来ていない。


 もし入れ込んで来たら「徳川の麦は枯れよ、オンキリキリバサラハ~~~」と魔界転生してやる。



「「「「「「「「「「聖天使エル・ジブリル」」」」」」」」」」


 こっちでも油が抜けきった様な顔して治療開始、「世界の料理ショー」みたいな、陰の声の相方と一緒に軽妙なトークなどしながら治療。


 ちょっと布でも掛けて、取り外したら車いすの方が消えているマジックなども入れて、いかにも「詐欺ってますよ」と言わんばかりの興行。


 ちょっと患者が猫に入れ代わっているお笑いトークも入れて、最後の所で元の患者が出現して拍手喝采。


 聖庁からは止めて欲しいと言われているが、こうしないと「神の癒し手」に触れようとして、群衆が前進して来て止められないので将棋倒し。


 復活させるのに手間が掛かったり、メッカと一緒で「巡礼中に亡くなった者は天国に迎えられる」ので、一向一揆衆と一緒で死ぬことは一切恐れていない。



「ふう……」


 本日も朝の興行を終えて、一流のマジシャンみたいな顔して休憩。


 また目付きがおかしい客が来て、治療の礼を言って帰る。


 これが水木一郎先生なら、ライブで客をMCで煽ったりしてやると、当時でも50超えのオッサン達が熱狂して、泣いて叫んで「ブイブイブイ、ビクトリー!」と一緒にやって、ワーワー泣いて、後日丁寧な礼状がやって来るそう。


 曰く「生きるための力を頂きました」疑問に思って後述を見ると、子供を亡くしたとか会社を潰して知人に迷惑をかけたとか病気で余命宣告を受けたとか、個人の事情が書いてあり「水木先生の歌声を最後にあの世に旅立つつもりでしたが」とか思わず「オイオイオイ」と突っ込んで、「それでも水木先生の力強い歌声を聞いている内に、ハートに炎が再び点火しており、生きて行くための力、再び立ち上がって歩いて行ける力を頂戴しました」と書いてあって、ご本人も「歌手冥利に尽きる」と仰っておられた。


 再放送のアニメ本編やトクサツを見ても、余りにも子供騙し過ぎる脚本で、子役の芝居がヘッタクソ過ぎて5分と見ていられないが、水木先生の歌声だけは本物で、汚らしいハゲ散らかしたオッサンでも熱狂。


 それも他の歌手の方のように、当時通り歌って頂いたり、更にお上手になって「こんな歌が上手い人がいるのか」と驚かされても、熱すぎるライブを見せられて、泣いて熱狂して再び生きて行く力を与えられることなど無い。


 24時間ライブなどを行っても「ご自愛ください」と礼状が来たりして「俺はまだジジイじゃねえ」と言っておられたが、ついに先日お亡くなりに。


 そんな水木先生でも、テレビでは雑な扱いを受けた。


 感動のアニメベストテン、的な番組が各局ゴールデンで続いていたが、ある日水木先生が呼ばれ「いつもはどうやってられるんですか?」と聞かれて仕方なく「ゼーートッ!」と名調子の一部分だけ切り取られて、SEで笑い声を挟まれて編集されて放送。


 司会の奴も、したり顔で「そんな番組と違いますから」でオチを付けたつもりで出演終了。


 当然視聴者やファンの怒りを買って苦情続出、各局沢山あった感動のアニメ二時間スペシャルで、最後にはパトラッシュと共に天に上って行く所で芸能人のワイプが入って、泣いているアイドルとか映されて番組が成立していたはずが、以後全部消え失せて一切放送されなくなった。


 株式会社ゲルショッカー(実在)とか中年ライダー隊とか各種秘密結社から司会者に処刑宣告が出されて、どっかのマーシーと一緒で、宮内洋さん(神)が怪傑ズバットの扮装で出てくれた時みたいに「あ、今口笛なりませんでしたねっ」と言った時と一緒で番組が凍り付き、処刑宣告が出た後は、極上の麻薬を渡されて二度と解脱できなかったのと同じように、それを言った芸能人司会者にも処刑宣告が下された。


 その人物は今田耕〇と言う。今頃薬物汚染されまくっていて、二度と解脱できない体にされて、警察からも監視されている。山口組田岡組長の棺桶を担いだという吉本でなければ即タイホ。



 行きつけのフィギア店の店長から助命嘆願など出されたようだが、水木先生も宮内洋さんと同じく「神」なので、失礼な態度は決して許されない。

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