第2話 ウェ~~~~~~~~~~~~イッ!!

 細菌研究所


「「「「「「「「「「ウェ~~~~~~~~~~~~イッ!!!」」」」」」」」」」


 まずは戦勝?を祝ってエールで乾杯。仕事場で飲んじゃ駄目とか固い事言わないで、今日は研究医まで飲んで騒いで机の上で踊って、肩組んで歌って大勝利を祝う。


「魔族ども死にやがった、一杯死にやがったっ!」


「あんなに頑強な奴らが、天然痘撒いてやって、コレラと赤痢も撒いてやったら、あんなに簡単に死ぬんだっ!」


 研究医までオイオイ泣いて、今までどれだけ悲惨な目に遭わされたのか? 勇者賢者役は貴族の見栄えが良い子弟に取られてパレードされたけど、研究所全員レベル上がりまくりで、散布役に病原菌回収の奴隷までレベル上げ上げ。


『オオオオッ、ウオアアアアッ!』


 近くの地下牢では魔族が拘束されたまま、天然痘ウィルス飲まされたり、赤痢菌やコレラ菌までご馳走になってオナカイッパイ、それはそれは壮絶な叫び声上げていて、魔族の子供にまでモルモット業務させて、全身から天然痘の痘瘡出して、青い肌が真っ赤っかになるまで放置。


「痛いか? 苦しいか? もっと苦しめ、俺の子はもっと苦しい目に遭わされて死んだ。口とケツから内臓吐くまでやってやるっ」


 魔族語で多分「殺さないで、そんな恐ろしい病原菌塗らないで」とかホザいているようだが、研究医の恨みが強すぎて、やっぱり中国韓国にある蝋人形館みたいに、悪魔の表情した日本人医師が、ハラワタ引き摺り出してやってゲラゲラ笑うような悪魔の所業。


 仁先生の所みたいに「効能有りっ!」と叫んで、抗生物質ができてテーマソング鳴ったり、エンディングの歌唱が始まったりする感動の場面じゃなくて、どの病原菌がどの種族の魔族に効くのか? ゴブリンに皮膚病塗ってオークに口蹄疫感染させてコカトリスにも鳥インフルエンザ飲ませて殺しまくり。


 え? 回収員も研究医もレベル上がりまくったから、コカトリス程度瞬殺で、石化なんか耐性強すぎて喰らわないし、ちょっとデカイニワトリ扱いで、腹パン一発入れてやったらゲロ吐かせて悶絶させられる。


 大体「もう神様が見えない」「絶対に地獄落ちだな」「天国にいる家族とはもう逢えない」連中で一杯だが、ゴキブリとかモルモットとかマウス相手に実験している気分なので、少々魔族が大きくても子供が泣いていても、ゲ-ト開いた所から聖国付近まで蹂躙され尽くしているので、復讐のためなら何でもやると誓った連中。


 親の仇なのか子供の仇なのか、求人にも即応募して来て無給でも構わないと泣いた連中で、守秘義務の為ならここから出ないでもいいと言い、復讐できるなら地獄に落とされても構わないと言い切った奴らなので、今日は号泣して戦勝記念。


 息子の遺影でも出して報告しているのやら、上向いて天国の妻に報告しているのや、親兄弟の仇を取ってオイオイ泣き続けているのが多数。


 どいつもこいつも亡国の連中で、崩壊させられた王国の子孫だったり、元貴族とかお家再興を狙っている連中もいて、寝ないで阿片食って研究してた奴らなので、今日は満足して寝ているのもいる。


 グーグー言ってるけど脳出血じゃないだろうな?



 掃除と洗濯と飯焚きのオバハンまで泣いて喜んでる。


 基本ここは着替えない洗濯しない飯も碌に食わない連中なので、周囲で管理してやらないとガリガリに痩せて臭いことになるので、オカンが叩いて着替えさせて汚い万年床のシーツ替えて、風呂に行くのが面倒なら濡らした布で体を拭かせる。


「先生っ、飲んでくれっ! 今日は親兄弟に良い報告ができたっ、あんたのお陰だっ、魔族どもを沢山始末できたっ」


 ちなみに先生と言うのは俺の事らしい、学歴で言うとこいつらの方が明らかに上で、地位とか身分も今では平民だとしても、亡国では元貴族とか王族の連中なのだが、涙でヌレヌレでオイオイ泣いている連中と肩組んで、亡国の国歌とか歌ってる。


「さあ行こう新たな戦場へ~~、我らサイケラス王国~、仲間と共に戦うぞ~~、オオオオオッ!(号泣)」


「あんたが救世主だっ、勇者だっ、英雄だっ! うわああああっ!」


 ガンジーですら助走付けて殴りかかって来るレベルで、マザーテレサでも決して許さないで、後ろから刃物で刺して来るレベルの悪行をやらかしたが、こいつらには感謝されている。


 敵国で隣国に至っては、牛痘受けてないので普通の人間が多数殺されて、コレラや赤痢菌までは撒かなかったが、天然痘が蔓延して死亡者多数。


 尚、敵国の奴らはこちらが牛痘施してあるのは知らない。


 国家秘匿事項だったとは言え、魔族に病原菌を撒くのも通告していないし、スラム貧民街だけでなく敵国内は平民街も貴族街も王族まで死体塗れ。


 誰がやったのか報告して、魔族を殺したのは我々聖国なんだと宣言すると、牛痘の秘密漏らしてた国は大喜びでも、敵国からは即座に手袋投げられて決闘の申し込みされて宣戦布告もされて、向こうでは兵員集めて不倶戴天の敵を殺しに来る。


 家族兄弟親に子供に孫曾孫を殺された連中が、目の色変えて仇を取りに来る。


 災害後のように「生き残ってしまった」奴らが、息子や娘や孫と同じ所に行こうとしていて、今後生き残る事なんか考えていない死兵がやって来る。



 サンドウィッチマンの同級生で、奥さんの遺体はどこかで流されてたのが見つかったそうだが、子供の遺体がどうしても見つからなくて、自分で長靴履いて細い棒持って地面突いて探しまくり、執念で見付けたそうだが、葬儀を済ませて家が片付くとすぐに自殺して奥さんと子供の所に行ったそう。


 遺伝子検査している職員も、別の死体だけど遺伝的関連を認めてやって、子供を探すのを止めさせたのかも知らないが、子供を見付けるまでの命だったのか、温情で死なせてしまった。


 ちなみにサンドウィッチマンの出ている東北の観光広告は、見る人が見たらすぐに分かるそうで、ガイジンさんが見たら「なぜ日本ではゲイカップルの広告がある?」と聞かれて、コメディアンの二人でゲイじゃないと言っても「俺には分かる」と否定されてしまったそうだ。


 まあM-1で優勝する前は、ボロアパートで同居して一緒に暮らしていたそうなので、さもありなんという意見もある。



 今回この型の天然痘に耐性がある奴らが生き残ったが、第二波第三波も撒いて次はペストだ。


 欧州であらゆる者を殺して、三分の二の人類を殺し尽くし、黒死病とまで恐れられたぺスト。


 こちら側にも予防手段はないが、殺鼠剤撒き散らしてネズミの駆除、ノミも存在できないぐらいに殺して、野犬や野良ネコも可愛そうだが死んでおいてもらう。


 猫写真と映像の岩田さんごめんなさい、俺はもうネコと和解できない。


 道路に大小便撒くのも禁止、下水道設置してネズミは住まわせない。赤痢コレラ予防に大便がショートサーキットして井戸水に混入するのも禁止。


 当時の人類でも、死体の処理をする代わりに、生き残れば奴隷から解放してやるという約束の元、百人に一人は感染せず生き残り、以後のルネッサンスの世界に自由の身として出帆して行ったそう。


 ペスト撒く前には、全員馬とオトモダチになってもらい、ノミが近付かないようになっていて欲しい。



 誰かが自分達は高レベルになったと上に御注進したのか、今までは研究医だった連中も最前線送りにされても、辞令貰ったら今回は直接復讐する為に「俺、今度は自分の手で魔族どもを殺しに行くんだ」と笑顔のまま泣いて進んで行ってしまった。


 残る連中で「無茶しやがって」とか「帽振れ」で送り出したしたが、仇取って家が片付いたのか、死んで家族の所に行くことにしたようだ。


 研究医全員レベル千以上の化け物で、敵に致命的な発見をした奴はレベル一千万のもいるから、レベル60程度の一般兵士なんぞ雑魚も雑魚。


 俺もレベル五千万とか有り得ない数値なので、例え二十八部衆でも四天王でも勝つる。


 最前線行きを求められたけど、一応研究所に残ると断った。でも平民だけで構成されてる第三騎士団、王都内を警備する「騎士団長」を命じられた。


 多分、会社を売る会社みたいに、騎士団ごと僻地に飛ばされて、その場で最前線送りで死なされるんだろう。



 飲んで騒いで暴れて、翌日以降はペスト菌散布とか十種混合ウィルス撒く準備をしてきたが、その前に敵国が兵員集めて出兵して来た。


「先生、国境付近に敵兵が侵攻しております」


「国境沿いの各砦は落とされ、最前線から騎士や兵を呼び戻すのは間に合いません」


 一応先生扱いで責任者なのだが、俺の上に貴族の責任者で研究所の所長がいる。


 病原菌の事は何も分からないおじいちゃんだが、今回の手柄はそいつの物になって昇進昇爵。


「早いな」


 普通兵を集めるだけでも一か月はかかるのに、家族の復讐戦だから士気が高すぎて一瞬で集結。


 オッサンやらジジイやら、前線には送れないぐらい弱っている奴まで志願兵。


 隣国なので通過経路にある都市や村は虐殺を食らった。いつも通り年寄りと男は引き摺り出されるか家の中で殺されてから放り出され、若い女は全員レイプされて思い知らされ、抱くに値しないクソババアは鏖。


 最後は村や都市を全部焼いて移動、この細菌研究所がある腐った村にも、二万人ほどの復讐の鬼が到着した。


 聖国王都への通路上にあったらしく、先頭の奴らが通告してきたので、この村にも地獄が到来。


 戦争経験がない所員は逃がして置いて、俺だけで敵国兵士をお出迎え。


 まあ、絶対防御呪文があるレベル五千万なので、弓も槍も剣も魔法も効かないから、余程特殊攻撃食らわない限りは楽勝。


 キリガサイトくんみたいに七万人相手しないで良いし、オッパイハーフエルフも助けてくれないから全員ぶっ殺してこよう。



「何者かっ? 我らは懲罰部隊であるっ、無辜の市民に対して病原菌を撒くなど悪魔の所業っ、この施設全員に亡くなった者達の無念を思い知らせてやるっ!」


 うん、敵国兵士の目標ここだった。今から研究員全員、飯焚きのオバチャンに至るまで無残に殺される模様。


「え~と、魔国内にしか撒いてないし、ウチの国でも予防接種受けなかった連中は一杯死んだ。それと俺ら魔族殺し過ぎて全員レベル千とか一千万で、俺もレベル五千万ほどあるんですけど?」


 面接で馬鹿にされて「いいんですか?イオナズンの呪文唱えますよ」程度の馬鹿話。向こうも「やれるもんならやってみろ」と言ってる。


「ふざけるなっ、レベル100超えてる超越者がいる訳ないだろうがっ」


「じゃあ済みませんねえ」


 奴らの立っている場所に暗黒魔法で「沼」を出してやった。


「何だっ?」


「あああああっ!」


 それも俺に地獄に落とされた魔族やら、お前らのご家族が仲間に引き入れようと必死に腕を伸ばして、敵国兵士を馬ごと沼に引きずり込もうとしている。


 先触れに来た百人ほどの兵士も沼に引き入れられて、後続の本隊の方もドボンドボン沼に落とされて、黒い沼が見えないようにされてるのか、まるで操られるように飛び込んで、落ちて黒い腕に捕まれてから正気に戻って悲鳴を上げる。


『身体を寄越せ~~』


「うわあああっ!」


『生きた脳みそ~~』


「助けてえええっ!」


 沼の中の連中も「柄杓(ひしゃく)貸せ~~」的な事言って、ゾンビみたいに纏わり付いて、バタリアンみたいに生きた脳みそが必要らしい。


 貴族も平民も騎馬武者も徒(かち)武者も、等しく沼に嵌められて地獄行き。


 まあ、家族殺されたからって、経路の村や町を皆殺しにして、火を放って焼き尽くしていい理由にはならない。


「そこで死んでくれ、俺が作った地獄へようこそ」


 こんな狭い研究所村に二万人も入れるかよ、それだけ恨んでいてここが最終目標地点で、細菌研究所も全員ぶっ殺す予定だったんだよなあ?


 殺されてやれなくてごめんよ、ここの研究員も魔族絶対殺すマンだから、それが終わったら自殺してでも家族に会いに地獄に行く、それまで待っていてくれ。


 もう天国にいる家族とは会えないが、お前らもそうだろう。


「ファイアボールッ!」


「アイスランスッ!」


 沼の中からチンケな低レベル魔法放ってきたり、弓矢だとか槍だとか、かすりもしないで防御呪文で簡単に消される攻撃を続けて泣き叫んでいる奴ら。


「恨みを果たさせてやれないで悪いなあ、そこで死んでくれ」


 おや? 教会まで行って、避難民一杯で年寄りや女子供が怯えてるの見たら後ろ向いて、殺しに来た奴らに剣向けて、住民守ろうとした奴もいるのか? お前らは帰って良い。



 順調に死んで行って貰って地獄行き、中でも恨みや呪いが強かったのか、ジジイが沼の中でバタバタしていてなかなか沈まない。


「許さん、許さんぞ、必ず呪い殺してやるっ、地獄から呪ってやるっ」


 こいつら全員率いて来た将軍か誰か、文字通り血涙流して物凄い表情で睨んできて、飾り一杯で綺麗な衣装着せられてるのも仲良く地獄行き。


 多分、可愛い孫か曾孫を殺されて、老骨に鞭打ってここまで来たんだろう。もう隠居してたのに悪いなあ。


「地獄に落ちる自覚はあったか? 俺も魔族やらスラムの住人殺しまくったから、エルダーリッチってのになったようでなあ、どうも不老不死なんだと。俺はこの地獄に召喚されて来たみたいでな、この腐り果てた世界で永遠に苦しみ続けるようだ」


「苦しめ、もっと苦しめえっ! 我が孫を、あれだけ可愛く育った孫を、許さんっ、絶対に許さんっ! 地獄に堕ちろおおっ!」


 やかましいので早めに沼に漬かって貰った。地獄行きでアイテムボックス的な物に入って貰ったので、今後は喚かないようにデュラハンか何かになって貰おう。


 それから半日ほどかけて、鬼みたいな顔して復讐に来た連中は全員地獄に行って貰った。


 敵国の兵団を倒した、経験値が二億五千万入った、三千万ゴールドが入った。


 兵士全員が持っている小銭や給料、武装に鎧に鎖かたびら、兵団が持っていた金庫の中身全部イタダキ女子。


 こっちの国で換金できるかな? 武具は冒険者ギルドにでも売りに行こう。



 口止めしていなかったので、また誰かが御注進してしまったのか、研究所副所長最強伝説が産まれてしまった。


 まあ二万人の兵団を、剣も使わず全員沼に嵌めて殺してしまったので、聖国側でもイミワカンナイ状態で、今回も誰が手柄を取るのか争奪戦らしい。


 召喚した奴の手柄なので、三十路越えのビバンダム君みたいなババア姫の手柄になるらしいが、俺の所には一銭も入って来なかった。


 その上、細菌研究所は最初から自分の所有物なんだとかホザき始める奴までいて、敵国兵士が持っていた武具やら金を「供出せよ」とかホザき始めた。


 無償で提供せよと言う、無謀と言うか馬鹿丸出しと言うか、叙爵も出世もさせず給料も碌に出さず、無償で供出させようと目論んでいる馬鹿の言い分。


 姫やら国家推奨事業なので、魔族を殺すための研究にはいくらでも予算が出るが、給料は安い。


 二万人の軍隊瞬殺した奴が、対魔族同盟で数万人最前線に送ってて、残り貴族の三男四男の腰掛け騎士団と年寄り集めて一万人以下しか動員できない国、全員皆殺しに出来る立場だと分かってないのか?


「聖国でも、誰が敵兵を止めたのか分かってないようです。たった一人が殺せるはずが無いんだと、怒り狂って報告を握り潰す奴ばかりで、何処かから湧いた馬鹿が「俺達がやった」と言い張って、叙事詩の如き働きをした兵団がいたんだとか、我こそはその豪傑なんだと散々手柄話を捏造してピーチクパーチク手柄の争奪戦やってます」


「ほお、馬鹿丸出しだなあ」


 まずはどこの所属なのかも分からない衛兵が十人ほどやって来て、出頭命令だと言って、囚人服とか魔封じの首輪だか持って護送の準備してきやがった。


「告っ、細菌研究所所員っ、回収した敵兵士の武装、資金、全て持って聖国王宮に出頭せよっ、これは宰相様の決定によるものっ、直ちに実行せよっ!」


「ふははははっ、今日からこの研究所は我らが接収するっ、今すぐ引き渡せっ」


「馬鹿か? 脳みそ腐ってんのか? そんな言い分聞くわけないだろうがよ」


 前任者のお爺さん貴族は、欲が無かったのか汚れ役を引き受けて、誰も手柄上げるなんて思ってなくて、細菌研究所みたいな神の教えに反する場所とまで言われていても、魔族一杯死んで栄転したのか引退したのか、欲の塊みたいなクソジジイが交代でやって来た。


「研究も忙しいが、次のウィルス撒くのに準備が大変なんだ、主要メンバー外して王宮とか送れるかよっ、お前らみたいに宮廷闘争だけやってる暇人じゃないんだ」


 ケツアゴの厳めし顔した兵士が、もっと怒って真っ赤になってこう言った。


「引っ立て~~~いっ!」


 そんな事が可能なんだと思い込んでる馬鹿共が、俺を取り囲もうとしたので沼に嵌って貰った。


「ああああっ?」


『身体を寄越せ~~~』


『生きた脳みそ~~~』


 馬と馬車ごと引き込まれて「そんな奴はこの世に存在しなかった」事になった。


 所員に見られたが、わざわざ上に御注進する、聖国に再忠誠を誓った奴以外は見なかったことにしてくれた。


「たっ、助けろっ、引き込まれるっ!」


「悪いなあ、この沼ってのは、俺が危機に陥ったときに自動的に発動するんだ。例え百万人来ても一緒だからな、上に報告しといてくれ」


 今回も所員の中に上に御注進するおべっか野郎はいるので、そう報告しといてもらおう。


「ホムンクルス作成。さて、こいつらの脳の中身、記憶全部吸い出してくれ」


「畏まりましたっ」


 沼に嵌めた奴らのコピーロボットを作って脳内もコピー、外見もコピー、ホムンクルスは酒も飲まないし痛み止めの阿片も必要ない。


 錬金レベルとかもとっくの昔にレベル100超え、空中魔素固定装置でもホムンクルスでも楽勝で製作。


 周囲の人間は、真面目でよく働いて悪態も付かないで、嫌がらせも揚げ足取りもしてこない人物を見ておかしいと思うだろうが、善良になって下の者にも気を遣う優しい人物に変貌するので、家でDVしまくりの脳筋クズ親父よりは尊敬されるだろう。



「「「「「「「「「私達は社会の歯車です、夜明けから夕暮れまで働きます(約12時間労働)、週六日働いて安息日には休みます」」」」」」」」」


「うむ、結構」


 アタマオカシイクソ貴族も、奴隷用ホムンクルスになって貰って、元の奴は地獄の沼の中。


 各地のクソ貴族が二万人の敵兵防いだのも、病原菌撒いて殺したのも全部自分の手柄なんだと言い張って、次に百人連れて来たが沼に嵌って貰って、その次にも百人来たが全員沼に嵌って貰った。


 全員ホムンクルスで人間モドキに変貌して貰ったので、さすがにおかしいとは思ったようだが、俺達を連れて帰らなかったのも、武具を無償提供させるのにも、細菌研究所を接収できなかったのも、失敗したのを悟ったのかそれ以降来なくなった。


 適当な嘘ついて細菌研究所ごと自分の物にしようとしたのか「宰相からの命令」は出ていなかったようで偽造書類は無効。沢山の死人は出たが、代替えのホムンクルスを出したので罪にも問われなかった。


 犯罪行為の数々を御注進したおべっか野郎は沢山いたが「本人が帰って来ておる」ので誰も気にしなかった。


 クソ貴族達も脳筋衛兵も、善良な市民になって貰って、家族を大事にする人物になったので、ご家族に大好評らしい。



「俺は許さないぞっ、お前が衛兵達を黒い沼に嵌めたのは見たっ、俺が次の研究所副所長だっ!」


「あっそう、こんな誰もいない所で俺に声かけるとか度胸あるなあ? 殺されると思わなかったのか?」


「えっ?」


 自分は特別な存在だと思ったのか、沼に嵌められないんだと思い込んでいた奴も入り沼。


「ぎゃああああああああっ!」


『体と脳を寄越せ~~』


 おべっかゴマすり野郎も沼で踊って貰って、苦しんで苦しんで苦しんでから地獄に落ちて貰った。


 今も奴ら(複数)は沼の中で永劫系の呪い喰らって生きている。俺を殺そうとしたんだから、どれだけ苦しくても死なせてやらない。



 本人でホムンクルスがいるので俺を罪に問う手段も無かったのか、聖国全員皆殺しの目に遭うと悟ったのか、以降は何も言って来なくなった。


 それから「武具金銭馬具の無償提供」だとか「この研究所は私の物だ」とか、馬鹿な事は言い出さなくなった模様。


 どうにかして俺を殺そうと、暗殺団だとか貴族連中が毒殺なんかも画策していたようだが、どれだけ強力な暗殺団でも全員沼の中。


 最初から存在しない奴らなので、何千人死んでも存在しない者は存在しない。


 毒耐性が強すぎて暗殺も無理なので、周囲の人間を誘拐しようとしたが、そっちも無理だったので都合数千人が行方不明、沼の餌食になった。


 ハゲデブチビの宰相だか三十路ビバンダム姫か、誰の仕業だか知らないが、聖国と俺の関係は最悪になった。



 自宅宿舎


 前の所長、お爺さん貴族から屋敷を下賜して貰って、監視用の従業員メイドまで付けて貰った。


 これだけの褒美がポンと出るという事は、お爺さん貴族はもっと貰っているはずだ。


 おじいちゃんフガフガ言ってたけど、何言ってたのかは分からない。


 とある朝、来客だと起こされて表に出てみると、教会の司祭か司教、高級な制服着てる奴がいて、まず聖水ぶっ掛けられた。


「お前は神に反する存在っ! アレカマシテソレクロガシナっ!!」


 もう後は興奮して何言ってるのか分からないで、杖持って殴りかかって来る系統のジジイだったので、ガンガン殴りかかってきたが絶対防御呪文で無傷。


 そうしたら周囲の村人とか物売りのおばさんの振りしていた奴らが、転がるように出て来てジジイの司祭だか誰かを取り押さえて連れて行った。


 まるでメガゾーン23で盗んだバイク取り押さえに来た連中か、進撃の巨人でアニが変身しないうちに取り押さえに来た連中ぐらい一杯出て来て取り押さえた。


 俺に対しても警護が付いていて、周辺国とか敵国とか魔族が碌でもない事して、俺と聖国が戦争にならないように止めてくれてるらしい。


 結局、「司祭個人の犯行」「エルダーリッチなど存在してはいけない者で、暗黒魔法使いは聖国内に存在してはならない」と言い出した鑑定眼持ちが、個人の権利で家に来て聖水ぶっ掛けたそうだ。


 もちろん聖国は関係していないし、国家は無関係で魔族でもないらしい。


 その事件は、全部なかった事に書き換えられた。


 細菌研究所副所長襲撃事件の報告書を出そうとしても、次世代の所長が「そんな物はなかった、無かったんだギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!」と泣き叫び、上からの命令でなかったことにされたようだ。


 当然、当人の司祭も「そんな人最初から存在しませんでした」と言う訳で、所在も何も調べられないようにされて、名誉殺人で教会からもぶっ殺されて、親戚も存在しない事になったらしい。


 尚、聖国教会からの謝罪は受け取っていない、後で全員ぶっ殺して置こう。

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