第7話 黒い思い出
「トウマさん 今日はたくさん食べますね~」
「ニカイドウはあまり食べないでね 全部出しちゃうかもしれないから」
「うわー今日実験か何かですか?」
「まあそんな所 若干死の危険もあるけど・・・」
「ルールと覚悟ですよね?」
「そう 今回は私たちも危なくなったらすぐに中断するから死なないよ・・・たぶんね」
「あーやだやだ お肉とってこよ」
「ほどほどにね~」
施設に入ってから半年が経ち何人も死んでいき入ってくる様子にすっかりニカイドウは慣れてしまっていた。
同時に自分の命は大事だが、ルールを守り動く事で生きてきた事で余裕は未だにないものの危険物との接し方が分かってきた。
「人生最後の肉になりませんように・・・っと」
「あはは 未だに大げさだね でも死なないためにはそういうのも大事」
「はー いい加減平職員辞めて―」
「無理無理 外から適当に来た人が昇格なんて滅多にないよ」
「やだやだ」
「借金早く返して金を作ったら出てくことをお勧めするよ」
「そのつもりです」
「ははは 後借金はいくら?」
「たくさんですね たーくさん」
「そっかー私の貯蓄で余裕に返せるけどあーげない」
「知ってますよーだ あ・・・ってかトウマさんってお金何に使うんで?」
「うーん最初の頃は村のために・・・とか思って貯めてたけど誰もいない事が判明してから休みの日に散財しまくりだよ」
「散財・・・羨ましい・・・」
「私こう見えて別荘、車、不動産とかお金持ちが持ってるもの色々持ってるんだよ?」
「かー・・・いいなぁ」
「ははは まあ村全員消えた代償だよ 明るく行こうねー」
(ワラエネー・・・)
「まあいいや 片付けて行こうか」
「はい」
今日も仕事が始まると思いながら気を引き締めていつも通り行く2人だった。
「今日はねー私の村を全部壊して全部殺したSCPと喋ってもらうだけだよ」
「喋る?」
「そ 後でリストを渡すからそれを質問するだけ 書くとか記録は全部こっち」
「うーん中々手ごわそうな相手だなぁ」
「危険だよ~ ま やばくなったら助けるから」
「はい じゃあ仕事モードになりますかね」
「真面目くん頑張ってくれたまえ~」
「はい じゃあ行きましょうか」
「うん 後少しだよ」
ツカツカと廊下を歩き部屋にたどり着く。
「来たかトウマくん 君が今回の被験者かな?」
「その通りです 早速ですが、今回の内容を確認させていただいても?」
「よろしい えー・・・ニカイドウくんだったかな?君は質問をするだけだ 相手は箱の中にいるSCP それだけだ」
「何を気を付ければ?」
「気を強く持て そうとしか言えない 今回の仕事は大変危険だ気を付けてくれ」
「・・・分かりました 質問リストをください」
「素直でいい被験者だ トウマくん君がいつでも止めていいからね」
「「ありがとうございます」」
「ではいつも通りの服を着てくれ」
部屋の奥にロッカーから服を取り出しテキパキと着ていく。
毎回着ているものの拳銃程度であれば衝撃が来る程度で収まるため並大抵の攻撃では死ねないようになっている。
このスーツのせいでもがき苦しむ職員もいるようで曰くつきな点が毎回頭に引っかかるが気にせず着ていく。
「着替え終わりました」
「よし 始めるか・・・おっと1つ言っておこう この実験で生き残った者は6人中1人だ」
「・・・実験開始をお願いします」
「頑張ってねニカイドウ」
二重の扉を順々に開け実験が始まった。
SCP-058実験
被験者:職員(ニカイドウ)
日時:2024/2/16 11:28:36
●REC
ニカイドウ「実験開始」こちらにハンドサインと声で実験開始を伝える
ニカイドウ「あなたの名前を教えてください」
058「私に迫る肉体はどこへ行くのか知っている老人たちは溶岩と共に暴力的な湖へ消化したが道を辿るには十分たる肉片」
ニカイドウ「・・・あなたの名前を教えてください」
058「かの惑星を滝が昇り紫煙を開く眼鏡達は消えた彼方へ行く緋想漂う肉体を消滅させるには涙」
ここから3分間同じ質問を繰り返すが返答は意味の分からない言葉の羅列であった。
カチカチッとスピーカーから音が鳴りニカイドウに次の質問を促す。
ニカイドウ「貴方は何者ですか?」
058「関係者の婦人達は果物と共に阿修羅へ見開き鏡を流し全治に向け姿勢を正す
ここから3分間同じ質問を繰り返すが返答は意味の分からない言葉の羅列であった。
カチカチッとスピーカーから音が鳴りニカイドウに次の質問を促す。
」
ニカイドウ「続行します」
058「夢見た銀と眼鏡は落下し査定を食事し選考が虹になり蟹と恐竜は踊る」
今までのテストではありえないこちらを理解している素振りを見せるSCP058
ニカイドウ「貴方は何者ですか?」
058「紙にあり全を要求する果実達は目を離れ危険な瓶を溶解し統治する」
ここから3分間同じ質問を繰り返すが返答は意味の分からない言葉の羅列であった。
カチカチッとスピーカーから音が鳴りニカイドウに次の質問を促す。
058「貴方はどこから来たのですか?」
ニカイドウ「・・・貴方はどこから来たのですか?」
058は再度意味の無い言葉を繰り返し3分が経過した。
ニカイドウ「私では無い鼓動音が聞こえます」
実験開始から15分経過
ニカイドウ「あ、貴方は・・・何がす、好きです・・・か?」
058「喫煙であり双眼鏡を覗く看板は夜と昼に木材とあばら屋で感動する」
ニカイドウ「あぁ・・・あぁ・・・」
ニカイドウに明らかな異常が見られる。
発音異常、動悸、焦点が合っていないなど疲弊する様子が見られる。
ニカイドウ「あな、あなた あたは にが きで か?」
058「眼鏡の裏にある 貴方は何が好きですか? 書籍は轟雷に消え楽器は嘆き寄生される中苦虫と共にあれ」
ニカイドウ「あああああああああああああああ」
ニカイドウに異常発見
天井を見ながら箱を開けようと叫んでいる。
実験中止
被験者:職員(ニカイドウ)
状態:実験終了後鎮静剤を打つものの狂乱状態 徐々に落ち着いていき1日経過した後3日気を失うも生存確認 後遺症などは見られない
SCP-058:人間を観察、周囲を把握する行動が今回見られた当分の間は実験などは取りやめ、24時間体制で記録を行い異常があった場合即時対応
一週間後
「トウマさん おはようございます」
「お ニカイドウ体調戻ったみたいだね!」
「いやーキツかったー喉がガラガラ・・・」
「ははは それで済んだら御の字だよ」
「もう特に何もないです 実験の途中で記憶飛んでますし起きたらあんなんでビビりましたよ」
「まあ良かったね 大変だったよー運ぶの」
「まあ飯いきましょうか」
「そうだね 今日はsafeの清掃だからまだ安全だよ」
「まあ気を引き締めていきますかね」
2人は何も無くいつも通りに仕事に向かうのだった。
「それにしてもトウマさん よく自分の仇を冷静に見れますよね」
「まあね もう慣れた」
「ふふ」
「へへへ まあいいでしょ 今日もがんばろー」
「おー」
何も起きない事を願いながら仕事に行くニカイドウの成長を感じ取るトウマであった。どこか母親気取りでいたがもう立派に働けることが分かり少し嬉しく感じていた。
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