Ver3 望郷の念

Ver3.0 あの日、あの時みた夢は

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 エラーコード:九十九

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 地平線まで広がる草原。

 ゆっくりと進む雲。

 鳥は気持ちよさそうに空を飛び、私は日陰でそれを眺めていた。

 風はゆったりと吹き、心地よい気持ちが全身を包む。

 あの時の私はいつまでもこの時間が続いて欲しいと、確かに思っていた。



 覚えているのはそこまでだ。


 そして、私は目が覚めた。


 眼の前に広がっている光景。


 それは現実という、残酷な光景。


 地平線などない

 雲など無い

 鳥も、日陰も何もない。


 あるのは朽ちた壁とコンクリートの柱。

 誰もいない、声もしない。

 まるで全てが死んでいるような空間。


 私はこの空間と同じだ。

 時間と共に朽ちていき、時間と共に忘れられて行く。

 それがきっと、死なのだ。



 ああ、あの時の夢が懐かしい。


 できることならもう一度、あの光景を見てみたい……。


 どうか―――

 どうか―――





 ―――Ver3.0 あの日、あの時みた夢は 終

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