第17話 お詫び
先ほどのお詫びとして、1000円のパフェをおごった。遊園地ということもあり、とっても割高となっている。
「光さん、から揚げ、ポップコーン、焼きそばも食べたい」
「加奈さんのいうとおりにさせていただきます」
加奈はくすっと笑った。
「パフェだけでいいよ。たくさんおごってもらったら、光さんのお金がなくなっちゃう」
財布の中身は5000円。5つをおごったら、財布はすっからかん。それ以上になると、マイナスに転じる。
「同級生と顔を合わせるなんて、思ってもみなかったね」
「うん。知り合いがいるとは思わなかった」
「私たちの噂は、広まっていくだろうね」
「加奈さんはどうするつもりなの?」
加奈はパフェを一口食べる。
「なんとかなるよ。深く考える必要はない」
噂を流されたら困る立場なのに、あまりにもあっさりとしている。加奈は心の中で、どのような思考を持っているのか。女心に疎い男には、想像はまったくつかなかった。
「昼からはどこを回ろうか?」
「絶叫系はもう勘弁・・・・・・・」
加奈は苦笑いを浮かべる。
「昼からは観覧車にしようか。二人きりの空間をゆったりと過ごしてみたい」
「観覧車か。とっても楽しみ」
大好きな異性と二人きりになれる空間。雰囲気に任せて告白すれば、きっとうまくいくはず。四度目の告白をして、片思いに終止符を打ちたい。
「光さん、ご飯は食べないの?」
「そうだな。何か食べないと」
最初は持参する予定だったけど、遊園地内は飲食物持ち込み禁止。昼食は建物の中で食べる必要がある。
「あそこで売られている焼うどんにしよう。とってもおいしいらしいよ」
「わかった。それにしよう」
光は手を差し出すと、加奈は素直に握った。
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