好きな女の子に告白したら、99パーセントの確率で浮気をするといわれました

のんびり

第1話 浮気率99パーセント

 好きな人の告白に失敗したあと、声を思わず漏らしてしまった。今後のことを考えると、何もいわないほうがよかった。加奈に対して、未練がましい、相手の都合を考えない男という印象をうえつけてしまった。


「どうしても無理ですか?」


 光の告白に対して、加奈は小さく首を振った。


「うん。どうしても無理」


 どうしても諦められない男は、彼女の本心を引き出そうと必死になった。


「どうしてダメなのか、わかりやすく伝えてほしい」


 加奈は顎に手を当てて考えたのち、一つの答えを導き出す。


「光君のことを、二番目、三番目に好きになることはできる。ただ、一番には絶対にならないという確信を持てる。私の好きだと思える、ストライクゾーンから完全に外れてしまっているの」


 加奈の瞳は力強さを伴っている。


「私は誰ともお付き合いしていないから、光君と交際することはできる。ただ。付き合ったとしても、他の男性に心変わりする確率は99パーセント以上。そんな状況で

付き合ったとしても、光君も楽しくないでしょう」


 浮気率99パーセント以上を宣言され、がっくりと肩を落とす。


 加奈は小さな瞬きを繰り返す。


「私にこだわる理由は何なの?」


「僕にとっては、ストライクゾーンの女性だから」 


 彼女の見せる笑顔に、幾度となく励まされてきた。励まされているうちに、この人と一緒になりたいと強く願うようになった。


「私のことをどうしても忘れられないなら、三カ月後にやってくるといいよ。天文学的な確率で、心は変わっているかもしれないよ」


「加奈さん・・・・・・」


「私にできる最大限の譲歩だよ。これ以上を求められるのであれば、絶縁宣言をここですることになるから」


「加奈さんに認められるために、男磨きをやってみる」


 加奈は小さく一礼すると、光の前からいなくなった。

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