第516話 愛人が愛人契約書とかで許される時代になるならば70のおじぃちゃんもずっと火操れたのにね。
役所についた。
「ちょっと待てや。」
「何?晃太?」
「いや、母さん行くのは分かるよ?けど何で他姉貴以外全員行こうとしてんだよ?」
「え?」
「え?じゃねーよ。雫。」
「え、だって私達は今から役所に宣言しにいくんだよ?」
「そうだよ……………?」
「宣言?何の?」
「女子と女子でも結婚出来るってことを高らかに!」
「宣言……………」
「いやいや、違う。違う。」
「何が違うの?」
「違わなくない…………」
「場所が違うし。宣言するなら裁判所とか警察とか行けや。役所じゃ何にも変えれないぞ?」
「あーなるほどね。じゃあ行かない」
「いかない…………」
「適当過ぎるな。」
「あの………先輩。」
「何?」
「今貰うのは無理かと思いますよ?」
「いやいや、貰わないよ?ただただ、ね?見たいだけ。雰囲気味わいたいだけ。役所の雰囲気を。」
「役所に行ったことないんすか?」
「あるよ。ある。」
「なら雰囲気とか変わらなくないですか?」
「う~ん。確かにそうかもね。うん。やっぱり優くんと来ないと意味無いわ。いる。」
「進藤と来たら変わるんすね…………」
「アリス先輩は…………」
「役所に来たことがないので見学にと。」
「……………先輩は………大丈夫っす。ついていってください。」
「あ、うん!ありがとう!」
「彗。」
「愛人様!愛人様も行きましょうよ!」
「行かねーよ。」
「何故ですか?」
「逆に何で行かないと行けないんですか?」
「いつかは来る場所なんですから!」
「お前とは来ないはずだけどな。」
「何を言ってるんですか!愛人様!愛人になるんですから愛人契約書を役所に提出しないと」
「そんな世にも奇妙な書類はない。そしてこの日本に正式に愛人契約を認める方法はない。」
「え、でも社長とか芸能人とか愛人がいるとかザラじゃないですか?」
「で結果ネットでボッコボコに叩かれてるの知らない?ご存知ない?」
「愛人様は愛人様ですから大丈夫ですよ!」
「意味が分からない。そして頭をゆっくり冷やしてくれ。そのために中にいろ。」
「晃太くん!行くよ!」
「行かねーって言ってたの聞こえてなかった?」
「それは彗とでしょ?私となら。彼女で妻である私となら行けるでしょ?」
「行かないから。」
「え~!何で?」
「え~。逆に何で行くと思った?」
「そりゃ、予行練習に必要だから。」
「予行練習がいらないんだよ。てか予行練習って何だ。」
「あ、なるほど!分かった!分かったよ!」
「何が分かった。何も分かってないだろ?」
「いやいや、分かってるよ。つまりこういうことだ。役所に行くのは私達が正式に結婚しようってなった時、その瞬間その瞬間だけに全神経を集中させて楽しくいきたいんだね!」
「あ、母さん。アリス先輩。早く行ってきてくださいな。後のバカどもは何とかしますから。」
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