第480話 燃え尽きたよ………真っ白に………

「それにしても………母さん何処行った?」


ゲームセンターバトル終了時から姿を見ていない。まさか………


「帰った?」

「帰ってないよ!」


「うぉ!ビックリしたぁ。耳元で爆音鳴らすのはやめてもらえる?母さん。」


「あ~、ついつい。」


「ついついじゃねーよ。」


歳考えろ。アンタの方が長く生きてるだろ。そりゃあ色んなこと知ってて当たり前だろ。

てかこれに至っては常識とかマナーとかじゃない気がするけども。


「何処行ってたん?」


「真っ白に燃え尽きてた。」


「はぁ?」


「有名なボクシング漫画を知らないんですか?先輩?」


「有名………有名………」


「全部見たことないけど、そのシーンだけなら見たことあるぞ?でそれが何?」


「お母様はそのシーン同様真っ白に燃え尽きて数十分以上その場から動けなかったんだよ?」


「数十分?」


「しかも…………ゲーム機の前で………」


「めっちゃ邪魔してるじゃん。他の人の。」


「まぁ、数十分だからいいかな~って」

「かな~………って…………」


「お前らの中で確定して数十分か分からないのに変な理論組み立てるなよ?」


「まぁ、今日の目玉商品って書いてるゲーム機のところだったから何処からか舌打ちも聞こえた気もするけど。」

「気にしない…………気にしない………精神で………」


「舌打ちされる前に撤去しろ!」


うちの母親が目の敵にされてしまう。

恥ずかしいというより情けないから。


「で、今は?」


「体力と気力は復活した!」


「あっそ。」


ふんふん、じゃないのよ。手をグルグル回すな。


「あれ?てか雫と乃蒼だけ?アリス先輩と百舌鳥先輩は?」


「ご飯探しに行ってくれてる。」

「旅に………」


「アリス先輩をまず1人で動かすな。お嬢様だぞ?」


「お嬢様でも旅をさせよ。」

「名言………」


「迷言だわ!1人で動いて前に拐われたことあったんだぞ?」


「ぱっぱっら~………」


「は?」


「大丈夫!1人で動いてないよ?愛梨も一緒だから!」


「だから、ってそれでもお前ら下の学年が上の学年使ってるのは変わりない事実だよな?」


「上下関係なし!」

「皆平等…………」


「それは上の人が言うから成り立つんだよ。」


「あ、ちょい待ち。」


スマホを見る雫。


「あ、食べるところ見つかったって!今番号発行して待ってるとこ、だって!」


「いこ…………」


「お前ら気楽だよな?」


「何を~?私さっきまでアナウンスしてて喉カラカラお腹スカスカなんだから。」

「私も…………コーラ買いに………走って………ペコペコ?………」


「アナウンスしろなんて誰も言ってないのにやるお前が悪いだろ。後お腹ペコペコ?って疑問系で聞かれても知らんから!お前の体に問えよ!」

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