第478話 プロレスの試合みたいに盛り上げてくれるアナウンサーがいるから熱がこもる

「さてさて~!結婚という大事な問題を賭けた3本勝負、一回戦はお母様が勝ちをもぎ取りました。さてさて第二回戦、ゲームセンター景品取り合いバトルも間もなく終盤ラストスパートに入ります!両者とも初めの2000円から3000円までは上手く要領を掴めず全然掴めませんでした。ですか、3000円を過ぎた辺りからでしょうか!どちらの選手も取り方のコツを見つけ始め1つ、2つ、3つと徐々に取れていき今となれば袋の中がパンパンです!両者ともどちらも譲らないデットヒート!まさに100円に泣く勝負となるでしょう!2人ともお菓子などのたくさん取れる台には行かずあくまでも人形、フィギュアなどを取っています。これはどちらが負けても言い訳も出来ないほどの素晴らしいフェアバトル!さてさて!後残り数千円というところでしょうか!さぁ、このバトルどちらが勝つのでしょうか!」


「お前は何か生きるのが楽しそうだな。」


「はい…………雫…………コーラ…………」


「ありがと~!乃蒼~!大好き~!」


そういってコーラを一気に胃に流し込む。

いやいや、炭酸爆発するぞ?


「げぷ。ぷはぁ~!五臓六腑に染み渡るな~!」


「コーラ一気に半分以上飲んだヤツ初めて見た。」


「芸人でもいるじゃん?コーラ一気に飲む人?」


「あれは芸であってお前のは芸じゃないだろ?てかお前何してくれちゃってんの?」


「何が?」


「お前がバカみたいに実況するから何かめっちゃ野次馬出来てるじゃん?」


「結婚しろ!」

「結婚すんなよ!」

「こんなんで決まるってスゲーな。」

「バカみたい。」

「でも気にならない?」

「結果だけ見ていこ?」

「もうすぐ終わるみたいだし?」

「何だその下手なプレイは!」

「もっと上手くとれい!」

「お前は矢田心か!」


興味、呆れ、暴走、熱意、ジャル○ャル。

意味が分からない。全員に何故そんなに気になるかを聞きたいな。


「お前これを一種の政だと思ってないか?」


「え!違うの?」


「こんなアホなことでしたくないわ。」


風情もクソもない。


「野次馬作ってどうすんの?何の意味もないだろ?」


「チッ、チッ、チッ。分かってないね。野次馬がいることでよりプレッシャーというモノがかかり勝ちに対する執着が凄くなる。つまり勝負がアツくなる!」


「別にさ。テレビじゃねーからアツくしなくていいんだが?」


「アツければアツイほうがいいじゃん!あ、待って!皆さん見てください!2人とも残すは1プレイ100円のみです!ここまでほぼ互角。この1プレイで勝負が決まるといっても過言ではありません!さぁ、始まりました!神様はどちらに味方するのでしょうか!」


いつの間にか大観衆になった野次馬と共に最後のワンプレイを見守る。

1人は景品をとり、1人は景品をとれずに終わった。さぁ、結果は?


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