第320話 主役は大人組。けど恋愛指数はずっと低め。

「嘘発見器?」


「マジなんですか?」


「ホントですよ。ほら見てください!」


「いや、見てくださいって言われてもまず本物をみたことないんで………」


「あ、なるほど。そりゃ困りましたね。」


「だから困ってます。」


「まっ、とりあえず試してみたら?」


「香織………お前はまた適当に………」


「じゃあ晃太くんから………」


「嫌だよ!何でトップバッターなんだよ?」


「男だし?」


「男女平等にいこうや………」


「あの………あまり面白そうではないですか?」


「はい?」


黒井さんが少し残念そうに言う。


「嘘発見器で少しでも盛り上がるかな?と思ったんですが………勘違いでしたか?」


「いやいや、あの黒井さんは悪くないし嘘発見器も面白そうなんですけど。」


「けど?」


「電気くるじゃないですか。その電気が怖いなっ………」


「あれ?晃太様知りませんでしたか?本物の嘘発見器はビリビリの電気は流れないんですよ?」


「へ?そうなんっすか?」


変な言葉遣いになった。


「ビリビリ電気が流れるのはパーティグッズ。ただの玩具、バラエティグッズですよ。」


「それで怖がってたの?可愛いんですけど~?」


「うるせぇ。香織。」


「激エモ萌え萌えラブリーキュンキュン可愛いんですけど~?」


「気持ち悪い。気持ちが悪い。言葉が気持ち悪い。」


何そのバカな造語。


「とりあえず一番は晃太くんで……」


「待てよ!」


「おっ?ちょ、待てよ?」


「ちょ、とは言ってないだろうが。」


木村イズム取り入れてませんから。


「だからトップバッターは怖いって。何の質問が来るかも分からんのに。」


「あ、来るのは大体恋愛絡みだから大丈夫」


「より大丈夫じゃなくなったわ。」



「恋愛絡み?」



1人の人間に響いた言葉。



「何で恋愛絡み?」


「皆でするから盛り上がる。それが恋愛絡みの質問でしょうが!」


「そんなお馴染みみたいに言われもこちらの世界ではお馴染みじゃないんで!」


「私たち女子組はお馴染みなので。な?」

「はい!恋話を聞くのは楽しいですから。」

「おう。お前に同情したくないがここは肩持つわ。」

「私はアリスが望む方へ」



「ちょっと待って!援軍少な!俺と進藤だけ?ちょ、進藤なんかカマセ!」


「え、そ、そんなこと言われても………」


「優くん。」


「はいっ!」


「優くんもコイバナしたいよね?よね~?」


「あ、は、は、は、い、コ、イ、バ、ナ、し、た、い、で、す、」


「………」


援軍消えた。


「ちょっと!黒井さん?あと心音姉さんは?どうおも………」


「だから何でトップバッター私なんですか?」


「一番の大人なんだからそこでこうするんだよ?って見せてあげる。手本となるのが一番でしょ?」


「はぁ………わかりました。私が最初で誰が得をするのか……」


「はー……うん!得はないね!別に!」


「じゃあ次は貴方がやってくださいね?」


「…………へ?」


「年順なら貴方ですし、昨日のことも気になりますし。」


「…………わ、わ、わ、分かった………よ?」



うん。主役はこちら2人ですね。今回。

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