第316話 恋はハリケーン、ゾ○は龍巻き

「う、う~ん……………拍手………か?」


拍手をするか悩む案件である。


「アレ?喜んでくれるかと。」


「喜んで………はいるけど………急だわ。」


「恋は…………ハリケーン……………」


「お前が言うな。犯罪者。」



けど2人が付き合ったってことは。



「とりあえず…………うん。おめでとう。」


「ありがと!」

「………あり」


「あり?まぁ、いいや。付き合ったってことは」


「うん!キスもしたしハグもしたしセックスもした………」


「そこは知らんし言うな。言うな。聞きたくないから。そこじゃねーよ。」


「何処?」


「お前は俺のこと好きじゃなくなった訳だな?」


「言ってるじゃん?好きだって?」


「友達として、だろ?」


「まぁ。まぁね。」


「つまりもう彼女が出来たから俺はいらな」


「私両方アリだよ。」


「ふざけんな。両方アリじゃなくて………」


「ウソウソ。両方アリだけど今は好きな人が1人でいいんだから。今はいいかな?」


「ハッキリしない奴だな。お前………」


「大丈夫………」


「あ?」


肩にポンっと手を置く。


「私………しっかり掴んだ…………掴んだ………魚は…………逃がさないし………絶対………死ぬまで………捕まえ………続ける………」


「お前はいちいち言い方がコエーんだよ!まぁ、とりあえず………お前が逃がさない。乃蒼が逃がさないってよ?」


「逃がさない、か!にゃはは!じゃあ乃蒼一筋で愛そうかな!」


「かな………じゃない………愛して………」


「了解~!!」


このカップルはどっちがリードするとかじゃないな。乃蒼の圧倒的愛が雫の破天荒を緩和してるな………

いいカップル………か?


「とりあえずカップル成立して盛り上がってたから来なかったんだろ?理由わかったし俺の役目は終わったし帰る………」


ドンドン。


「え……」


ドンドンドンドン。


「え、ノックされてる………誰………」


「晃太くん? 無事?やっぱり心配で来ちゃった。」


「香織?」


今ここで声を出さなければ未来が変わったかもしれない。


「晃太くん!大丈夫?良かった無事だったんだね!良かった!やっぱりコイツら心配だから!来たの!」


「あ~、なるほど。なら普通に来ればいいじゃねーかよ。」


「そのときは大丈夫だとなんか思ったんだよ!」


「変な価値観………」


「とりあえず入るからね?」


「あぁ………って。ちょっと待て!ちょっと待て!」


「うん?どうしたの?晃太くん?」


「いや、ちょっと待って!ちょっとだけ待ってくれ!」


「どしたの?」


「いや、ちょっと待って!ちょっと待って!」


乃蒼と雫を集め小さい声で命令する。




「お前ら、服着ろ!」




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