第314話 入っちゃいけない駄目な部屋
「乃蒼の部屋は何処何処何処……ってここか。105」
てか普通加害者の元に被害者ぶつけるかね?
正気じゃねー。まぁ、正気じゃない奴ばっかりの集まりだけど…………
「よしっ。」
コンコン。
「乃蒼さん?乃蒼さん?起きてますか?起きてますか?」
……………反応がない。
え、これずっとコンコンしなきゃダメか?コンコンする機械となるべきか?
…………開いてないかな…………
カチャ。
「え?」
開いてる……………開いてるんですけど。
「………………開いてるから、入りますよ~。トラップとかじゃないですよね~?罠とかじゃないですよね~?大丈夫ですよね~?」
これで槍とか針とか飛んできたら仕方ないよな…………仕方ないこともないんですけどね?
キィーっと開ける晃太。
「何もね~…………………」
何もないどころか使ってない。そして何もない。
「え、アイツ帰った?アイツ帰ったのか?アイツ勝手に殺りにきて勝手に帰ったのか?こんなクソみたいなことある?」
ガチャン。
「何?」
何か落ちた音したけど…………した方って…
「雫の部屋?」
そんな遠くないよな……………雫の部屋。
う~ん。めちゃくちゃ嫌な予感がするが。
「行くか…………行かないと終わらねぇ。」
雫の部屋は106。いや隣やん。近。
ここから音が……………
「はぁ………………」
気合いを入れるのではなく負のエネルギーを発散して………
コンコン。
「雫。起きてるか?起きてるなら出てきてく」
「晃太くん、おはよ。」
返事が返ってきた。そのことに少しびっくりしつつ話を続ける。
「お、おはよ…………じゃなくてお前、飯食えよ。皆心配してるぞ?」
「あ~、心配してますぅ?てかあのアナウンス心音さんですよねー。何かあったんすね?」
「あぁ、まぁ、色々あったけどとりあえずお前は早く食事をしろよ?」
「え、先に話を聞きたいなー。だから先に教えてよ?」
「え~、めんどくさ………てか乃蒼もいないし。」
「とりあえず入ってよ。鍵も開いてるし。」
「何でお前ら無用心なんだよ。鍵も閉めないで……」
「まぁまぁ、悪い人いないからね!」
「お前が悪い奴だろ。」
「悪くはないよ?良くはないけど。」
「はぁ…………入らないと進まない訳?」
「ご名答!」
「めんどくさ。じゃあ入るわ。」
「はぁ~い!」
この時何も感じなく入った自分を数十秒後恨めしく思った。狂人が入っていいよ、って招いてる部屋に自ら行くなんて自ら海に飛び込むようなモノ。
なのに開けてしまった。
その禁断の扉を。
その変わってしまった関係を。
「失礼しま…………うへぇ!?」
そこにはベッドの上で裸になっている2人の姿。
雫と乃蒼の姿があった。
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