第257話 ネチョネチョ触りはドレイン攻撃?

何て嫌な誘い文句だろう。

普通にしとやかに

手………繋ご?とか

手………繋いでも……いい?とか

男子が想像するめちゃくちゃいい誘い文句いや、誘いシチュエーションがあるがその最低ライン。

グチュグチュに手を繋ぐよ!

って何だよ………

頷くな。後ろで。香織。


「あの……百舌鳥先輩」


「何か?晃太くん?」


「あの………恋人繋ぎをすることは別にいいと思うんですけど………グチュグチュに繋ぐってなんすか?」


「グチュグチュに繋ぐとは何ですかとは何ですか?」


「へ?」


え、疑問を疑問で返された。


「え、晃太くんもしてるでしょ?香織と手を繋ぐこと。」


「えぇ……まぁ香織が強制的にしてくるんで。」


「だったら分かるでしょ?グチュグチュ」


「いや、グチュグチュは分かんないっすわ。どう考えても……」


「もう。何回もしてるから鈍感になってるんだな?羨ましい………香織!」


「何?」


「グチュグチュ実践して。」


「あいさー。ほら晃太くん手、貸して。」


「貸してじゃないじゃん?お前無理矢理手を引っ張ってるやん?痛い!痛い!千切れる!普通に貸すから!手を緩めろ!」


千切れそうな手を何とか助けだし香織が実践と言って恋人繋ぎをしてくる。

大体コイツが手を繋ぐ時は恋人繋ぎが多い。


「はい!出来た!」


何の変哲もない普通の恋人繋ぎ………


「あのこれのドコがネチョネチョなんすか?」


「あ、ビューティフル!」


「ど、どしたんですか?百舌鳥先輩?」


「ほら見て?この2人の手と手を繋ぐ指の間からこぼれ落ちてくる汗………これこそがグチュグチュ!汗が出るくらい絡み付いて離れないそんな手繋ぎを私はヤりたいの!いやヤるの!今から!ね?優くん?」


あ、進藤。また縮んでる。


「よしっ!やるよ!ヤるから!手を出して!」


「……………」


「手を出して?」


「……………」


「手を出そうか?」


「……………」


「優くん?」


「……………」


「優?」


「……………」


「また管理されたい?」


手を上下にシコシコ………


「あっ、あっ、あっ………」


急いで手を出す。両手を出す進藤。出頭した犯人かよ。


「フフッ。両手は使わないよ?フフッ。可愛い。はい。」


進藤の左手を握りしめ手を握る百舌鳥先輩。


「やった。1ステージクリアだね!」


「…………は、はい」


「優くん、手ほそーい。ピアノとかしてるの?」


「いや、あ、あの………」


あ、確かにネチョネチョ触ってるわ。

ネチョネチョネチョネチョ触りながら進藤のHPを削っている。ドレイン攻撃ではないかと晃太はそう考えることにした。



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