第127話 いじめとイジリの境界線はほとんど見えない。

キンコーンカンコーン


あ。一時限目のチャイム。

だけど‥‥‥まぁ無理よな。無理よな。

何かこの頃授業参加率がだいぶ減ってきてるけど、出席日数とかテストとか大丈夫かな。

まぁ、それよりも先にしないといけない、解決しないといけない問題が目の前にあるからな‥‥‥


「は?‥‥‥‥‥‥‥ちょっと待って。」


「待つよ?いくらでも待つけど待って解決するか?」


翠が解決まで頭が回転するかがちょっと分からないんだけどな。


数分経ち翠が言葉を発する。


「え。付き合ってどれくらい?」


「一週間とかそこらじゃねーの。多分。」


「一週間、一週間でその情報量な訳?」


「スゲェだろ。」


「スゲェとかじゃなくて‥‥‥理解が追い付かないの‥‥‥」


「まぁ、常人はそうだよな。良かったなお前は常人だぞ?」


「何か元いじめられてた人が常人とか言われるの私としては複雑なんだけど?こうたん」


「いや。晃太くんはいいわ。話はアンタとした方がいいわ。」


「うん?」


「香織。」


「何か?」


「てかホントに香織なの?」


「香織ですよ~。あなたがいじめていた貞子かつ豚の香織ですよ~」


「くっ‥‥」


翠は苦虫を噛み潰したような顔をしているがホントなので何も言えない。


「そ、その香織が何で晃太くんと付き合ってるのよ?」


「いったでしょ?まず中だしゴム無しセックスをして‥‥‥」


「まず、がおかしいんだよ。前提が。」


「ん?」


「中だしって‥‥‥そんな危ないことを2人了解して?」


「何を言ってるの!無許可に決まってるじゃん!」


「無許可?どっちの?」


「こうたんの!許可!」


「ん?ということは?」


「所謂逆レイプですね!」


「香織。お前さそんな誇って言うことじゃねーんだわ。」


「誇ってもいいでしょ!」


「どこに誇るんだよ。」


2人でいつものように漫才をしていると‥‥‥


「は」


「うん?は?」


「は、は、は、犯罪じゃん‥‥‥」


「え?」


「犯罪だよ‥‥‥レイプしたんでしょ?男女が逆でも‥‥‥レイプしたんでしょ?犯罪じゃん。警察に‥‥‥」


「え?綾崎さんあなたがそれを言うの?」


「え?」


「私に対してあんだけ豚や貞子って言葉のナイフで傷つけ力からの傷もしてたあなたが。」


一気に香織の言葉が冷たいモノに。


「いや‥‥‥私は‥‥‥私がしてたのは小学生の時のことで一種の遊びみたいなもんで‥‥‥」


「もし私が死んでたら?」


「え?」


「今私は地に足つけて生きてるけど、一歩間違えば晃太くんがいなければ私は死んでたかもしれないんだよ?」


「そんなたられば‥‥‥」


「いじめってそういうモノだよね?一歩違えばイジリだけど感覚が変わればいじめに変わる。だから自殺する子がたくさんいるんでしょ?」


「いや‥‥‥その‥‥‥」


翠が言葉に詰まると‥‥‥


「私が犯罪してるって言ってもいいよ。だったらあなたも犯罪者だから。そこしっかり分かって話してきなさいよ?次からは。」


踊り場でそう言われた翠は魂を抜かれたようにその場に立ち尽くす。


「行こ。こうたん。」


「あ。あぁ。お前さ。」


「何?」


「何か言葉を扱う職についたらどうだ?」


「何?例えば‥‥‥あ!ラッパーとか!ヨーヨー!ヨーヨー!」


うん。さっきまで賢かったのにバカに変わるの早いな。

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