第125話 新キャラを出してこう動かしていこうと試行錯誤してる時が一番楽しい
転校生が指を指してこちらを向く。
まるで犯人はお前だ!的な指指しで。
まぁ待て。晃太。もう何回このような状態になった?何回このようなクラスメイトの目の焦点で焼かれるようになった?もう正直慣れた。
「えーと‥‥‥‥待ってくださいね‥‥‥あー、昨日のコンビニの店員さん。」
「誰よ!違うわよ!そんな軽い関係じゃないわよ!」
「軽い関係じゃない‥‥‥あー、じゃあ生き別れた兄妹とか?」
「あんたの関係性の感覚どうなってるの?生き別れた兄妹がいるの?あなたに?」
「いや、知らないですけど?」
「知らないならより何故言ったの?」
「いや、分からないから‥‥‥」
「こうたん?あれ‥‥‥誰?」
「香織も知らないの?じゃあ誰が知ってるんだ‥‥‥」
「待って!今何て?」
「え?じゃあ誰が知ってるの?って」
「その前!その隣の女の子の名前‥‥‥」
「え?香織。沢 香織ですけど?」
その名前を聞いて転校生さんは何故か顔を青くする‥‥‥そして。
「先生‥‥‥あの2人と少しお話してもいいですか?」
「あ?あー、いいぞー。好きにしろー。」
「灰カスはなんでもいいだろ。」
「いや~。お前らの人生見てるとあわただしくて楽しそうだわ。代わりになりたいと思わないけどな。」
「あ、初めて意見があったな。俺も灰カスみたいな人生と代わりになりたくないわ。」
そういいながら教室の扉を開く。
「で転校生さん。どこにいくつもりで?」
「あんたら‥‥‥ホントに私の名前聞いても分かんない訳?」
階段の踊り場についた彼女はそう話す。
「えー」
「うーん」
「てか」
「てか」
「てか?」
「「名前なんだっけ?」」
「あ、あんたらは‥‥‥ 昔から‥‥‥」
「昔?」
「私は綾崎 翠!小学生の時横にいる香織?をいじめてたヤツよ!」
「‥‥‥あーー。あの香織に何回もちょっかいかけてた‥‥‥お前か。大きくなったなぁ。」
「やめて!その親戚のおじさんスタイル!あと大きくなったとかセクハラだから!」
「背とかの話してるんだけど?」
「胸も入ってるでしょ?」
「あのさ‥‥‥お前は思い違いが激しいぞ?」
「じゃあ少しも感じてなかったのね?」
「少しも感じてない、と言えば嘘になるな。」
「セクハラ!」
「モラハラだわ。」
だるめんどくさい彼女と絡んでいると横でちょいちょいっと指を指す彼女が。
「何?」
「盛り上がってるなーって‥‥‥」
「盛り上がってるか?多分盛り上がってないぞ?」
「てか一つこうたんに言ってもいい?」
「何?」
「実は綾崎 翠って名前を聞いて気づいてた。」
「じゃあ教えろよ。」
「いや、私にとっては嫌な思い出の一つだから。」
「あっそ。」
「てかてか!晃太くんにも聞きたいこといっぱいあるけど‥‥‥一番はあんたよ!香織!」
「何?」
「イヤ!小学生の頃のあんたは貞子で豚だったじゃん!それが‥‥‥」
「イメチェン!」
横ピースじゃないよな。と晃太も思う。
あとイメチェンはその通りだけど‥‥‥
「別人じゃん!」
「別人にしたんだよ!こうたんのために!」
胸をはる香織。
「てかこうたん、こうたんってアンタらの関係どうなってるの?」
「えー聞いちゃう???あ、こうたんから言ってよ~」
「くねくねすんな。」
「じゃあ晃太くんに聞くわ。あなた達の関係性は?」
「えー、一言で余分なモノ削ぎ落とせば‥
恋人だな。」
恋人、その言葉に
綾崎 翠は膝から崩れ落ちた。
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