誕生日プレゼントは俺って言ったら幼馴染みに襲われた件

第71話 色ボケになると思考力が低下する。そして気づく小さい謎。

あと少しで昼休み………地獄が始まる。ってところでこの香織の大失態を伝えねばならない人物が2人いる。

「どうしたの？香織……に晃太くん。」

「すいません。授業中に。」

「大丈夫。授業って言っても大半は自習だからね！」

「そ、そうっすか………」

にこやかな笑顔で話すアリスさん、だが。

大半が自習、クラスメイトとは同じ空間にいれてもらえない。入るのは御付きの者、いや今となれば恋人の忍先輩だけ。

普通の学園生活とは全く持って違う……

これには何かあるのか？もちろんそんな失礼な話はしないが………何か大きな力を感じる。

「でどうしたの？いきなり来て。何か用？」

こてん、っと頭を横にするアリスさんにいきなりだが本題に突っ込む。

「先輩たちは百舌鳥さんってご存知ですか？スクープを狙う人なんですけど………」

「百舌鳥？あ～！お昼の校内放送で何か人を呼んでお喋りとかしてる人のことでしょ？」

「あ、そうです！その人です！そのひ……」

「当たったって～♪しのぶん。ナデナデして頭ぁ！」

「わかったよ。スゴいね。偉いね。物知りだね？アリスは？」

「えへへ！まぁーね！」

「……………」

いきなりイチャイチャしだした先輩方。一体何をしたらこんなに人は180度も変わるんだ？

ぐいぐいっ。

「ん？」

「私だって知ってんだからナデナデを要求する！」

「諸悪の根源が何を言ってるんだ。ふざけんな。」

「でも知ってるから」

「だから全部お前のせいで起こったドラマだろうが。ふざけんな。」

いらないドラマを始めさすな。マジで。

「んで、ですね。その百舌鳥先輩に関してなんですけど………」

ようやく香織が起こした失態について話す。

「と、いうことで……先輩方のことは内密にするつもり、というか内密にしないといけないと思ってるんですけど……」

「内密にしなくていいよ。」

「だからすいま……え？」

今なんて？

「だから！内密にしなくていいよっ、ってば！私たちが付き合ってることばらしてもいいよ？」

「いやいやいやいや！それはダメでしょ？」

「何で？」

「いや、何で？って言われたら………ちょっと分かりづらいっすけど………」

「私たちは付き合ってるんだし。第一私の顔を知ってるのは香織と晃太くんとしのぶんだけなんだから！バレてもダメージないでしょ？」

「いやいや………生徒会長と副会長が付き合ってるってなったらアリスさんのことを知りたいって嗅ぎつく奴がいてもおかしく……」

「そうなればいいんだよ。」

「へ？」

力を込めて言ったその言葉。

そうなればいい？ アリスさんはバレても平気なのか？なら何でこんな隔離空間に……

「それにいざとなればしのぶんもいるし！」

「嗅ぎつけるヤツは一人残らずぶち殺します。」

「忍先輩もそのキャラ捨てたのでは？」

「時と場合があります。だからこそそういった時は鬼も復活する日なのです。」

「……………」

「ともかく！私が百舌鳥先輩に質問されても全て正直に答えていいってことだね！」

「うん。」

「はい。」

「つまり、私は2人のことを知らしめる重要な栓を抜いた訳だ！やった行いは正しいってことだね！」

「まぁね。」

「はい。」

ニコニコした香織がこちらを見る。

「ほら見て！私がしたことは全部正しかったって証明………痛い！痛い！痛い！痛いよ！」

ほっぺをつねりながら話す晃太。

「調子に乗るな！先輩方がよくても俺は大事件にはしたくないんだよ！だから秘密は守り通す！」

「えー」

「えー」

「はぁ」

「何ですか？皆さんその目は？ちょっとつまらなさそうにするのやめてくださいよ！つまんない男みたいな………」

「つまらない。」

「冒険しなきゃ。」

「私は鉄で殴るだけですので。」

「あ～！もう！知らない！知らない！とりあえず絶対に事件は起こしませんからね！」

そう決めた晃太も諦めるくらいの大事故、大惨事まであともうすぐ。